その患者さんは困った人?クレーム対応の6つのルール

患者さんからのクレームはクリニックを運営
していく中で避けて通れないものです。

対応に多くの労力が必要となることが多く、
できる限り減らしたいというのは
皆さま共通の思いではないでしょうか。

今回はクレームの本質と、その対応方法について
考えます。
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そもそもクレームとは何か?

英語の「claim」の意味は「要求」や「主張」です。
日本語でクレームというと「苦情」を指すことが
多いですが、英語にはそのような意味は
ありません。

例えば「待ち時間が長すぎる」というクレームを
取り上げてみます。

受付から15分程度で診察したとしましょう。
クリニック側としては、通常よりも待たせて
いるわけでもなく、いつも通りの流れでした。

しかし、この患者さんからクレームがきました。

この場合、クリニック側からすれば
「困った患者さん」として受け取ってしまう
かもしれません。

しかし患者さんの立場になって考えてみましょう。

クリニックにとってはいつも通りの15分ですが、
患者さんにとっては同じ15分でも
長いと感じたのです。

体調が悪かったのか、仕事の休憩中に
受診しているのか、理由はともあれ
患者さんは「主張」をしているのです。

診療の時間を厳密に予測するのは難しく、
予約診療であっても待ち時間をなくすのは
限りなく不可能に近いです。

15分程度の待ち時間はよくあることですが、
それは本当に
「よくあることで、了承してもらわなければ困る」
ことなのでしょうか?

患者さんの主張を全て苦情と決めつけ、
一定のマニュアルに沿って対応しようと
していませんか?

確かに言いがかりや八つ当たりに近い
クレームもあります。

何度説明しても理解してもらえない、
ただ怒りをぶつけてくるケースもあるでしょう。

しかし、クレームの中にはしっかりとした
「主張」もあるのです。

この例の患者さんは
「診療のシステムを改善し、待ち時間を
減らすよう努力すべきではないか」
と言いたいのかもしれません。

クレームの窓口になるのはスタッフが多い

患者さんはなぜ苦情を口にするのでしょうか?

それは「自分の思い通りにならなかったから」です。

患者さんは診療を受けるために来院しています。
しかしその不安や不満を直接医師に言うことは、
なかなかできません。

病気の治療を任せている医師の機嫌を損ねたら、
自分にも影響が出るかもしれない…
と思っているからです。

ましてや他のクリニックにかかり直すのも
相当な負担です。

医師に対する苛立ちが我慢できなくなったとき、
看護師や受付スタッフに対する苦情として
現れる場合もあります。

最初にクレームに直面するのは医師ではない
ことが多く、発生時のスタッフの対応がその後の
クレームの大きさを左右します。

クレーム発生時に守りたい6つのルール

クレームをさらに重大なクレームにしないため、
そしてクレームを診療に活かす材料に
するために、ここではクレーム対応で共通して
守っておきたい6つのルールについて
説明します。

①前向きに受け止める
 クレームの捉え方を変えることで
 相手に嫌な気持ちを残さないように
 応対することができます。
 気づきにくいことを気付かせてくれたこと
 に対しては感謝するべきだと心得ましょう。

②人を代える、場所を変える、時を変える
 対応者や場所を変えたり、その場で慌てて
 対応するのではなく、一旦確認のために返答の
 タイミングを変更することで、相手が落ち着きを
 取り戻したり、冷静になってくださることがあります。

③指摘をしてくれたことに対する感謝の気持ちを伝える
  「ご指摘ありがとうございました」
 「貴重なご意見、参考にさせていただきます」など、
 相手に感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。

④謝りすぎない
 「意見を述べただけ」と考えていた患者さんに、
 後味の悪い嫌な思いをさせてしまう可能性が
 高いです。
 逆に苛立ちを増幅させてしまうこともありますので、
 その意味でも謝りすぎないように注意しましょう。

⑤常に申し訳なさそうな表情で
 面と向かってでのクレーム対応の際は、
 表情にも気を付けましょう。
 笑顔での対応や、不機嫌な表情を浮かべてしまう
 と、クレームを申し出た方の怒りを増幅させるだけ
 でなく、本当に自分の意見を聞いてくれているのか
 と疑心暗鬼になる可能性が高いです。

⑥できない約束をすることを避ける
 焦って何かしらの約束をしてしまうことは
 やめましょう。
 できない約束をした後で、それができないと
 伝えた時に、不信感と怒りを増幅させてしまう
 可能性があります。

まとめ

クレーム対応は、多くのクリニックが直面している問題です。

まずはクレームの本質を考えてみましょう。

そして、6つのルールをスタッフ全員が
共有して守ることで、クリニック全体の患者さん
への対応の質を向上させるだけではなく、
スタッフが安心して働くことができる
クリニックになっていくことができるかもしれません。

看護師M.K.

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