診療の効率化につながる!“効果的な予診”とは?

初診の方には、まず問診表を記入いただく
クリニックが大多数を占めますが、
初診以外で受診される患者さんに対しては
行わないことも多いのではないでしょうか。

患者さん側も、実は相談したいことや
気になる症状があるけど、
話す余裕や整理がついていないこともあるでしょう。

そうなると、
医師が診察時に聞き出す必要があるため
適切に診療をするためには、
1回の負担が大きくなってしまいます。

そこで、
今回は“効果的な予診“についてご提案します。


無理なく始められ、診察時間も短縮できる方法です。

患者さんは準備万端とは限らない

患者さんが診察で説明するポイントは、
意外と多いものです。

例えば、

  • 症状が出現した日時
  • 強さや持続時間
  • 付随する症状
  • 日常生活との関連 など。

待ち時間にこれらの情報を
整理できているのが理想的ですよね。

しかし、体調の悪い患者さんにとっては
考えることが苦痛になることもしばしばです。

患者さんに付き添う保護者や介護者は、
自分の調子は悪くなくても、
病人のお世話という仕事が増えた状態です。


忙しさも情報処理能力を低下させるため、
「熱が出たから」「吐いたから」「膝が痛いから」
などの症状は挙げられても、
関連する情報を整理できているとは限りません。


筆者の場合、
子どもの受診で親の方がぐったりしがちです。

仕事の調整をして保育園にお迎えに行き、
きょうだいのお世話はどうしよう…と考えながら、
夕飯は食べやすいうどんにしよう、
あ、うどんあったかな?と思いつつ、
翌日の保育園送迎をどうするか夫に相談しないと…
仕事は子どもが寝たら少しできるかな?などなど。

頭の中はフル回転。

小児科で受付を済ませて椅子に座ると放心状態です。

このまま診察室に入ると、
看護師の筆者でさえ
スムーズに受診の経緯を説明する自信はありません。

事前に話すことで整理される

そこで予診がポイントになります。

スタッフと対話することで、
経緯を整理できるからです。

筆者のお世話になっている小児科では、
看護師さんが予診をしてくれます。

放心状態のところに「今日はどうしましたか?」
と声をかけてもらうと、我に返ることができます。

思いついたことをそのまま話しても、
看護師さんがきちんと整理をしてくれます。

聞かれたことに答えるだけで
大丈夫という安心感があります。
さらに「〇〇はどうですか?」と尋ねられると、
すっかり忘れていた大切な情報に
気づかされることもあります。

頭の中が整理されると
「あのことも先生に相談してみよう」
とひらめくことも。

診察では先生があらかじめ予診票に
目を通してくれていて、診察時間も短縮されます。
診察室に入るのを嫌がる子どもにとって、
サッと終わらせてくれるのはとても助かります。

必要最低限にすれば、現状のスタッフでも対応が可能

予診は常に看護師が行うのが理想なのかもしれません。
しかし、1人スタッフを増やすとなると
経済的な負担が大きいですよね。
そこでスタッフを増やすことなく
予診を行える方法をご提案します。


1、初診や久しぶりに受診する患者さんなどに限定する方法

受付で対象の患者さんだと判断した場合のみ、
診察介助の看護師が予診をするというもの。

家族に付き添われて来院した乳幼児や高齢者など、
患者以外の人が医師と話をする場合なども有効です。

2、予診を希望するかどうかを受付で確認する方法。

患者さんの層や業務内容が異なるため、
スタッフで話し合い対象者を設定するとよいです。

3、スタッフを増やす曜日や時間を限定する方法

例えば月・水・金曜日の午後は看護師を
1人多く出勤させるなど、
スタッフを増やす日を決めておけば、
患者さんが選んで来院することができます。

  • 病気以外にも相談したいことがあるから
    看護師さんが多い日にしよう
  • 慣れない介護者が付き添うので
    予診をしてもらえる日にしよう    などです。

4、看護師以外の診察補助スタッフが予診を行う方法

問診内容が直接電子カルテに
反映されるようなアプリもあり、
対面でなくても患者さんの頭の中を
整理することができるでしょう。

まとめ

患者さんの頭の中を一緒に整理する予診によって、
患者さんは診察の経緯をはっきりと
認識することができます。

医師も患者さんの口から情報を収集しなくてよい分、
診察に集中することができます。

特に必要そうな患者さんに絞って行えば、
クリニックにとっての負担も
それほど多くありません。
一度お試しになってみてはいかがでしょうか。

看護師M.K.

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