クリニックでの学生指導は大変?看護実習生を受け入れるメリット・デメリット

看護教育課程の見直しなどにより、
大学や専門学校での看護実習の一部を
クリニックで実施している教育機関が
出てきています。

特に在宅医療を提供している
内科クリニックや小児科クリニック
などでは、今後近隣の教育機関から
実習生の受け入れを依頼されることが
あるかもしれません。

今回は、クリニックで看護実習生を
受け入れるメリットとデメリットについて
解説します。

もくじ
クリニックで実習する狙いとは
クリニックで実習生を受け入れるメリット
・将来的な人材確保につながる
・医療や看護に関する最新の情報を得られる
・スタッフの刺激になる
クリニックで実習生を受け入れるデメリット
・スタッフの業務量が増える
・学生用のスペースを確保する必要がある
・指導教員と連携をとる必要がある
学生指導の受け入れはクリニックが成長するチャンス!

クリニックで実習する狙いとは

看護師養成課程には、在宅医療について
学ぶためのカリキュラムが組まれています。

近年、国が「地域包括ケアシステム」を
推進する動きに合わせて、在宅医療に
関わるカリキュラムを充実させるため、
単位数を増やすなどの対策が取られました。

そのため、病院以外の場で提供される
看護について深く学び、将来的に
地域医療へ貢献できる人材を増やそうと、
クリニックでの実習を取り入れたいと
考える教育機関が出てきているのです。

クリニックでの実習を通して、
病気や障害を抱えながら生活する人たちを
地域でどのように支えているのかを
学ぶのが主な狙いです。

クリニックで実習生を受け入れるメリット

クリニックで実習生を受け入れることには、
さまざまなメリットがあります。

・将来的な人材確保につながる

卒業後すぐは、病床数の多い病院で
臨床経験を積もうとする学生が多いものの、
数年経つと
「地域医療の道に進みたい」
「プライベートと両立しやすい仕事がしたい」
といった理由から、クリニックへの
転職を考える看護師が出てきます。

その際、転職先の候補になるのが
院内の雰囲気がわかっている実習先の
クリニックです。

実習生を受け入れることは、
将来的な人材確保につながる可能性があるのです。

・医療や看護に関する最新の情報を得られる

専門学校や大学の教員は、自身の教育や
研究のため、医療や看護に関する
新しい情報を積極的に得ています。

国家試験対策も行うため、診療補助技術や
基礎看護技術、制度改正などに詳しい
教員も多いでしょう。

学生の引率にくる教員と情報交換
することで、クリニックでの看護や、
スタッフ教育に役立つ情報が得られるかもしれません。

・スタッフの刺激になる

実習に来る学生たちは、実習指導者だけ
ではなく、さまざまなスタッフの
様子を見て、学びを深めようとします。

実習生を受け入れることで、
スタッフ自身が接遇を見直したり、
知識や技術を学び直したりするための
よい機会になるでしょう。

クリニックで実習生を受け入れるデメリット

クリニックで実習生を受け入れる
デメリットとして、以下のようなことが考えられます。

・スタッフの業務量が増える

実習生を受け入れるときには、
学生指導の担当者を決める必要があります。

担当者は、学生を引率しながら業務を行う
だけではなく、実習記録の確認や
カンファレンスへの参加なども行います。

数日の実習とはいえ、多忙な業務に
学生指導が加わると、負担に感じて
しまうスタッフもいるでしょう。

・学生用のスペースを確保する必要がある

学生実習が始まると、更衣室や
荷物置き場、カンファレンスや
昼食をとる場所など、
学生実習のために新たなスペースを
確保しなければなりません。

クリニックの限られたスペースを
どのように活用するのか、事前に
スタッフと相談して準備する必要があるでしょう。

・指導教員と連携をとる必要がある

実習指導を担当する教員とは、実習の
目的を共有した上で、
どのように実習を進めていくのかを
細かく調整する必要があります。

教員側が希望する実習内容と、
クリニック側が提供できる実習環境との
折り合いをつけるのが大変だと
感じる人もいるでしょう。

実習生を受け入れるからといって、
教育機関からの要望をすべて承諾する
必要はありません。

自院で提供できる実習環境について、
事前に明示しておくことが大切です。

学生指導の受け入れはクリニックが成長するチャンス!

学生実習の受け入れを打診されたら、
実習生を受け入れるメリットと
デメリットをふまえた上で、
スタッフと相談しながら慎重に検討
しましょう。

「マンパワーが足りないから」
「実習指導の経験がないから」
といった理由で断ってしまうのでは
なく、どうすればクリニックとして、
次世代の人材育成に貢献できるのかを
考えたいですね。

看護師N.H.

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