再確認!わかりやすい診療情報提供書の書き方で信頼されるかかりつけ医へ

病診連携に必要な診療情報提供書(紹介状)は、
内容次第で紹介先の医師等に与える印象が変わります。

情報が正確でわかりやすいと、
治療もスムーズに進行し、
検査の重複など患者さんへの不利益も起こりにくくなります。

診療情報提供書は、かかりつけ医として信頼されるための大切なツールです。

そこで今回は、診療情報提供書を書く際の注意点や書くときのポイントを解説します。

診療情報提供書(紹介状)の目的、役割

厚生労働省は診療情報提供等に関する指針を、
以下のように述べています。

医療従事者等が診療情報を積極的に提供することにより、患者等が疾病と診療内容を十分理解し、医療従事者と患者等が共同して疾病を克服するなど、医療従事者等と患者等とのより良い信頼関係を構築することを目的とするものである。
引用:厚生労働省|診療情報の提供等に関する指針

診療情報提供による継続的な治療は、
医師と患者さんの信頼関係を構築します。

また、診療情報提供書は医療機関同士の
コミュニケーションの重要な役割を担っているといえます。

こんな診療情報提供書は注意!

注意した方がよい診療情報提供書の例は、以下になります。

● 必要な検査データが入っていない
● 達筆すぎて解読できない
● 専門用語・略語が多くてわかりにくい
● 紹介元の連絡先の記載がなくて問い合わせできない
● 文章が長すぎて要点がまとまっていない

診療情報提供書は、医師以外が読むこともあるため、
看護師や他のスタッフにも読みやすいかを
一度聞いてみるのもよいかもしれません。

診療情報提供書を書くときのポイント

わかりやすい診療情報提供書を
書くときのポイントは、
情報の過不足なく簡潔に書くことです。

各項目の書き方や、
診療情報提供書に必要な内容を見てみましょう。

各項目の基本的な書き方

厚生労働省が出している書式に沿って、
各項目の書き方を解説します。

①患者住所など
患者名、住所、電話番号、生年月日、性別、職業を記載します。

②傷病名
主病名を記載。
複数ある場合は優先度の高いものから、
診断番号をつけるとよいでしょう。

例)#1 細菌性肺炎 
  #2 高血圧 など

③紹介目的
紹介する目的を簡潔に記載します。

例)・精査依頼
  ・御高診依頼
  ・入院、加療依頼 など

④既往歴及び家族歴
紹介目的に関連する既往歴や家族歴がある場合に記載します。

⑤症状経過及び検査結果
患者さんの主訴や、診断に至った経過を記載。
必要な検査データがあれば添付します。

結果待ちの検査は、
たとえば「結果は後日FAXで送付」など、
結果をどのように伝えるのかを記載しておくとよいでしょう。

⑥治療経過
主病名に対する治療内容と、
その後の経過を正確に記載します。

⑦現在の処方
現在の処方内容を正確に記載します。
他院での処方がある場合は、
お薬手帳のコピーなどを添付するとよいでしょう。

⑧備考
患者さんの背景などを記載しておくと、
初見で診る医師等は、患者さんの全体像を把握しやすくなります。

例)
・心配性の方で、リスクについて詳細な説明希望
・家族は疎遠ですが、連絡はとれます など

必要な情報が抜けていると加算の対象外になることも

診療情報提供書を作成し、
他の保険医療機関へ患者さんを紹介した場合は、
おもに診療情報提供料(Ⅰ)を算定 します。

診療情報提供料(Ⅰ)は、
保険医療機関ごとに、患者さん1人につき
月1回250点の算定が可能で、以下の条件 が必要です。

● 必要とされる検査データ、記録が添付されている
● 患者さんに渡した診療情報提供書の写しを診療録に残す
● 他の保険医療機関へ紹介の必要があることを、
 患者さんや家族へ説明し同意を得ている
● 紹介先の医療機関名が記載されている
● FAXやEメールでの情報提供ではなく、書面で行う

患者さんが転居することになり、
次の病院が決まっていない場合、
宛名なしで診療情報提供書を作成しても
算定できないので注意が必要です。

紹介先や患者さんに信頼されるかかりつけ医へ

診療情報提供書は、業務内に作成することも多く、
文書作成が苦手な先生は大変な思いをしているかもしれません。

電子カルテの場合、文書内のあいさつ等は、
あらかじめテンプレートにしておくと入力時間を短縮できます。

わかりやすい診療情報提供書は
紹介先や患者さんから信頼され、
今後の集患にも繋がるでしょう。

ぜひ、この機会に
診療情報提供書の書き方を
再確認してみてはいかがでしょうか。

看護師Y.N

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