新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、
ウェブ問診を導入するクリニックが
増えているといわれています。
ウェブ問診を導入すれば、クリニックでの
待ち時間が短縮でき、クリニックが
混雑することも避けられるからです。
ウェブ問診とは、従来の紙の問診票ではなく、
パソコンやスマートフォンなどから
アクセスしてウェブ上で記入する問診票のことです。
導入費や運用費はかかりますが、ウェブ問診を
取り入れることは患者さんだけでなく、
クリニックにとってもメリットがあります。
今回は、ウェブ問診のメリットやデメリット
などについてわかりやすくまとめます。
問診票は患者にも医師にも重要
問診票は言うまでもなく、来院する患者さんの
主訴、経過、今までの病歴、家族歴などを
聞くことによって正確な診断のための
手がかりになるものです。
問診票を事前に記入してもらうことは、
患者さんにとっても医師にとっても重要です。
まず、患者さんは問診票の記入によって、
自分の状態を把握し、医師への伝え忘れを
防ぐことができます。
医師は、診察前に問診票を確認することによって
診断の推測ができますし、問診をする手間が
省けるので診察時間の短縮になります。
ただし、従来の紙の問診票だと
いくつかデメリットもあります。
例えば、手書きなので読みづらい、
来院してから記入するので院内での待機時間が
長くなる、問診票の情報を受付スタッフが
電子カルテに入力する手間がかかる、
などです。
そのようなデメリットを解消するために、
ウェブ問診の導入を検討してみてもよいかもしれません。
ウェブ問診とは
ウェブ問診とは、従来の紙の問診票ではなく、
パソコンやスマートフォンなどからアクセスして
ウェブ上で記入できる問診票のことです。
ウェブ上で記入できるので、育児や仕事で
忙しい人の場合にも空いた時間で入力できます。
パソコンやスマートフォンでアクセスできない場合、
またはウェブ上で記入する時間がなかった
場合には、院内のタブレットなどを使用して
問診票を記入することができます。
ウェブ問診では、事前に院長先生自身が
患者さんの症状別に深堀りする質問を
選択し設定できることが多いです。
ウェブ問診のメリット
では、具体的なウェブ問診のメリットには
どのようなものがあるのでしょうか。
ウェブ問診のメリットを以下に挙げてみます。
① 患者さんの待ち時間の短縮
事前にウェブ上で問診票に回答できるので、
予約時間より早く行く必要がなくなります。
また、クリニックスタッフが問診票の内容を
改めて電子カルテなどに入力する手間もないので、
結果的に患者さんの待ち時間の短縮につながります。
② 待合室の混雑緩和
事前にウェブ上で回答を完了していれば、
待合室で問診票に記入する必要がないので
混雑緩和になります。
③ 受付スタッフの作業時間軽減
紙の問診票の場合には、受付スタッフが
カルテに転記したり、情報を入力する
手間があるので作業時間がかかります。
また、手書きだと何が書いてあるか
わからない場合や必要な箇所に記載がない場合など、
対処しなければいけないので余計な時間が
かかることがあります。
ウェブ問診の場合には、このような受付スタッフの
手間と作業時間を軽減できます。
④ 医師の診察時間の確保
ウェブ問診では、患者さんの症状別に
深堀りした質問をすることも可能なので、
医師は診察をスムーズに進めることができ
結果的に十分な診察時間を確保できます。
⑤回答の容易さ
基本的に、ウェブ問診ではウェブ上でチェックを
つければよいので簡単に回答でき、
患者さんの負担が軽減できます。
ウェブ問診のデメリット
ウェブ問診にはデメリットもあります。
考えられるデメリットは、以下のようなものです。
① 導入と運用にコストがかかる
ウェブ問診の導入と運用には費用がかかるので、
よく検討する必要があります。
② 導入によってかえって手間が増える可能性がある
患者さんがITデバイスに慣れていない場合に、
操作方法を受付スタッフに質問することも考えられ、
ウェブ問診の導入によって手間が増えてしまう
可能性もあります。
③ ホームページの改修などが必要になる
クリニックのホームページでウェブ問診を
開始することの告知をしたり、
ウェブ問診へ回答するためのリンクを
貼り付ける必要があります。
④ITデバイスに不慣れな患者さんには難しい
ITデバイスに不慣れな患者さんの場合、
操作が難しいため、かえって回答に
時間がかかってしまうことがあります。
問診票は経営のための貴重な情報源になる
問診票は、本来は患者さんの病態を的確に把握し、
診断するためのものですが、クリニックの経営を
成功させるための貴重な情報源でもあります。
特に初診患者の場合には、どのような媒体を見て
来院したか質問することによって、
広告の仕方を検討できます。
また、紹介者がいた場合には、可能であれば
氏名記載をしてもらうと口コミの鍵となる人がわかり、
どのように広まっているか把握できるかもしれません。
再診患者の場合には、
クリニックに対する満足度のチェックも
したいところです。
満足度が高ければ再診率が上がりますし、
評判も良くなり、集患へとつながります。
もし不満な点がある場合には、どのように
改善すればよいと思うかなども聞くことができれば
クリニックの一方的な思い込みによる改善策を
避けられ、患者さんの満足度アップに
つながりやすくなります。
ウェブ問診では、このような貴重な情報源の
集計も紙媒体に比べると容易なので、
この機会に検討してみるのもよいかもしれません。
医師M.S.
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