健診だけじゃもったいない!患者さんから選ばれる小児科になるための対応の工夫とは?

皆さんのクリニックでは、乳幼児健診のときに
何か心がけていることはありますか?

乳幼児健診は、保護者が専門家に
育児の悩みを直接相談できる機会である
とともに、子どものかかりつけ医を選ぶ
きっかけにもなります。

地域で選ばれるクリニックになるためにも、
乳幼児健診での対応には気を配りたいですね。

今回は、乳幼児健診で心がけたい、
患者さんへの対応の工夫について紹介します。

もくじ
保護者がかかりつけ医を選ぶ基準とは
乳幼児健診にきた保護者に喜ばれる対応とは
保護者が相談しやすくなるような声かけをプラスする
これから予測される事故や病気について情報提供する
ワクチンの接種計画を一緒に立てる
乳幼児健診をきっかけに地域で選ばれるクリニックへ

保護者がかかりつけ医を選ぶ基準とは

かかりつけ医を決めるとき、保護者は
どのようにクリニックを選んでいるのでしょうか。

子どもが生まれて、最初にかかりつけ医を
選ぶタイミングは、初めての乳幼児健診や
予防接種を受けるときでしょう。

厚生労働省の受療行動調査によれば、
医療機関にかかる前に情報収集している
人のうち、約7割は
「家族・知人・友人の口コミ」を
参考にしているという結果が出ています。

かかりつけ医として、これから長く
付き合っていくクリニックですから、
実際に足を運んでみて
「子どもを丁寧に診てくれるか」
「保護者の悩みを聞いてくれる雰囲気はあるか」
といったことも、保護者が重視するポイントでしょう。

乳幼児健診にきた保護者に喜ばれる対応とは

子育て中の保護者にとって、乳幼児健診は
育児の悩みを医師や看護師に相談できる、
貴重な機会です。

子どもの成長や発達は個人差が大きく、
インターネットの情報だけでは
「わが子の場合はどうなのか?」と
いったことまで、保護者には判断できません。

小児科のスタッフは、様々な不安や疑問を
抱えて健診にくる保護者に寄り添った
対応が求められるでしょう。

ここでは、乳幼児健診での保護者への
対応について、3つの工夫を紹介します。

・保護者が相談しやすくなるような声かけをプラスする

スタッフからコミュニケーションを
取ろうとする雰囲気が感じられないと、
相談したいことがあっても保護者は
なかなか言い出せないものです。

「子育てで困っていることはありますか?」
「この機会に何か相談したいことはありませんか?」
といったような、スタッフから保護者への
声かけを忘れないようにしましょう。

「何かあったときに、このクリニックなら相談できる!」
という安心感は、保護者がかかりつけ医を
選ぶときの重要なポイントです。

・これから予測される事故や病気について情報提供する

乳幼児健診のときには、その月齢で
起こりやすい病気や事故についても、
保護者に説明しておきましょう。

とくに、初めて子育てをする保護者の
場合には、日々の育児に精一杯で
子どもの成長や発達に合わせた事故予防にまで
手が回っていないことがあります。

「乳幼児健診で行う事故防止対策事業
には、保護者の事故リスク行動を
改善する可能性がある」
といった研究結果もあり 、事故予防に
ついて保護者に情報提供する重要性が
示唆されています。

事故予防について説明するときには
後から見返したり、家族と共有したり
できるような媒体があると便利です。

自治体や国が発行している
リーフレットやパンフレットを
活用するのもよいでしょう。

・ワクチンの接種計画を一緒に立てる

日本の子どもが就学前までに受けられる
ワクチンは、定期接種と任意接種を
あわせると10種類以上あります。

接種するタイミングや、感染症の流行状況など
を考えてワクチンの接種計画を立てるのは
難しいと感じる保護者も多いでしょう。

乳幼児健診のタイミングで
ワクチンの接種計画を保護者と一緒に
立てたり、接種忘れがないかどうかを
確認したりするとよいですね。

かかりつけ医が予防接種を積極的に
勧めると、コロナ禍でもワクチンの
接種率低下を防ぐことができたという
調査結果もあります。

予防接種の先送りをしないよう
保護者に説明するとともに、必要な
タイミングでワクチン接種ができるよう
サポートしましょう。

乳幼児健診をきっかけに地域で選ばれるクリニックへ

乳幼児健診だけを行うクリニックと、
乳幼児健診に加えて育児相談にも
のってくれるクリニック。

どちらが保護者に喜ばれるかは、
一目瞭然ですね。

地域で選ばれるクリニックを目指して
乳幼児健診にちょっとした工夫を
取り入れてみてはいかがでしょうか。

看護師 S.H.


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