患者さんがモンスターペイシェントになる前に!クリニックで取り組みたい予防策とは

患者さんやスタッフの安全を
守るために欠かせないのが、
モンスターペイシェント対策です。

モンスターペイシェントに遭遇したときの
対応だけではなく、患者さんの
モンスター化予防のための環境作りも
必要です。

今回は、患者さんがモンスターペイシェントに
なる前にできる、クリニックでの取り組み
について紹介します。

もくじ
モンスターペイシェントの定義と増加の背景
患者さんのモンスター化を防ぐために必要な取り組みとは
 1.接遇に気を配り、誰にでも平等に接する
 2.スタッフ間のコミュニケーションを充実させる
 3.患者さんを主体とした医療提供を意識する
 4.待合室を快適に過ごせる環境にする
 5.院内暴力を許さないクリニックであるという姿勢を見せる
クリニック全体でモンスターペイシェント対策に取り組もう

モンスターペイシェントの定義と増加の背景

全日本病院協会による
「院内暴力など院内リスク管理体制
に関する医療機関実態調査」によれば、
アンケートに回答した約1,100カ所の
病院のうち、半数以上の病院が
「過去1年間において職員に対する
院内暴力(身体的暴力・精神的暴力・
セクハラなど)を経験している」
と回答しています。

医療のサービス化が進み、患者側が
病院に求める医療提供水準が高くなった
ことが、モンスターペイシェントの
増加に繋がっているとも言われています。

また、医療従事者側が
「患者さんから暴力や暴言を受けた
原因は自分たちにある」と考えて
我慢してしまったり、風評被害を
恐れて警察や弁護士に相談できなかったり
することも、モンスターペイシェントが
増加している理由の一つでしょう。

院内暴力は、どんな理由があっても
許されることではありません。

モンスターペイシェントの被害に
あった場合には、患者さんや
スタッフの安全を第一に考えて、
適切に対処する必要があります。

また、日頃から患者さんへの接遇や、
院内の環境づくりに配慮することで、
患者さんや家族が
モンスターペイシェントになるのを
予防することも大切です。

患者さんのモンスター化を防ぐために必要な取り組みとは

患者さんや家族が
モンスターペイシェントになる前に、
クリニック側ができる対策としては、
以下のようなことがあります。

1.接遇に気を配り、誰にでも平等に接する

日頃から接遇に気を配り、患者さんとの
信頼関係を築きましょう。

忙しい中でも
「笑顔で明るく患者さんに接する」
「患者さんや家族の話を傾聴する」
といった、コミュニケーションの
基本を実践できるかどうかが大切です。

威圧的な態度をとる患者さんに
対しては、顔色をうかがって下手に
出るのではなく、
毅然とした態度で接しましょう。

「クレームを言えば自分の指示に従う」
と認識されてしまうと、要求が
だんだんとエスカレートし、
モンスター化する恐れがあります。

また、
「スタッフによって対応が変わる」
「その場しのぎの対応をする」
といったことは、患者さんの怒りや
不満をエスカレートさせ、
モンスター化を助長する原因になります。

患者さんからのクレームや、
院内暴力への対応については、
マニュアル化するなどして共有し、
スタッフ間の対応に
差が出ないようにしましょう。

2.スタッフ間のコミュニケーションを充実させる

医療従事者が若い女性であったり、
研修期間のスタッフだったりすると、
暴言や暴力などの被害に
遭いやすくなります。

新しく入ったスタッフには、
先輩スタッフがフォローに入るなど、
孤立させない体制作りを
心がけましょう。

また、
「業務量に対してスタッフの数が不足している」
「スタッフ間に極端な上下関係がある」
といった状況は、院内暴力の誘因に
なると言われています。

スタッフ間のコミュニケーションを
充実させ、良好な関係を築いて
おくことで、患者さんに攻撃する
隙を与えないことも大切です。

3.患者さんを主体とした医療提供を意識する

治療やケアの方針については、
こちらから選択肢を提示した上で、
患者さんや家族が主体的に意思決定
できるようサポートしましょう。

とくに治療や検査については、
実施する根拠や起こりうるリスクを
十分に説明した上で、
意思決定の過程をカルテに記載したり、
必要に応じて同意書や承諾書を
残したりしておくことが大切です。

4.待合室を快適に過ごせる環境にする

病院の待ち時間について、
不満のある患者さんは多いものです。

テレビや雑誌を置いたり、座席数を
増やしたりして、待ち時間が少しでも
快適になるよう工夫しましょう。

予約システムを導入するなど、
待ち時間や、待合室の混雑を
解消する対策をとるのも効果的です。

5.院内暴力を許さないクリニックであるという姿勢を見せる

クリニックのパンフレットや
ホームページ、待合室の掲示物など
を通して、暴言や暴力を許さない
クリニックであるという姿勢を示しましょう。

「他の患者さんの迷惑になる行為は警察に通報する」
「暴言や暴力がある場合には診療できない」
といった内容の掲示によって、
モンスターペイシェントに屈しない
ことをアピールすることが大切です。

院内暴力に関するスタッフへの研修や
訓練を実施している医療機関は、
まだ少ないのが現状です。

書籍や外部研修などを活用して、
患者さんのクレームや院内暴力への
正しい対処法をスタッフと一緒に
学ぶのもよいでしょう。

クリニック全体でモンスターペイシェント対策に取り組もう

モンスターペイシェントによる
院内暴力は、被害を直接受けた
スタッフだけではなく、
周囲のスタッフや患者さんなどにも
大きなダメージを与えます。

日頃の接遇や、院内の雰囲気などが
患者さんのモンスター化を助長する
こともあると認識し、スタッフ全員で
モンスターペイシェント対策に
取り組みましょう。

看護師 S.H.


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