Blog スキルアップ スキルアップ設備・環境 AIによる画像診断支援とは?現在の活用例とトピックスを紹介 2023年11月21日 2023年11月21日 Facebook Twitter 近頃ChatGPTをはじめ、社会のあらゆる場面でAIが活用され始めました。 医療現場でも画像診断領域にてAIの技術が活用されており、読影業務の改善に力を発揮しています。 この記事では、AIによる画像診断支援について、現在の活用例とあわせて紹介します。 また、2022年度診療報酬改定によって「画像診断管理加算3」の算定が可能となる要件についても解説しているため、AI画像診断支援に興味のある方やソフトウェア導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。 もくじ 人工知能(AI)画像診断支援とは? 人工知能画像診断支援の2022年度診療報酬改定について AI画像診断ができること AIによる画像診断支援の活用法を理解して今後の診療に役立てましょう 人工知能(AI)画像診断支援とは? AI画像診断支援は、AIが医療画像データ(X線、CT、MRIなど)を解析し、異常箇所を検出する技術です。 画像診断に使用されるAIは、深層学習(ディープラーニング)と呼ばれる技術により画像を認識します。 多数の医療画像データから「異常所見の抽出」「病変の識別」などのパターンを学習し、特定の疾患において、専門医と同等、もしくはそれ以上の精度で異常箇所を特定できる結果を出した実験データも出てきました。 参考例)国立がん研究センター 「AIで早期胃がんの範囲診断が可能に-内視鏡専門医の診断精度に迫る-」 AIによる画像診断の支援は、疾患の見落とし防止による読影精度の向上と、読影時間の削減が見込まれ、医師の読影業務の効率化が期待できます。 人工知能画像診断支援の2022年度診療報酬改定について 2022年度の4月より、AIによる画像診断を支援するソフトウェアを使用し読影した際は「画像診断管理加算3」を請求できるようになりました。 また、2021年度以前の300点から340点に点数も引き上げられました。 しかし、すべての検査や施設で算定できるわけではなく、一定の基準をクリアすることが必要です。 以下の表に算定できる画像診断管理加算の基準をまとめました。 画像診断管理加算区分 1 2 3 点 数 70 180 340 対象点数区分 E001 写真診断 E004 基本的エックス線診断料 E102 核医学診断 E203 コンピュータ断層診断 E102 核医学診断 E203 コンピュータ断層診断 E102 核医学診断 E203 コンピュータ断層診断 常勤の画像診断医 1名以上 1名以上 6名以上 医療機関種類 保険医療機関 病院 特定機能病院 画像情報 管理 全ての画像情報管理に専門医の関与が必要 夜間・休日読影体制 〇 医療被ばく 管理 〇 MRI安全管理 〇 〇 画像人工知能 安全精度管理 〇 読影・診断の委託 × × × 引用元:「Japan Radiology Assessment 2022〜令和4年放射線関連改定ポイント〜」P3|日本放射線科専門医会・医会 2023年現在、AI画像診断支援による診療報酬加算は、特定機能病院のCT・MRI・核医学検査に限られています。 その他の医療機関での胸部X線写真やマンモグラフィといった検査に対する加算点数の算定については、2024年度の診療報酬改定を待つこととなります。 AI画像診断ができること AIが画像診断を支援する際にできる主な作業は以下の3つです。 ● 異常所見の抽出● 病変の識別や疾患名候補の提示● 各臓器や部位の分類 上記の作業をAIが補助することにより、疾患の見落とし防止、読影の精度向上や時間の短縮化などが可能になります。 それぞれ具体例をあげて解説します。 異常所見の抽出 画像から病変と疑わしき箇所を検出しマーカーで提示し、読影する際の見落としを防ぐのに役立ちます。 例1)胸部X線画像の解析対象病変結節、腫瘤、浸潤影など 例2)胸部CT画像の解析対象病変3mm以上の肺結節など 例3)マンモグラフィの解析対象病変腫瘤、石灰化、構築の乱れなど 病変の識別や疾患名候補の提示 病変の質的診断に関する情報を数値化して提示することで、客観的な判断を補助し、診断精度の向上に役立ちます。 例1)良悪性の度合いを数値化悪性度〇〇% 例2)腫瘤の疾患名候補の提示肝細胞癌(HCC)である確率〇〇% 各臓器や部位の分類 画像上の臓器や部位を識別し、診断に必要な情報を表示することで、読影レポートを作成する際の時間短縮に役立ちます。 例1)大動脈の直径を自動で計測 例2)臓器の区域、椎体や肋骨番号が自動で表示され、病変部位の特定が容易 AIによる画像診断支援の活用法を理解して今後の診療に役立てましょう AIによる画像診断の支援は、疾患の見落とし防止による読影精度の向上と、読影時間の削減が見込まれ、医師の読影業務の効率化が期待できます。 現段階では一定の基準を満たした一部の環境でしか診療報酬を算定できないなど、まだまだ一般的ではない部分もありますが、最新の情報を仕入れて今後の診療に役立てていただければ幸いです。 放射線技師 O.S Facebook Twitter
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