「わかりやすい」スタッフの評価制度がもたらすメリット

クリニックの印象や雰囲気を決めているのは、
院長をはじめとする、そこで働くスタッフの方々です。

より良いクリニックにしていくためには、
スタッフの協力とがんばりが
とても大事になってきます。

院長や幹部だけが一生懸命になっても
なかなか思い通りにはならないもの。

多くのスタッフがそれぞれ患者さんと接する機会を持つ以上、
スタッフ一人ひとりに日々の業務に真摯に向き合って
もらう必要があるでしょう。

スタッフに対して
コンスタントに教育や意識改革を施すことも大切ですが、
正当に評価をするということも忘れてはならない
ポイントです。

そのためにあったほうがいいもの。
それは「人事評価表」ではないでしょうか。

人事評価制度も奥が深いのですが、
できれば各スタッフの仕事ぶりを客観的に評価するシステムが
あったほうが便利です。

人事評価制度の導入&数値化にはどんな意味があるのか

スタッフの毎日の仕事ぶりを
公平かつ客観的に評価できなかった場合、
どうなるでしょうか? 

スタッフに対して
適切な指導ができなくなります。

また、

  • 人事の決定
  • 昇給をはじめとした待遇面の見直し

等を行うにあたっても直近の勤務状況を
正確に把握できているに越したことはありません。

点数評価制度は
「絶対にないといけない」
というものではないかもしれません。

なぜならば、どのみちすべてを数字化することは
できないからです。

実際に小~中規模な医療機関の場合でも
まだそのあたりの仕組みを
きちんと設けていないところも多いでしょう。

ただ、院長の印象・主観だけで評価を決めるのは難しいはずです。

いい加減な印象で評価を決めてしまうと
スタッフたちの反発やモチベーションの低下
を招いてしまう恐れも出てきます。

やはり一定の基準のもとでシステム化し、「見える化」
をするべきと言えるでしょう。

どうやったら楽に人事評価制度を開始できるのか

さて、ひとくちに人事評価制度といっても、
各医院において運営の方針やスタッフの構成、
標榜している内容も異なります。

できれば、各医院の職場環境にぴったりな
評価制度を見つけたいところですね。

現在は、評価制度を見つけようとすると
驚くほどたくさんの人事評価システムが見つかります。

まず出てくるのは一般の企業向けのシステムですが、
医療機関向けのシステムも増えてきています。

ただ、
「たくさんありすぎて、どれにしたらいいのかわからない」
という声もよく聞きます。

どのみち既存のシステムを使う場合でも、
ご自分の医院向けのアレンジをする必要が
出てくることが非常に多いです。

ではここで、「どんな場合でも入れたほうがよい項目」を
2タイプ、ご説明しましょう。

その1 全スタッフ共通の項目

これは、どんなスタッフにおいても必ず評価する必要が
ある項目をまとめたものです。

例えば

  • 人間性
  • サービス精神

といったポイントはあらゆるスタッフに必要となります。
なぜならば、医療機関もやはり「接客業」「サービス業」
の性質を十分に備えているからです。

具体的に

  1. 患者様への対応
  2. チームワーク
  3. 業務の遂行能力

といった項目が考えられますね。

「患者様への対応」であれば、
「患者様に対して、にこやかで礼儀正しい挨拶・対応ができている」
ことが評価の対象となるわけです。

この点で失敗が目立つようであれば点数を減らすべきですし
非の打ちどころがないのであれば、満点に近い点数を
与えるのが妥当でしょう。

点数については、少なくとも3段階は必要でしょう。
「0点・1点・2点」でもいいですし
「-1点・0点・+1点」でもいいでしょう。

もっと点数を分けたいのであれば、5段階にしたり
その倍近くにしたりしてもいいでしょう。

その2 職種や、院内でのポジションにもとづいた項目

医療機関にも数種類の役割が存在します。

小規模な開業医の場合は雇うスタッフも少人数かもしれませんが
それでも「看護師」「医療事務」といったスタッフを
雇うことは多いでしょう。

また、規模が大きいところであれば
院長秘書や事務長がいることも考えられます。

例えば事務・受付のスタッフであれば

  • レセプトの処理
  • 電話応対
  • カルテの管理

といった業務が主な評価の対象となるはずです。

「電話応対」であれば
「敬語をどんなときでも使いこなせている」
「予約の調整が申し分なくできている」
といった項目が考えられるでしょう。

評価の項目・点数と一緒に作ったほうがよいものとは

人事評価制度は以下の仕組みと一緒に作成したほうが得策です。

・各スタッフの点数と、職能や役職との関係を
 示したシステム

例えば、学校を出たばかりの新人を雇った場合と
ベテランの経験者を雇った場合では、スタートラインが異なります。

何らかの役職についているスタッフと
いわゆる一般のスタッフも同様でしょう。

そこで評価点数表もスタッフの職能や役職に合わせて
分けたほうがよいでしょう。

具体的に、新人や一般の方の場合は一定のレベルに達したら
ワンランク上の評価制度を採用するといった対応を取ります。

・報酬・待遇への反映システム

これはすぐにでもつくったほうがよいものではありません。
しかし、安定して高い点数を得られるようになった場合は、
きちんと報いてあげたいところです。

そこで、どれくらいの点数を取ったら、
昇給やボーナスの対象になるのか、あるいは昇進の対象になるのか
きちんと基準を決めておくと人事の作業がはかどるようになります。

人事評価の数値化は難しい作業ではない

人事評価は数値にもとづいたシステムの導入
がおすすめです。
そのほうが、全スタッフを同じ基準にもとづいて
公平に評価できます。

そのために必要となるのは、

  • スタッフの毎日の仕事を項目化・点数化する
  • 役職や待遇に結び付けるためのシステムを導入する

といったプロセスです。

幸い今は、さまざまなシステムがネット上に出回っていますし
すべてを自作する必要はありません。

少し検索して、出てきたものをアレンジして使っても
いっこうにかまいません。

自作するにしても必要性の高い項目をチョイスすれば
そんなに難しいことではありません。

それに、必要に応じて後から項目に変更を加えても
問題ありません。

スタッフの方々と共に、自身のクリニックに合った
項目を考えることでみんなが同じ方向を向いて
業務にあたるきっかけになるかもしれません。

まだ手ごろな制度がない場合は、
ぜひオリジナルの制度の考案をおすすめいたします。

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