Blog SuDX監修記事 【前編:鹿児島大学 隅田泰生 先生監修】PCR検査とは?イムノクロマト法との違い 2022年9月29日 2022年9月29日 FacebookTwitter もくじ PCRとは? イムノクロマト法とPCR法の違い PCRとは? PCRとは、「ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)」の略語であり、生物の遺伝情報をもつDNAを複製し、増幅させる方法のことを言います。 PCRを利用すれば、ごく微量な検体でもそこに含まれるわずかなDNAから、特定の配列だけを短時間で増やし、目的の遺伝子配列が存在しているかを知ることができます。 インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスのようにRNAを検出対象とする場合は、まず逆転写酵素を使ってRNAからDNAを作り、それを用いてPCRを行うのでreverse transcription PCR:RT-PCRと略されます。 これらPCRやRT-PCRの特性を活かして、体内や食品などに潜む細菌やウイルスを検出し、その存在を確認しさらに定量することもできます。 イムノクロマト法とPCR法の違い インフルエンザは、イムノクロマト法による迅速診断キット(簡易キット)が広く使用されています。 迅速診断キット(簡易キット)は、その多くが特別な設備や管理・技術が不要で、かつ短時間で結果が得ることができ、その名の通り迅速に診断ができる点がメリットです。 しかし一方で、イムノクロマト法は(RT-)PCR法に比べると感度が低いため※、ウイルスに罹患し、体外へウイルスを排出しているにもかかわらず、陰性と判定して(偽陰性)しまうことがあります。※イムノクロマト法はウイルスが10万~100万個、RT-PCR法は10~100個あれば検出可能 つまり、イムノクロマト法は感度が十分ではないため、偽陰性患者から感染が広がる危険があります。 また、病状が進み、ウイルス量が増えないと陽性結果が得られないため、患者は受診を待機させられる事例が多く見られます。 病状が悪化した結果、より多くの治療薬が必要になり、回復までに時間がかかります。 実際、アメリカ感染症学会からは、インフルエンザの入院患者の検査にはイムノクロマト法を用いず、PCRを用いるようにガイドライン(※)が出されています。※IDSA インフルエンザガイドライン 2018https://www.idsociety.org/practice-guideline/influenza/ さらに、「呼吸器感染症」では、鼻咽頭や咽頭ぬぐい液を検体として使用するケースが主流であり、検体採取をする際に鼻などに綿棒を入れることで異物感や痛みを感じて、特に小児患者などで検査を嫌がるケースがあります。 では、・侵襲性が低い検体の採取方法・ウイルス量が少ない、感染初期から高感度に検出できるという技術があればよいと思いませんか? 次回の記事では、このような希望が実現できる新しい検査方法をご紹介します。 続きはこちら↓↓↓【後編:鹿児島大学 隅田泰生 先生監修】辛くない感染症検査を実現!さらに高感度に検出するための技術 執筆:鹿児島大学大学院理工学研究科 特任教授 隅田 泰生 先生 ※本記事内の「RT-PCR」は、reverse transcription PCRのことです。 FacebookTwitter
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