患者さんのスキントラブルを防ぐための3つの工夫

医療現場での処置やケアによって、
患者さんに表皮剥離や内出血などの
スキントラブルが発生することは
少なくありません。

患者さんに苦痛を与えてしまう
だけではなく、クリニックへの
クレームにつながる可能性があるため、
スキントラブルを起こさないための
工夫が必要です。

今回は、クリニックでスキントラブルが
発生しやすい場面と、その予防法に
ついて解説します。

もくじ
クリニックでスキントラブルが起こりやすい場面とは
クリニックでも出来るスキントラブルの予防法3つ
スキントラブルの予防には患者さんの協力を得ることも大切

クリニックでスキントラブルが起こりやすい場面とは

クリニックで起こりうるスキントラブル
として、以下のようなことが挙げられます。

  • 採血や点滴などで使用したテープを
    剥がしたら、皮膚が剥離してしまった
  • マンシェットや駆血帯を使用した後に
    内出血を起こしてしまった
  • 移乗時に車いすのフットレストに
    足がぶつかり、皮膚に裂傷が起きてしまった

とくに小児や高齢者など、皮膚の弱い
患者さんはちょっとした摩擦や
ズレによって、スキントラブルを
起こしてしまいます。

スキントラブルが発生しやすい場面や
対策について、スタッフ間で情報共有しておく
必要があるでしょう。

クリニックでも出来るスキントラブルの予防法3つ

スキントラブルが起こりやすい
場面や場所について把握し、
予防策を立てておきましょう。

ここでは、スキントラブルを予防
するための、3つの工夫について紹介します。

① クリニック内の環境整備を行う

患者さんがスキントラブルを起こす
原因となるような、危険な場所がないか
どうかをチェックしましょう。

診察室や処置室だけではなく、
クリニックの出入り口やトイレなども
確認します。
例えば、処置用ベッドや、貸出用車いすが
ある場合には、ベッド柵やフットレストに
カバーをするなどして保護しておくと安心です。

キッズスペースがあるクリニックでは、
おもちゃの破損によるケガにも注意しましょう。

② テープをはがす時はリムーバーを使用する

医療機関でのスキンケア発生状況として、
最も多いのが「テープの剥離時」です。

小児や高齢者など、スキントラブルを
起こしやすい患者さんには、
リムーバーを使ってテープを剥がします。

自宅から貼ってきたテープであれば、
患者さんやご家族に剥がしてもらうのも
良いでしょう。

また、皮膚の弱い患者さんでも使用できる
医療用テープを、クリニックに常備して
おくと安心です。

患者さんの皮膚状態に合わせた
テープの選択や、正しいテープの貼り方、
剥がし方ができるようスタッフに指導しましょう。

③ 患者さんの身体への触れ方に注意する

血圧測定や採血、車いすからベッドへの
移乗など、患者さんの身体に触れる機会は
多いものです。

患者さんの腕や足に触れるときには、
つかむのではなく、下から支えるように
持ちましょう。

処置に使用するマンシェットや駆血帯は、
強く巻きすぎないよう注意します。
ゴム製の駆血帯を使用している場合には、
ポリエステル製の駆血帯に変更するのも
良いでしょう。


皮膚の乾燥が強い患者さんには、
簡単なスキンケア指導を行うのも
効果的です。

とくに高齢者の場合には、皮膚の乾燥が
強いにも関わらず、スキンケアを
していない患者さんも多いでしょう。

保湿剤や、洗浄力の優しい石鹸の使用
などを勧めてみるのも良いですね。

スキントラブルの予防には患者さんの協力を得ることも大切

皮膚が弱い患者さんの場合、
クリニック側が予防策をとっていても
スキントラブルを起こしてしまう
ことがあります。

「アルコール綿や医療用テープでかぶれたことがある」
「肌が弱く、赤みやかゆみが出やすい」
といったことがある場合には、
処置やケアの前に申し出てもらうよう
声をかけましょう。

また、スキントラブルが発生しやすい
皮膚状態であることを、
患者さんに説明することも必要です。

処置やケアの前後には、患者さんの
皮膚状態を観察して、記録に残して
おくと良いでしょう。

看護師 S.H.

☆関連記事☆
小児科クリニック内でのまさかを防ぐ!子どもの転倒・転落事故予防法とは
https://arkrayclinicsupport.com/blog-of58

of58_小児科クリニック内でのまさかを防ぐ!子どもの転倒・転落事故予防法とは

その患者さんは困った人?クレーム対応の6つのルール
https://arkrayclinicsupport.com/blog-of75/

その患者さんは困った人?クレーム対応の6つのルール

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事