クリニックの数も増え、インターネットの普及によってすぐに評判を調べることができる現代では、適切な治療を行っているだけでは患者さんは集まりません。
患者さんは、体調不良でつらい、または不安な気持ちに寄り添うような接遇を求めています。
理想的な接遇は、クリニックの評判を良くするだけでなく、順調な経営につながります。
今回は、
“接遇の重要性や理想的な接遇を実現するためのポイント”
についてわかりやすくまとめます。
クリニックにおける接遇の重要性とは？
クリニック数の増加に伴い、患者さんがクリニックを選べる時代になっています。
ではどうすれば患者さんが集まるのかというと、患者さんが求めるプラスアルファの要素が重要になります。
体に不調がある時には、特に気持ちも弱くなる人が多いです。
機械的に病状を聞かれ、治療されただけではたとえ治ったとしても、
再び同クリニックを訪れる可能性は低いです。
患者さんは、自分のつらさや不安な気持ちを察し、寄り添ってくれることを期待していると考えたほうが良いです。
院長先生が理想的な接遇をしていても、受付スタッフや看護師などができていなければ離れていきます。
クリニックに所属しているスタッフ全員が理想的な接遇をできていれば、クリニックの印象は良くなります。
理想的な接遇は、クリニックの評判につながり、結果的に良好な経営につながります。
患者さんが求める接遇を実現する9つのポイント
接遇とは、相手を思いやるような気持ちを持って接することを意味します。
具体的に、理想の接遇を実現するポイントを挙げてみます。
① 電話応対、受付も接遇を意識する
顔が見えない電話でも、思いやるような言葉がけを心がけ、受診に関して患者さんが必要としている情報は十分に提供しましょう。
受付の対応も、クリニックの印象を左右します。電話や受付は、クリニックの第一印象を決める窓口と考え、丁寧な対応をすることが大切です。
② 挨拶は患者さんより先にする
来院時には、患者さんより先に挨拶をするようにしたいものです。
挨拶は良い雰囲気を作るだけでなく、診療をスムーズに行うために重要です。スタッフ間でも、挨拶は気持ちよく行えるようにしましょう。
また、患者さんが診察を終えて帰宅する時には、「お大事に」などの声がけをするように統一したほうがよいです。
③ 身だしなみを整える
医療機関なので、髪の毛や爪、衣服などには清潔感が求められます。
また、患者さんと接する時の姿勢や言葉遣いも重要です。
上から目線で話すのは論外ですが、あまりになれなれしいのも問題です。
節度を持って接するようにしましょう。
④ 呼び方に注意する
院長先生やスタッフの呼び方を統一するようにした方がよいです。
院長先生か○○先生など、決めておくようにしましょう。
スタッフ同士も、あだ名などで呼ぶことのないように注意してください。
⑤ 患者の呼び方を統一する
患者さんへの接し方や呼び方は、スタッフ全員が同じようにできるように統一した方がよいです。
例えば、子どもは何歳まで○○君や○○ちゃんと呼ぶかなどを決めておきましょう。高齢者に対しては、おばあちゃんやおじいちゃんという呼び方は失礼なので、○○さんと呼ぶように指導しましょう。
⑥ 長く待っている患者への対応を決めておく
待ち時間が長いことは患者さんにとってストレスになります。
待ち時間が30分以上、1時間以上と長くなっている患者さんに対してどのような声がけをするかも決めておくとよいでしょう。
⑦クレームに対しては皆で考える
もし患者さんからクレームが来たら、責任の所在を追求するのではなく、どうすれば改善できるかをクリニックのスタッフ全員で話し合い、考えるようにしましょう。
⑧患者さんにアンケートを行う
患者さんに対して接遇に関するアンケートを行い、クリニックの問題点を意識し、改善策を考えることも大切です。
⑨定期的な接遇スキルアップを心がける
クリニック内での勉強会やスタッフ全員での接遇研修などを行うと接遇のスキルアップにつながります。
スタッフ全員でのミーティングなどを行い、意見を言いやすいような雰囲気作りも大切です。
外部機関による接遇研修や勉強会を有効活用する
理想的な接遇は、一日にして成りません。
そして、接遇レベルは個人差があります。
院長先生や信頼できるスタッフによって指導を行ったとしても、結果につながっているか客観的な評価は難しいこともあります。
最近では、接遇研修や勉強会を提供する会社も増えています。
中には覆面調査を行った上で、個々のスタッフの接遇レベルをチェックし、それぞれに合った研修を提供する会社もあります。
院長先生も含めて、スタッフ全員で定期的に接遇の勉強会に参加するのも、理想的な接遇を実現する1つの方法です。
医師M.S.
