初診患者に嫌われないための4つの対策

全体の患者数に対する、初診患者数の割合である初診率。

初診率が低いと、延べ患者数も減ることが多く、
クリニックの経営が悪化する原因になります。

初診率が平均を上回っている場合には、
初診患者に嫌われないように心がけ、
再診を促すことがクリニック経営の
安定につながります。

今回は、初診率の意義や初診患者に
嫌われないための対策などについて、
わかりやすくまとめます。

意識すべき初診率とは

初診患者が全体の何パーセントか把握することは、
順調なクリニック経営を維持するために重要です。

初診率とは、全体の患者数に占める
初診患者数の割合のことです。

例えば、1日100人の外来患者が来ている
クリニックに、初診患者が10人含まれていれば
初診率10%となります。

厚生労働省は、平成29年に医療施設調査を行い、
一般診療所における平均初診率は
約14.3%と報告しています。

各診療科目別にみると、
内科の初診率は11.7%、小児科は24.6%、
皮膚科は24.0%でした。

初診率の高い診療科目では、患者さんの
取り合いになる可能性があります。

周辺地域に広告して周知させることで、
初診率が上がることも期待できます。

もし、告知などの対策をしても総患者数が
上がらない場合には、
自院の初診率を見直しましょう。

初診率が平均を上回っていたとしても、
満足度が低く再診につながっていない
のであれば、総患者数が増えずに
経営は伸び悩みます。

患者さんの満足度を上げて、再診率を
高くする対策をすべきだということがわかります。

このように初診率を意識すると、
クリニックをどのように経営していくべきか
ヒントを得られることがあります。

患者さんの評価は受付から薬局までと心得る

患者さんの評価は、クリニック経営に
大きな影響を与えます。

患者さんがクリニックを評価する時には、
待ち時間・診療レベル・スタッフの態度など
多くの要素が考慮されます。

ところで、初診時に患者さんが接する機会の
多いスタッフは誰か、検討がつくでしょうか。


答えは、受付スタッフです。

まず予約時の対応から始まり、初診受付、
記入した問診表の受け取り、会計などは
受付スタッフの仕事としているクリニックが
多いはずです。

このように、初診患者の場合には
3~4回は受付スタッフと接する機会があります。

診察時の医師が1回、処置時の看護師が1回に
比べたら、初診患者の評価に大きく影響する
のではないかと考えられます。

また、患者さんにとっては薬局で薬を受け取る
までが一連の診療になります。

最近ではあまりないかもしれませんが、
院長先生や他の医療スタッフが
近隣の薬局に対して不親切な電話対応
などをしていると、クリニックの印象が
悪くなる可能性もあるので注意が必要です。

初診患者に嫌われないためにも、
患者さんの評価が受付から薬局までだと
意識しておきましょう。

初診患者に嫌われないための4つの対策

では、具体的に初診患者に嫌われないように
するための対策にはどのような
ものがあるのでしょうか。

主な対策方法を4つ紹介します。

① 予約時間の整理

初診で予約をした患者さんは、再診患者の
合間に診るというようなスタイルに
しているクリニックも多いかもしれません。

しかし、初診患者にとって、他の患者さんが
呼ばれるのを見ながら長時間待たされる
のは苦痛です。

また、いつになったら呼ばれるのか
わからないことも
患者さんのストレスにつながります。

他にも、初診予約をしようとしたら
1か月後と言われた、などのように、
あまりに初診予約がとれないことも
初診率を下げる要因になります。

朝、クリニックを受診しようと思って
行ったところ、患者さんがすでに並んで
いたのを見て、受診をやめようと考える
患者さんもいるかもしれません。

初診患者の時間を決めて、余裕をもって
診察できるように
予約時間の整理を検討しましょう。

やむを得ず患者さんを待たせてしまう場合には、
診察までどれくらい時間がかかるかを
明確にして伝えるようにした方が印象がよいです。

② 受付スタッフの教育

患者さんが最も接する機会があるのは、
受付スタッフです。

また、患者がクリニックで初めて会うのも
受付スタッフです。

受付スタッフの感じが悪ければ、患者さんは
もう来院したくなくなります。

受付スタッフには、クリニックの顔であることを
意識してもらい、患者さんへの言葉遣いや
態度などに気を付けるように教育すべきです。

③ 待合室の工夫

患者さんが多くの時間を過ごすのは、
診察室よりも待合室です。

できれば待ち時間が短い方がよいですが、
そのようにいかないことも多いものです。

待合室は清潔にしておくことはもちろんですが、
居心地がよいように空調や家具、
備品などにも気を配りましょう。

最近では、スマートフォンを持っている
患者さんが多いため、可能であれば
Wi‐fiがつながるようにするのも一つの方法です。

④ 患者さんとの信頼関係の構築

患者さんと医師が信頼関係を築くことが
できれば、また
同じクリニックを受診しようという
動機づけになります。

診察室では、患者さんの目を見て
優しく話しかけ、患者さんが話し出したら
よく聞くように心がけます。

病状を把握することに集中してしまうと、
患者さんの不安な気持ちやつらい気持ちに
寄り添えないことがあります。

患者さんが診察室に入ったら、
まず挨拶をして、相手に共感するような
態度で話を聞き、ゆっくりと話すことを心がけましょう。

「一緒に治していきましょう」
「また〇週間後に良くなっているか診させてください」
などのような声がけは、患者さんにとって
大きな支えになります。

再診を促す心がけも大切に

初診患者に嫌われないための対策について
まとめましたが、再診を促す
心がけも忘れてはいけません。

診察時の医師の声がけ一つで、
再診率を上げることも可能です。

例えば、再来院する意味を
わかりやすく説明するようにしましょう。

処方された薬で症状が改善すると、
再来院する必要性がないと感じる
患者さんも多いです。

しかし、医師から
「症状が改善したとしても経過を見る必要が
あるので、来院するようにしてください。」
と言われれば再来院を検討してもらえるかもしれません。

また、検査結果を丁寧に説明することによって
患者さん自身の理解を促せた場合に、
再来院して検査結果を比較する必要性を感じ、
動機づけになります。

診療が終わった後に、受付で次回の外来予約を
とるようなシステムにしてもよいでしょう。

外来予約がとれているので、
再来院しようと考える患者さんが
増えることが予想されます。

次回行う予定の検査について、
丁寧に説明することも再来院への動機づけになります。

競合クリニックに負けないためには、
初診患者に嫌われないようにする
だけでなく、再診率を上げる努力も必要です。

医師M.S.

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