Blog スキルアップ スキルアップトラブル対策接遇 患者さんが安心してMRI検査を受けるために 2024年3月5日 2024年3月5日 Facebook post MRI検査は、CT検査とは異なり放射線を使用しないため、被ばくの心配はありません。 しかし、MRI室は強力な磁場が常に存在し、日常生活とは異なる環境です。磁場の影響により、場合によっては危険な事故が生じる可能性もあります。 本記事では、MRI検査を安全に実施し、患者さんが安心して検査を受けるために必要な注意事項を、撮影する担当者の視点からまとめています。 患者さんへMRI検査を説明する際の参考にしてください。 もくじ 患者さんへMRI検査を説明する際に必要な4つのこと MRI検査と相性の悪い物質 検査時の服装と検査前の飲食について まとめ 患者さんへMRI検査を説明する際に必要な4つのこと MRI検査を安全に実施し、患者さんに安心して検査を受けてもらうために必要な説明事項をご紹介します。 ➀撮影中は狭いトンネルの中に入るMRI検査は患部に磁石を近づけるほど良い画像が撮れます。そのため、患者さんは狭いトンネル(直径60cm〜70cm)の中に全身が入ることになります。 閉所恐怖症の方は気分が悪くなることもあるため、初めて検査を受ける方には説明が必要です。 ②撮影中は工事現場のような大きい音がする装置が磁場を発生させるときに、工事現場にいるような大きな音を出します。 長時間の騒音は聴覚障害を起こす危険性があるため、患者さんに耳栓やヘッドホンなどで騒音から身を守ってもらう方法があります。 ③撮影時間が15分〜40分かかる検査にかかる時間はCT検査よりも長く、15分から40分程度です。体動により画質が落ちるため、同じ姿勢を維持する必要があります。 患者さんに検査中の動きを控えてもらうよう協力を得ることが重要です。 ④胎児への安全性胎児へのMRI検査の安全性は、現時点で確立されていません。妊娠3か月までは、とくに影響を受けやすいとされています。 安定期であっても、検査の有効性がリスクを上回る必要があるため、患者さんの同意は必ず得るようにしましょう。 MRI検査と相性の悪い物質 MRI室へは、強磁性体や金属を含むものは取り除いて入室しなければなりません。 しかし、体内にあり取り除けないものに関しては、安全性に問題があるものと問題がないものがあります。それぞれを表にまとめました。 安全性に問題があるもの 安全性に問題がないもの ペースメーカー・除細動器 体内の固定具(人工関節など) 脳動脈瘤クリップ※検査可能な製品もあるが、 確認できないものは禁忌 脳神経外科用部品(ドレーン、リザーバ、プレート)※シャントチューブは確認が必要 血管内のカテーテルやステント 心臓の人工弁※Star-Edward600番以前(1970年以前) のものは禁忌 目・脳・縦隔内など主要臓器内にある強磁性体の破片(金属片、弾丸 頸動脈クランプ※PoppenBlaylockの製品のみ禁忌 目のメークアップ用品(マスカラやアイライナーなど) 入れ墨 参考:MRの実践-基礎から読影まで(医療科学社)、超実践マニュアルMRI(療科学社) 金属が小さい場合や体内の深部にある場合、金属探知機に反応しないため、注意が必要です。 また、安全性に問題がないものでも画質の低下を招くため、撮影部位によっては検査が不可になる場合もあります。 検査時の服装と検査前の飲食について 安全にMRI検査を実施するにあたり、検査時の服装や検査前の飲食の確認は必要です。それぞれ、MRI検査を担当するスタッフが確認する事項についてご紹介します。 検査時の服装 検査前に確認する服装や身につけている物をチェックする項目は以下にまとめました。 ✓眼鏡✓イヤリング✓鍵(ロッカーの鍵も注意)✓ヘアピン✓入れ歯✓磁気カード(診察券にも注意)✓かつら✓ネックレス✓携帯電話✓化粧やコンタクト✓下着の肩紐やホック✓時計・ブレスレット かつらや化粧などの急に取り除くことが難しいものは、検査予約時に患者さんへ伝えておくと、検査の準備がスムーズです。 また、防寒用肌着は、素材により発熱することが確認されているため、検査着のみで入室してもらうようにします。 検査前の飲食 MRI検査は、動きに非常に弱い検査で腸管の動きも画質に影響します。体幹部の検査の場合は、4時間前から絶飲食の案内を患者さんにすると良いでしょう。 まとめ 患者さんにとってMRI検査は身近にある検査ではないため、不安に思う方は少なくありません。さらに、検査室への入室には多くの制限があることも、患者さんの不安を強くする一因となります。 しかし、指定されたルールを守ることで、身体への影響が少ないMRI検査から、非常に多くの有益な情報を得ることができます。 患者さんの不安を軽減し、安全に検査を受けていただくことは、患者さんとの信頼関係の強化につながるでしょう。 放射線技師 O.S ☆関連記事☆ 患者さんへの説明効果的なのは上手い「例え話」です! 医療被ばくの説明ガイド|患者さんへの質問回答例を紹介 Facebook post
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