クリニック経営者必見!自院に合った就業規則の作成方法

就業規則は、クリニックの運営を
円滑に進めるためのルールブックです。
クリニックの特性や状況により、
それぞれに合った就業規則を作成する必要があります。

しかし、適切な就業規則を作成している
クリニックは少ないのが現状です。

本記事では、自院に合った就業規則の
作り方について詳しく解説します。

そもそも就業規則とは

就業規則とは、労働基準法に基づいて
作られる、職場で働く労働者に対する
基本的なルールや行動指針をまとめたものです。

具体的には、労働時間、休日、賃金、
安全衛生、労働者の権利義務、労働者の扱い
等に関する事項を明記します。

常時10名以上の労働者を雇用する事業場は
就業規則を作成し、労働局に届け出ることが
義務付けられています(労働基準法第89条)。

就業規則の作成義務・届出義務、
そして変更の届出を怠った場合、
30万円以下の罰金が課されます(労働基準法第120条)。

就業規則の作成・変更、届出の流れ

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-4.pdfより引用

就業規則の作成・変更の流れは、上の図の通りとなっています。

まず就業規則の草案を作成し、それを元に、
労働者の意見を求めながら協議します。
この際、適正な労働環境を維持するために、
事前に労働者の意見をしっかりと聞くことが重要です。

労働者との協議が終わった後、最終的な
就業規則を作成し、労働者の過半数で
組織する労働組合または労働者の過半数の
代表者からの意見書を添付し、所轄の
労働基準監督署に届け出ます(労働基準法第89条、90条)。

開院時はやることが多くて忙しく、
「後で変更すれば良い」と考え、
モデル就業規則をそのまま使用しようと
考えるクリニック経営者の方も少なくありません。

ところが、後から就業規則を変更することは困難です。

特に労働者に不利益な変更になる場合は、
労働者の同意をとるか、変更内容に合理性が
認められる必要があります(労働契約法第9条、10条)。

しかし実務上は変更のハードルが
非常に高く、後からの不利益変更は
極めて困難と考えて差し支えありません。

自院に合った就業規則の作り方

自院の特性に合わせた就業規則の作り方には、以下の方法が考えられます。

モデル就業規則を利用する

厚生労働省が提供する「モデル就業規則」は、
就業規則の作成の参考になる資料です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html参考

これを基に、自院の状況に合わせて
カスタマイズすることが可能です。

同様の「モデル就業規則」は、
国土交通省の他、各地の商工会や業界団体、
弁護士事務所や社会保険労務士事務所などが
無償で公開しています。

就業規則作成支援ツールを利用する

厚生労働省は、就業規則作成のための
支援ツールをインターネット上で提供しています。

https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/support_regulation.html参考

これらの支援ツールは、一般的な労働条件を
考慮したテンプレートを提供しております。
必要な項目や法的要件を確認しながら
ユーザーが情報を入力することで、
自院にカスタマイズされた就業規則を生成してくれます。

社会保険労務士に依頼する

就業規則の作成は専門知識が必要なため、
社会保険労務士に依頼することも一つの手段です。

費用はかかりますが、社会保険労務士は
労働法令や労務管理に詳しく、適切な
アドバイスを提供できます。

特に、自院の具体的な状況に合わせた
規定を設ける際や、難解な法令解釈が
必要な場合には、その知識と経験が大いに役立ちます。

弁護士に依頼する

法律に関する複雑な問題が生じた場合は、
弁護士に依頼することも有効です。

弁護士は労働法だけでなく様々な法律領域に
精通しており、自院のリスク管理に大きく貢献します。

また、実際に労使トラブルから
訴訟となった場合に代理人となれるのも
弁護士の強みです。
その分、社会保険労務士よりも弁護士に
依頼した場合の方が、費用がかかることが多いです。

まとめ

就業規則はクリニックの運営における重要な要素です。
適切に作成・運用することで、
職場の秩序を保ち、労働者の権利を守り、
クリニックの発展に寄与します。

自院に最適な就業規則を作成するためには、
モデル就業規則の利用、支援ツールの活用、
専門家の意見を求めるなどの方法があります。

どの方法を選択するにせよ適切な
知識と理解が必要となりますので、
専門家の意見を参考にしながら自院に適した就業規則を作成しましょう。

医師 M.M.

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