薬剤を処方しても、吸入できていなければ
効果が出るはずはありません。
吸入手技の向上には、医療者の指導が
欠かせませんが、1回に必要な吸入指導
時間は最低10分、初回導入時には25分
必要だとされています。
忙しい外来の中、医師や看護師が患者さん
一人一人に吸入指導を行うことは難しい
のではないでしょうか。
さらに、高齢者は“できた気になっている”
傾向にありますが、実際にはできていないことが多々あります。
一度の説明では理解できていないことも
多いので、医療者は積極的にアプローチし、
繰り返し指導しなければなりません。
その対応策として、薬剤師と協力し、正しい使い方が
できているかどうかなどの確認を行って
もらうことで、患者さんの吸入指導を
補完する方法があります。
徳島文理大学の研究によると、院外薬局で
定期的に指導することで、患者さんの
理解度と吸入手技が向上しています。
その効果は初回の指導よりも2回、3回と回を重ねるごとに上がっていました。
参考:医療機関と連携した保険薬局における吸入実技指導が喘息患者の臨床効果に与える影響
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌.2020年29巻 1号 p.121