Blog 医院運営 医院運営医院経営ガイドライン 2024年度診療報酬改定の背景と開業医に与える影響 2024年5月14日 2024年5月14日 Facebook post 2024年は6年に1度のトリプル改訂であり、 医療保険の診療報酬 介護保険の介護報酬 障害福祉サービスの報酬 が同時に改定されます。 増加する高齢者への救急対応の拡充や、 オンライン診療の普及、 医師の働き方改革など、 現状の問題点を解消すべく、 さまざまな要因を勘案して診療報酬が改定されます。 医療機関にとって診療報酬改定の内容は 収益性に大きく影響を与えるため、 その内容や動向に注視すべきでしょう。 また、近年の物価高騰や賃上げムードで さまざまなコストの増加も見込まれるため、 今回の診療報酬改定は開業医にとって 例年以上に注目を集めるところです。 そこで今回は、2024年度診療報酬改定の背景と 開業医に与える影響について解説します。 もくじ 診療報酬とは 診療報酬改定の流れ 2024年度診療報酬改定の背景と開業医に与える影響 診療報酬とは 診療報酬とは、病院や診療所などの 医療機関が行った診療行為に対して 支払われる医療費のことです。 受け取った診療報酬から、人件費、 医薬品や医療材料の購入費、 医療機器・機材に係る費用、 施設維持・管理費などの諸費用を 差し引いた残りが医師の収入となります。 診療報酬の内訳は以下の2つに大別されます。 本体:医療従事者の診察や手術などの人件費 薬価:診療に伴い必要となる薬剤や治療材料などの価格 それぞれ数千以上に及ぶ項目が 点数化されており、1点10円で計算されます。 診療報酬の支払いの原資は約50%が保険料、 約40%が税収、約10%は患者さんの自己負担です。 仮に診療報酬が1%プラス改定になると 追加で4600億円以上の費用が必要です。 そのため、医療の進歩や日本の経済状況の 変化も踏まえ、通常は2年に1度、点数が見直されます。 診療報酬改定の流れ 具体的な診療報酬改定の流れは下記の通りです。 厚生労働大臣が全体の改定率を決定する 改定率を基に、中医協に意見を求める 厚生労働大臣から診療報酬改定の内容が発表される 中医協とは中央社会保険医療協議会の略で、 診療報酬を支払う健康保険組合や 受け取る側の医師、学者などの公益委員の 3者で構成されており、それぞれの立場から議論に参加します。 では、2024年度診療報酬改定では どのような改定がなされたのでしょうか? 2024年度診療報酬改定の背景と開業医に与える影響 深刻化する少子高齢化による医療費高騰を 抑えるため、2016年度以降の診療報酬改定では 人件費に当たる本体を引き上げ、 その代わり薬価を引き下げることで、 全体としてマイナス改定としています。 前回(2022年)の改定では、 本体+0.43%、薬価-1.37%とし、 全体では-0.94%となりました。 薬価の引き下げを含むマイナス改定は 診療所の収益減に直結するため、 医療機関にとって注視すべき点です。 一方、世間の賃上げムードや物価高騰に 対応するため、日本医師会は 人件費に当たる本体部分の大幅引き上げを 要求していました。 「本体部分の引き上げは医療機関が潤うが、 国民の負担する保険料は増加する」として、 財務大臣の諮問機関「財政制度等審議会」は 本体部分の引き下げを提言していました。 財務省の示すデータによれば、 病床を持たない「無床診療所」の 経常利益率の平均が、2020年度の3.0%から 2022年度には8.8%にまで上昇しており、 利益剰余金が昨年度までの2年間で 平均1900万円増加したことを示しています。 以上のことから、財務省では、 仮に本体部分を引き下げても、 利益剰余金から医療従事者の賃上げも 十分対応可能としています。 賃上げに関わる改訂については、 クリニックの経営にも大きく影響するため、 今回の診療報酬改訂以降においても 動向を注視する必要があるかもしれません。 一方で、今回の診療報酬改定には オンライン診療・医療DX・かかりつけ医など 今後のクリニック経営に大きな変化を もたらす要因が多く盛り込まれました。 また、高血圧、脂質異常症、糖尿病が 特定疾患療養管理料から除外される内容も 今回の改訂より組み込まれました。 クリニック経営に良い意味でも悪い意味でも 大きな変革をもたらす可能性もあるため、 実際に改定が施行される2024年6月まで、 その動向を注視すべきでしょう。 医師 H.N. Facebook post
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