「マスク」越しのコミュニケーション問題とは? 簡単にできる対応策もご提案

日本国内でCOVID-19の感染が
拡大し始めたのが2020年2月。

約2年もの間、私たちはマスクが手放せない
生活を送っています。

初めは違和感や不便を感じていたと思いますが、
今では多くの人にとってマスク越しの会話は日常になりました。

今回はコロナ禍で当たり前になったマスク越しの
コミュニケーションについて考えます。

マスク越しでのコミュニケーション 何が変わった?

花粉症や風邪など、これまでもマスクをした
患者さんはいましたし、
医療従事者もマスクをして対応する機会は
ありました。

しかしこんなにもマスクを外さないのは、
患者さんも医療従事者も前代未聞の状況です。

慣れない環境の中、個人がそれぞれ工夫を
しているようです。

文化庁が行った令和2年度
『国語に関する世論調査』によると、
「マスクを着けると話し方や態度などが
変わることがあると思うか」という問いに、
「変わることがあると思う」を選択した人は
6割台前半でした。

※1


変わると答えた人の7割以上が
「声の大きさに気をつけるようになる」と答え、
次いで「はっきりとした発音で話すようになる」
との回答でした。

※2


マスク下でのコミュニケーションでは、
いつも通りに話をしていると聞き取りにくいと
感じ、そのため話し方を工夫する人が
多いという結果です。
先生はいかがですか?

※1、※2 出典:文部科学省ホームページ (https://www.mext.go.jp/
          令和2年度「国語に関する世論調査」の結果について

マスクの問題を考えてみる

文化庁の調査結果は、
「マスクをすると声が届きにくくなるから、
相手が聞きやすいように心がけている」と
解釈できます。

しかしマスクの問題はこれだけでしょうか?

最大の問題は
「顔が隠れてしまっている」
=「表情が見えない」
ということです。

人間は表情から相手の気持ちを読み取ります。

日本人は欧米人に比べ、目の表情を重視する
傾向にあるため、マスクの影響を受けにくい
と言われています。

しかし、目だけで判断するのは
かなり難しいですよね。

初対面の場合、相手の顔全体を知らない状態で
マスクの下の表情を想像することは
ほぼ不可能に近いです。

人類が誕生してからこれまで
「ほとんどの人類の顔が半分以上隠れている」
という事態はありません。

相手の顔が見える状態で対応するよう
進化した人類が、この未曾有の事態に直面し、
戸惑わないわけがありません。

患者さんも医療従事者も何らかの違和感の
中でコミュニケーションをしているのです。

顔が見えないことを補うアイデア

マスクの問題=顔が隠れているとすると、
これを補うためにはどうすればよいのでしょうか。

口元が透明なフィルムで加工されたマスクも
ありますが、感染予防やコストを考えても
医療現場で活用するのは
あまり現実的ではありません。

また別の調査では、
「web会議の方が、相手と同じ場にいないので
緊張しにくい」というものもあります。

内容によっては、マスクを外し
それぞれ個室からモニター越しに
面談を行うのもひとつでしょう。


今回は、どのクリニックでも簡単に始められる
方法として、「写真付きの名札に変える」
ことをご提案します。

ホテルなどの接客業では既に導入している
企業があります。
相手が見やすいよう、大きめの写真を
胸元に付けるのがポイントです。

お客さんからの反応は好調なようです。

証明写真のようにまじめな顔つきではなく、
できれば満面の笑顔の写真を
身につけたいですね。

患者さんはスタッフの顔を知ることができ、
それがニコニコした写真なら、
親近感を抱いてくれることでしょう。

笑顔の写真が相手に良い影響を与えることは、
多くの研究からも明らかになっています。

笑顔の写真を撮るコツ

「写真は苦手です…」という先生も
いらっしゃるでしょう。

患者さんが知りたいのは
「先生の自然な表情」です。

スタッフと世間話をしながらなど、
カメラを意識しすぎない状況で撮ってもらうと
よいです。

最近あった笑える話、好きな人や食べ物の話を
しながら、パシャパシャと何枚も撮影するのが
ポイントです。

カメラ目線でなくても、良い表情を撮ることが
できればOKです。

スタッフがお互いに撮り合って、
みんなでベストショットを選んでください。

撮影時間の確保は大変かもしれませんが、
スタッフにとっても楽しい時間に
なることでしょう。

笑顔の写真は自分にとっても気付きになる

照れくさいかもしれませんが、
撮ってもらった写真をじっくり見つめて
みましょう。

COVID-19で緊張が続いている中、
笑顔の自分を忘れていませんでしたか?

「自分はこんなふうに笑えるんだ」
「毎日こんな表情で診療したい」
と思うかもしれません。

自分の笑顔はなかなか自分で見ることが
できません。

楽しいと思えているとき、心が穏やかなときの
自分の表情を知ることは
自分を見つめるきっかけになるでしょう。

まとめ

残念ながら、マスクが手放せる日は
いつになるか分かりません。

隠れてしまっている顔を写真で見せることで、
患者さんはスタッフに対し
親近感を覚えやすくなるでしょう。

また、自分の笑顔の写真と向き合うことで、
自分自身を見つめることにもつながります。

緊張感のある医療現場だからこそ、
笑顔を大切にしてみませんか。

看護師M.K.

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