糖鎖は生体内で多彩な機能を示し、
生命現象に不可欠な役割を持ちます。
一方で、細胞表層の糖鎖はウイルスでは
レセプターとして利用され、その感染を
仲介します。
鹿児島大学 隅田研究室では、
まず糖鎖を金などの金属に効率よく
固定化する方法を発明しました。
その固定化法を用いて、糖鎖を固定化した
バイオデバイス「シュガーチップ」と
「糖鎖固定化金ナノ粒子(SGNP)」を
開発しました。
このシュガーチップを用いて、ある糖鎖が
242株の培養インフルエンザウイルス
すべてに結合することを発見しました。
そして、その糖鎖を固定化したナノ粒子を
調製し、インフルエンザウイルスと混合
したところ、ナノ粒子がウイルスに結合して
重くなったため、ウイルス分離に一般的に
使用される超遠心分離ではなく、
低速遠心分離の操作によって
ウイルスを分離・濃縮でき、RT-PCRの
検出感度を1000倍に上げることができました。
さらにナノ粒子に磁性成分を加えることで、
分離・濃縮操作時間を20分の1程度まで
短縮できる技術を確立し、
糖鎖金ナノ粒子法(SGNP法)
と名付けました。
【参考】株式会社スディックスバイオテック 技術紹介
https://www.sudxbiotec.jp/technology/