患者さんにとっては不快かも?あるあるフレーズ3選

医療従事者も接遇が求められる時代です。

先生も丁寧な対応を心がけているのでは
ないでしょうか。

しかし、医療従事者にとっては当たり前の
表現で悪気なく言ってしまう「あるあるフレーズ」
の中に、患者さんが不快に感じるものがあるかも
しれません。

筆者の独断と偏見ではありますが、
要注意フレーズをランキング形式でご紹介します。

もくじ
要注意フレーズTOP3 理由と対策
第1位「気のせいじゃありませんか?」
第2位「とりあえず様子を見ましょう」
第3位「仕方ありません」「どうしようもありません」
あるあるフレーズの共通点
まとめ

要注意フレーズTOP3 理由と対策

第1位「気のせいじゃありませんか?」

患者さんの不定愁訴の例です。

診察しても検査しても、原因が特定できない、
さらに患者さんの話す内容がどうも要領を得ない…。

こんなときに言いたくなるフレーズですね。

注意したいのが、患者さんの症状は
患者さんにとっては「ある」ということです。

「気のせい」と言うと、その存在を否定している
ことになってしまいます。

しかも
「気にしすぎるあなたが悪いのですよ」
という意味で伝わる可能性すらあります。

こういうときは、
「〇〇さんが感じていらっしゃる症状について、
診察や検査では残念ながら原因が特定できませんでした。」
と伝えた上で、
「これまでにお話いただいた他にお心当たりはありますか?」
など、少し違う視点で考えるような質問を投げかけたり、
「次の診察までに、その症状の変化を記録していただけませんか?」
とお願いします。

患者さん自身が客観的にその症状と向き合う機会を
設けるのです。

患者さんは「何となく◯◯」と感じていても、
症状の変化を詳細に把握していないこともあります。

しっかり記録したら、原因究明につながるかもしれません。

第2位「とりあえず様子を見ましょう」

緊急性のない症状に対し、いつも通りの薬を
処方した時、先生は
「おそらくこれで症状は改善するだろう」と考えていることでしょう。

慢性的な症状に対し薬を変えた時、
先生は
「まずは2週間ほど経過を観察したい」と思うのではないでしょうか。

そんな時に何気なく言ってしまいがちなフレーズが
「とりあえず様子を見ましょう」です。

ここでいけないのは、
「とりあえず」という言葉です。

患者さんにとっては
間に合わせの対応のような、少し蔑ろに
されているような印象を与えてしまい、
「え?私への対応はとりあえず?」となってしまいがちです。

確かに先生からすれば
処方して様子を見たいから、「とりあえず」
かもしれませんが、
患者さんは「とりあえず」では困るのです。


ではどのようにすればよいのでしょうか。
この対応は至ってシンプルです。

「前回と同じ症状のようですので、前回効果が
あった同じ薬で経過をみましょう」
というように、先生がその処方をすると判断した
理由を説明するという方法です。


わざわざ言わなくてもわかるだろう、と思う方も
いらっしゃるかもしれませんが、
「なぜそうなったのか」を患者さんに伝えることで
納得感もあり、診察への満足度も上がる
可能性があります。


第3位「仕方ありません」「どうしようもありません」

治療しても取りきれない痛みや、
残ってしまった傷など、どんなに力を尽くしても
すべてが患者さんの希望通りになるわけではありません。

患者さんのコンプライアンスが悪いなら、
なおさら言いたくなるフレーズになります。

先生からすれば「仕方がない」と言いたいことはあるでしょう。
しかし、それを患者さんに言うかは別です。


おそらく患者さんも「仕方がない」ことは理解しています。

辛い気持ちをわかってほしい、
同じような悩みを持つ患者さんを診てきている
先生なら何か良い意見が聞けるかもしれない、
といった思いが背景にあるのかもしれません。

分かっているのにダメ押しの一言をかけられたら…
ダメージは大きいですよね。

これに対しては
「痛みがありますよね」
「気になりますよね」
など、まずは患者さんの気持ちに寄り添いましょう。

その後、可能な範囲で今後予想される
経過や対処方法を説明するとよいでしょう。
「〇日くらい経つと赤みが引いてくることが多いですよ」
「〇〇すると痛みが出やすいので、気を付けておいてください」

最初に治療をしたときに説明している
かもしれませんが、
以前も言ったからわかっているだろう、
気を付けているだろう、と考えてしまわず
都度状況を確認し、同じ内容であったとしても
繰り返し説明しましょう。

「先生から言われて気をつけてるんだけど
仕事柄どうしても…」
と、患者さんが仕方ないとわかりつつも訴えてくる
原因が判明するかもしれません。

あるあるフレーズの共通点

この表現を用いるとき、医師に非はないことが
ほとんどです。

そのため悪気なく、言ってしまいがちです。

これらに共通しているのは
「医師の立場を患者さんに伝えている」
ということです。

先生からすれば「気のせいじゃないですか?」と
言いたいし、
「とりあえず様子を見ましょう」、
「仕方ありません」ということもあります。

しかし、それをそのまま患者さんに伝えると、
違う意味に捉えられる可能性があります。

これらの誤解を招きやすい言葉は
あえて口にする必要はないでしょう。


そしてこれらの表現には、もうひとつ
共通点があるのです。

それは患者さんの口から出れば問題がないということです。

「頭がなんとなく重いのは、気のせいかもしれません。最近忙しいし」
「とりあえず、これ飲んで様子見ますね」
「生活ができないわけじゃないし、多少の痛みは仕方ないですよね」

これらの発言は患者さんが自分の症状や
治療と向き合い、多少満足できなくても
それを受け入れようとしている姿勢の表れです。

同じ言葉でも、医師が言う場合と
患者さんが言うのでは意味が異なるということです。

まとめ

気づかないうちに患者さんを傷つけてしまうかも
しれない言葉は、少し気をつけるだけで防ぐことができます。
今日から意識してみてはいかがでしょうか。

看護師 M.K.


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