診察を効率化!患者さんの願いを叶える医療ITサービス

患者さんがクリニックを訪れる際にネックになるのが、
診察に必要な時間の長さです。

診察を受ける時間自体は短いのに、
診察や検査、会計までの待ち時間が多く発生し、
帰るまでに2時間以上かかるということもあります。

では、この待ち時間を減らすにはどうすればいいでしょうか?
その答えのひとつは、「医療ITサービス」にあります。
詳しく見てみましょう!

医療ITサービスとは?

クリニックでは、診察や検査など、患者さんへの医療の提供に加え、
診療を支える業務が数多く存在します。
以下にその一部を挙げます。

・患者さんの予約や順番待ちの管理
・カルテや検査、画像データの準備、確認
・問診とカルテへの記載
・次回予約日の相談

これらの業務を患者さん一人ひとりに対して行うため、
医師をはじめ、看護師や医療事務などスタッフの負担は
非常に大きいです。
この負担を最小限にするためのシステムが、医療ITサービスです。

医療ITサービスの種類

医療ITサービスには、具体的にどんなサービスがあるのでしょうか?
代表的なサービスをいくつかご説明していきます。

・電子カルテ

患者さんそれぞれの診療内容や経過、検査結果、
処方内容などを電子的なデータとして保存できるものが
「電子カルテ」です。
平成29年度の電子カルテ普及率は、400床以上の一般病院では85.4%、
一般診療所では41.6%となっています。1*

紙カルテでは、入力は手書き・情報の呼び出しは
棚からカルテを探す必要がありましたが、
電子カルテでは、キーボードや音声による入力が可能になり、
情報の呼び出しはパソコンの画面上で簡単にできます。
さらに、各検査機器との連携によって、
画像データや検査データをパソコンですぐ
確認できるようになっています。

他院との情報共有も可能ですので、
患者情報や検査・画像データのやり取りが非常にスムーズです。

・ウェブ予約

病院受診時に最も時間がかかるのが、診察までの
待ち時間であることは少なくありません。

平成29年の厚生労働省の調査では、約半数の割合で、
診察までの待ち時間が30分を超えることがわかっています。*2
待ち時間が長いほど、患者さんの満足度は下がります。
外来での待ち時間が
「1時間以上1時間30分未満」では「不満」が5割を超え、
「2時間以上3時間未満」になると7割を超えてしまいます。*3

この長い待ち時間を解決するのが、「ウェブ予約」です。
ウェブ予約は、日時指定予約や当日の順番予約などができ、
システムによっては今何番目の方が診察中なのかや、
自身の診察順までのおおよその待ち時間をスマートフォンなどで
確認できるものもあります。

これにより、クリニックで待ち続けるのではなく、
診察時間に合わせてクリニックに向かうことが可能です。
患者さんは、いつ呼ばれるかわからないという緊張感と
イライラから開放されるため、
満足度の低下を防ぐことに繋がるでしょう。

・ウェブ問診

紙媒体の問診表の場合、記入に時間がかかるだけでなく、
書かれた内容をカルテに写したり、
追加でヒアリングが必要になったりと時間的ロスが大きいです。

「ウェブ問診」の場合は、患者さんが自宅で
問診内容を事前入力できるため、時間的ロスを最小限にできます。
またウェブ問診の内容が、
患者さんの症状に合わせて変化するものや、
問診内容を細かくカスタマイズできるものもあり、
より詳細な状態を把握でき、診察がスムーズに進められます。
さらに、AIによって問診内容から疑いのある病名を
自動推測したり、鑑別疾患のリストアップを支援する
ウェブ問診も登場しており、
より効率的な診療の提供が期待できます。

・画像データのデジタル化

X線やCT、MRI、内視鏡画像などの画像データの
保存・閲覧・管理を目的としたシステム、
PACS(Picture Archiving and Communication System)
によって、画像データのフィルムレスが実現しています。

フィルムレスになることで、画像の現像設備や
フィルムの保管庫が不要になるだけでなく、
画像の呼び出しがパソコン上で素早くでき、
転院や紹介先病院へ画像フィルムを持参する必要もなくなります。

医療ITサービスの導入後のイメージ

上記の医療ITサービスが整ったクリニックでは、
患者さん・クリニック双方に多くのメリットが生まれます。

<患者さん視点>
・院内での待ち時間が短縮
・院内での問診表の記入が不要
・待ち時間があまりなく診察開始
・口頭での説明が必要なく、診察がスムーズ
・お会計まで待ち時間がほとんどなく受診終了

<クリニック視点>
・待ち時間がなく、患者さんが穏やか
・ウェブ問診の内容が電子カルテに取り込まれ、書き写しが不要
・パソコン上で、問診表や検査データ、画像データをチェックし病状を把握
・診察時間を長く取れ、より精度の高い診療が可能に
・転院や紹介の際には、紹介状の作成や画像データの共有がパソコン上で完結
・患者さんの満足度が高くなり、かかりつけとして長く愛されるクリニックに

医療ITサービスが患者さんとの関係構築に貢献!

医療ITサービスの導入によって、患者さんはもちろん、
クリニックにとっても嬉しい効果が期待できます。
かかりつけ医としての関係構築にもプラスに働いてくれるでしょう。
ぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか?

看護師 S.H.

参照URL
1* 厚生労働省 電子カルテシステム等の普及状況の推移
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000482158.pdf
2* 厚生労働省 平成29年受療行動調査(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/17/index.html
3* 厚生労働省 平成17年 受療行動調査の概要 診察までの待ち時間・診察時間(外来患者のみ)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/05/kekka2.html

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