患者さんへの説明 効果的なのは上手い例え話です!

患者さんに疾病や治療などの説明をする。

ごく当たり前に毎日しておられることと思います。

同じような説明をしているのに、
患者さんによって理解度はまちまちだったりします。

今回は説明上手になるワザについてのお話です。

もくじ
分かりやすく話しても伝わらないという現象
同じ説明でもバリエーションが必要
上手い「例え」は効果テキメン!!
まとめ

分かりやすく話しても伝わらないという現象

「話せば分かる」とよく言いますが、
「話しても分かってもらえなかった」という
ケースは少なくありません。

例えば、
先生はしっかり説明したつもりでも、
患者さんの反応が今ひとつだったり、
患者さんが「分かりました」と言って帰ったのに、
次の診察でまた同じ質問をされた、などです。

実はこの問題、
「分かりやすく話す」
という考え方にあるのです。

「分かりやすく話す」の主語は医師(自分)です。

それが、本当に患者さんにとって分かりやすい
かは疑問が残るところです。

ではどうやって判断すればよいのでしょうか?

誰しも
「自分にとって分かりやすいものが
相手にとっても分かりやすいだろう」
と考えがちです。

しかし相手が自分と異なれば異なるほど、
そうとは言えなくなります。

医師と患者さんの医学的知識はかなり違います。

性別や年齢、社会的立場なども認識のズレを
生みます。

先生にとっての「分かりやすい」が、
患者さんにとっては、実はそうでなかった
ということが、分かりやすく話しても
伝わらない原因です。

同じ説明でもバリエーションが必要

患者さんにとって分かりやすくするためには、
その人に合った表現方法で説明する必要があります。

説明のバリエーションを増やせば、
それだけ多くの患者さんに対応できます。

これは相手が好きそうなコンテンツに
触れるのが近道です。

例えば

  • 高齢者向けの健康番組を試聴する。
  •  20代のビジネスマン向けの記事を読む。
  • 子育て中のママ向けのサイトを覗いてみる。

対象がはっきりしているコンテンツは、
ターゲットに合わせた表現をしています。

普段は目にしないものなので、
先生は違和感を覚えるかもしれません。

しかし
「これくらい段階を追って説明する方がいいんだな」
「イラストが多い方が好まれるんだな」など、
相手にとって分かりやすい説明の
ヒントになります。

まずはクリニックに多い患者層向けの
コンテンツを見るのはいかがでしょうか?

休憩時間や、移動時間など決まった
タイミングで見る習慣をつけると、
先生が今まで気づかなかった発見があるかもしれません。

上手い「例え」は効果テキメン!!

相手が最も喜ぶのはその人がしっくりくる
「例え」の活用です。

アリストテレスは『弁論術』の中でこう述べています。

「もっとも偉大なのはメタファー(隠喩)の達人である。」

比喩はそれだけ奥が深いということですね。

メタファーに限らず、「例え」はとても有効です。
分かりにくいことでも身近なものに置き換われば
「なるほど!」とすっきり理解することができます。

さらに自分に合った例えは、
「この人は私のこと分かっている」と
いう気持ちにさせてくれます。

しかし、効果が大きい反面、例えに失敗する
と相手はちんぷんかんぷんなだけでなく、
不快に思ってしまうかもしれません。

ありがちな例えで、野球やゴルフなどがあります。

でも野球やゴルフに興味を持たない人にとっては、
全く理解できない例えになってしまいます。

まずは多くの人に共通する例えから始めることをお勧めします。

入浴や歯磨きなどの生活習慣や、電車などの
公共交通機関。

日頃から良い例えを探す癖をつけてみてはいかがでしょうか。

まとめ

自分にとっての「分かりやすい」が、相手に
とって同じとは限りません。

医学的な知識が異なる医師と患者さん
の間では、先生が相手に寄り添う必要があります。

ターゲット層の分かりやすいコンテンツに触れたり、
スタッフに相談してみたりするなど、
多くの人に共通する生活習慣や経験の例えから始め、
先生オリジナルの「使える例え」を見つけてみてはいかがでしょうか。

看護師 M.K.

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