新型コロナウイルス感染症の流行により、
待合室に共有のおもちゃを置かなくなった
クリニックも多いことでしょう。
子どもにとっては、待ち時間は退屈で
苦痛を感じる場合も。
走り回ったりイスの上で飛び跳ねたりして、
ケガや事故を招くおそれもあります。
そんな退屈な時間を変えるのが、
個別に遊べる使い捨てのおもちゃです。
安価で準備しやすい使い捨ておもちゃをご紹介します。
安価で使い捨てできるおもちゃとは
安価で使い捨てできるおもちゃと聞いて、
ピンと来ない方も多いことでしょう。
どんなおもちゃかというと、
「折り紙」や「あやとり」が挙げられます。
折り紙なら正方形の紙、あやとりなら
1.5m前後の毛糸が1本あればできるので、
安価に簡単に準備できます。
昔遊びとして馴染み深いので、付き添いの
保護者も一緒に楽しめるでしょう。
それぞれの遊び方を難易度別や年齢別に
待合室に掲示しておけば、より長い時間楽しめますね。
折り紙の利用法
折り紙は、集中力・理解力・
創造力(想像力)・手先の器用さを
伸ばし、知育に最適な遊びです。
発達段階的に2歳ごろからふさわしい遊び
ですが、最初は上手に折れないので
見立て遊びに使ってもらったり、
保護者と一緒に楽しんでもらったりするといいですね。
年齢別におすすめの遊び方をご紹介します。
■2歳向け
目的を持って形を作ることは難しいですが、
折ってできた形で見立て遊びができます。
折り紙を対角に折れば「山」、
長方形に折れば「お財布」、
組み合わせて「お家」など、形の変化が
子どもの想像力を刺激します。
カラーバリエーションを豊富にしておくと、
興味を引きやすくなるでしょう。
■3歳向け
三角や四角など、簡単な形が折れるようになります。
例えば、折り紙を対角に折って三角形にし、
2つの鋭角を折ればチューリップの完成です。
さらに90°の角を折れば、犬や猫、
キツネなどの顔の形になります。
■4~5歳向け
かぶとやカエルなど、少し複雑な折り方が
できる子が増えてきます。
季節に合わせた作品を作ってもらい、
壁面飾りに利用できるようにすると、
作る楽しさとともに飾ってもらえる
という達成感も得られるでしょう。
■6歳以上
折り紙は非常に奥が深く、複雑な折り方に
よって立体的な作品を生み出せます。
小学生になると、複雑な折り方を理解
できる子が増えるので、難易度高めの
折り方を掲示してみましょう。
あやとりの利用法
あやとりは1本の紐を輪にし、両手の指を
使って掛けたり外したりして形を作る遊びです。
折り紙と同じように、子どもの集中力や
創造力などを養うことができます。
「ほうき」「星」のような簡単に1人で
できる技が多いほか、
2人で遊ぶ「二人あやとり」という遊び方もあります。
3歳ごろからできる子が増えるので、
簡単な技や二人あやとりのやり方を
紹介するとよいでしょう。
「国際あやとり協会」では、あやとりの
技や情報の掲載サイトを紹介しています。
実はあやとりは日本固有の遊びではなく、
全世界のさまざまな国にあやとりの文化があります。
その国独自の技を紹介するのもおもしろいですね。
患児も保護者も医師もニッコリ
共有のおもちゃを置きにくい現在、
待ち時間を退屈せずに待ってもらう工夫が必要です。
折り紙やあやとりなどの使い捨てできる
おもちゃがあれば、コロナ禍でも患児に
遊びを提供でき、患児はあっという間に
診察の順番が来たように感じるでしょう。
保護者への負担も少なくなり、
診療がスムーズに進むことが期待できます。
また、使い捨てのため、消毒や電池の管理
などの手間はなく、材料も安価で準備できます。
クリニック側としても負担が少ないため、
使い捨ておもちゃを一度試してみてはいかがでしょうか?
看護師 S.H.
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