クリニックや診療所などでは、
看護師を最少人数で回しているところも多く、
1人の離職が診療に大きな影響を与えます。
できる限り、長く働いてほしいところですね。
しかし、なぜか看護師が定着しないという場合には、
なんらかの理由があることが予想されます。
今回は、看護師が定着しやすくなるような、
働きやすい環境について、
詳しく見てみましょう。
看護師は転職しやすい環境にある
看護師の求人は途切れることがありません。
いつも、さまざまな医療施設や介護施設などが
看護師を募集しており、転職へのハードルが
低いのが特徴です。
そのため、今働いている環境に問題があれば、
より条件の良いところに転職することは
珍しくありません。
看護師は転職したいわけではない
引く手あまたの看護師ですが、
常に転職をしたいと思っている人は少ないでしょう。
転職はパワーが要りますし、転職後も
慣れるまで時間がかかるため、
今働いている環境で居心地が良ければ、
そのまま落ち着きたいと願う人のほうが多いです。
そのため、看護師の定着を目指す場合には、
「働きやすい!」
と看護師が感じる環境を整える必要があります。
看護師が働きやすいと感じる環境とは
看護師が働きやすいと感じる環境とは
どんなものでしょうか?
ランキング形式で見てみましょう。
3位 早出や残業がない
求人で書かれている就業時間以外に、
早めの出勤を求められたり、
残業が多かったりする場合、
働きにくいと感じます。
開院時間前後の掃除や診療の準備・片付けが
必要な場合は、その時間も含めた就業時間を、
求人の段階で提示する必要があります。
また、子育て中や介護中など、
時間に制限のある看護師にとって、
「今日、残業できない?」
という急な打診やその空気も
働きにくさに繋がるでしょう。
2位 休日や休暇取得がしやすい
看護師は女性が多い職場ですので、
育児や介護で休みが必要になる
ということも少なくありません。
保育所や学校の参観日・行事 など、
予測できる休みだけでなく、
急な発熱や体調不良といった
突然の欠勤が必要な場合もあります。
看護師自身の急な体調不良もあり得ます。
そんな場合に、休みを申請しやすい環境で
あることは働きやすさに繋がります。
また、有給休暇を申請しやすい環境である
ことも大切です。
希望した日に休めるということは、
満足度の向上に繋がります。
1位 人間関係が良い
最も働きやすいと感じる環境は、
人間関係の良い環境です。
上司や同僚とのコミュニケーションが円滑で、
与えられた役割をそれぞれが遂行しつつ、
お互いに協力しながら業務に当たることができる
という環境が求められます。
この中にはもちろん医師も含まれます。
医師の傲慢な態度や対応は、看護師にとって
大きなマイナスポイントです。
看護師にとって医師は管理者であり上司であり、
クリニックの中心となる存在です。
医師との人間関係がうまく構築できないと
感じれば、早々に離職を考える看護師がいても
不思議ではありません。
このように、一見当たり前のことですが、
なかなか整えるのが難しい環境が求められます。
折り合いをつけられる環境が鍵に
上記の環境をすべて整えることは難しいかもしれません。
実はこのランキングの4位に来るのが
「快く相談にのってくれる職員がいる」です。
つまり、気軽に相談ができる環境が、
看護師定着にとって鍵となります。
希望がすべて通らなくても
どこかで折り合いが付けられれば、
人は満足感を得られます。
その相談を受ける役割で重要になるのが、
管理者である医師もしくは看護師の長となる師長です。
どちらかもしくは両方が相談しやすい人柄で
あることは、看護師が定着するための
非常に大きな要素になります。
相談は受けるだけでなく自分からも
管理者である医師の仕事は多岐にわたり、
看護師の相談役になっている余裕は…と思う
医師も少なくないでしょう。
しかし、相談がからの一方向で終わるものではなく、
互いに相談しあう場とすればどうでしょうか?
診療上の悩みを看護師にすることで、
なにか解決へのきっかけが掴めるかもしれません。
クリニック経営は孤独がつきまといますが、
同じクリニックで働く者同士、
建設的な意見が聞けるかもしれません。
相互に相談できる環境が、
看護師にとっても医師にとっても、
よりよい環境であることは間違いないはずです。
看護師 S.H.