もう怖くない!モンスターペイシェントへの対処法8つ

クリニックを経営していると、対応に
困るような難しい患者さんを診た経験の
ある先生も多いのではないでしょうか。

診療方針や会計、処方内容、接遇などに
対して何度もクレームをつけ、
理不尽な要求をする患者さんを
モンスターペイシェントと呼びます。

モンスターペイシェントは、クリニックにとって
負の影響を与える恐ろしい存在です。
今回は、モンスターペイシェントの怖さや
対処法などについてわかりやすくまとめます。

モンスターペイシェントの怖さとは

モンスターペイシェントとは、
一般的に医療機関や医療従事者に対して
自己中心的な主張をして、理不尽な要求を
何度もする患者さんのことです。

時に、患者本人だけでなく家族も一緒に
クレームをつけることもありますし、
患者本人よりも家族が医療機関や医療スタッフ
などに理不尽な要求を繰り返す場合があります。

どちらにしても、モンスターペイシェント
または家族への対応のために、院長や
医師をはじめとする医療スタッフの多くの
貴重な時間と労力が費やされてしまいます。

このようにモンスターペイシェントの存在は、
診療を滞らせるだけでなく、スタッフの離職や
クリニックの評判低下にもつながります。

モンスターペイシェントと応召の義務との関係とは

もしかしたら、利己的で理不尽な主張を繰り返す
モンスターペイシェントであると認識していても、
医師には応召の義務があるので、診療を拒否
できないと考える先生もいるのではないでしょうか。

応召の義務は、
医師法第19条1項で「診療に従事する医師は、
診察治療を患者が求める場合には、
正当な理由がない限り拒否してはいけない」
と定められています。

もし正当な理由がないのに診療を拒否した
とみなされれば、応召義務違反と判断されて
損害賠償請求や医師免許停止となる場合もあります。

では、正当な理由とは
どのようなものが含まれるのでしょうか?

具体的には以下の5つです。
①医師の診療方針に納得がいかず、自己判断による診療を要求する
②医師に対する暴言や暴力があり、信頼関係が崩れている
③診療室からの退去を求められても、何度も拒否して退去しない
④長時間の居座りや大声での不満によって診療業務を妨害する
⑤医師が別の医療機関にかかるように告げ、患者も従った

モンスターペイシェントの場合には、
医師や医療スタッフに対して暴言をはいたり、
利己的な主張の繰り返しのため
診療業務が妨害されていることが多いので、
信頼関係が崩れていると判断でき
応召の義務違反にならないと考えられます。

ただし、気をつけないといけないのが、
”応召の義務違反にはあたらない”
ということを証明する必要があることです。

そのために、カルテなどに患者さんとの
やりとりを丁寧に時系列にそって
記録しておくようにしましょう。

モンスターペイシェントへの対処法8つ

モンスターペイシェントの存在は、

  • 診療業務の妨害
  • スタッフの離職
  • クリニックの風評被害

などにつながる可能性があります。

適切に対処しないと、
長期間悩まされることも多いです。

具体的なモンスターペイシェントへの
対処法をまとめます。

①絶対に一人で対応しない

1人で対応するよりも、複数人で対応する方が
患者さんを落ち着かせることができますし、
スタッフの負担も軽減できます。

もしスタッフがクレームを受けたら、
一緒に対応できる数人に声をかけるなど
クリニック内でルールを定めておくとよいです。

②別室に案内する

すぐに落ち着かないようであれば、
別室に案内して話を聞くようにしましょう。
別室に案内すれば、他の患者さんに迷惑が
かかるのを防ぐこともできます。

③共感的態度を示し、丁寧に説明する

まずは患者さんの話をよく聞いて、
否定しないことが大切です。

そして、患者さんの気持ちが落ち着いたら
丁寧に説明をして、必要であれば繰り返し
説明するように心がけます。

④正確な記録を残す

患者さんが、クレームの内容が正確に
伝わっていないと感じると、
何度もクレームを繰り返したり、
暴言がひどくなることもあります。

正確な記録は、もし裁判になった場合にも
有益ですし、弁護士に対応を依頼する場合
にも役立ちます。

⑤クレームの内容はクリニック内で共有する

クレームの内容はクリニック内で共有して、
患者さんへの対応を統一するようにします。

個人のミスが原因の場合に、
ミスを隠そうとして共有されないことがあると、
よりクレームがエスカレートする
リスクがあります。

個人のミスであっても個人を責めることは
せず、クリニック全体で対処することを
徹底しましょう。

⑥特別扱いしない

できない約束をしたり、特別扱いしてはいけません。

患者さんの言うことを聞いて、例えば
優先的に診たりすると次回から同じことを
求められる可能性が高いですし、
他の患者さんも離れていきます。

⑦クリニックでの対応が困難な場合には弁護士に依頼する

クリニックでの対応が困難な場合には、
弁護士に依頼するのもひとつの方法です。

スタッフの時間と労力が費やされ、
スタッフが疲弊したり、患者さんの無理な
要求をのんでしまうということが
ないようにしたいものです。

⑧院内のマニュアルを作成しておく

クリニックによってはクレーム対応マニュアルを
作成していることも多いです。
ただ、スタッフ全員がマニュアルの内容を
全て把握することは難しいかもしれないので、
クレームがあったら内容を共有し、どのように
対応するべきかを再確認する機会を設けるとよいです。

具体例から学ぶモンスターペイシェント対策

具体的な事例から、どのように
モンスターペイシェントに対応するべきか?
みていきましょう。

例えば、内科クリニックで患者さんから
以下のように電話がかかってきたとします。

「院長を出せ!
もう何日も薬を飲んでいるのに全然治らない。
あいつはヤブ医者だ。」

院長は他の患者さんの診察中だったので
出ることができず、代わりに看護師が、
薬の効き方には個人差があることを伝えました。

しかし、患者さんは納得できず、1日に5回も
電話をかけてきて、同じような主張を繰り返しました。

その患者さんは、初診で3日前に来院し、
風邪、いわゆる上気道症状に対して
内服薬が処方されていました。

さて、このような患者さんにはどのように
対応するのがよいのでしょうか。


まず、患者さんの気持ちに寄り添い、
共感的態度をとり、患者さんが
「そうなんです、つらいんです」と
言えるようにするとよいです。

また、「ヤブ医者」と言われているので、
信頼関係が崩れていると判断し、他の病院を
紹介して受診を促すのも一つの方法です。

応召の義務違反にならないように、
電話の内容や電話の回数、回答の内容など
詳細に記録しておくことも忘れないようにしましょう。

医師M.S.

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