クリニックの害虫対策 安全で清潔な医療環境を守るための方法とは

クリニックは患者さんの健康と安全を
守る場所であり、その環境は常に
清潔であることが求められます。

そのため、害虫の発生や侵入は、
病原菌の媒介や、診療の妨げとなる
可能性があり、クリニックでの害虫対策は
非常に重要です。

この記事では、クリニックにおける
害虫対策について解説します。

害虫の種類とそのリスク

クリニックで見られやすい害虫には、
ゴキブリ、ハエ、ダニなどがあります。

最近ではカメムシの大量発生や、
海外からトコジラミが持ち込まれる機会が
増えたことで、院内への侵入が
確認されるケースも増えています。

それぞれの害虫がもたらすリスクは以下のとおりです。

ゴキブリ

ゴキブリは、足や体に病原体を
付着した状態で動き回るため、
病原体を媒介する細菌付着昆虫として知られています。

特に、赤痢菌や食中毒菌などを媒介する可能性があります。

また、見ただけで嫌悪感を覚える人も多く、
患者さんによる院内でのゴキブリの目撃は
クリニックの評判に関わるでしょう。

ハエ

ハエもゴキブリと同じく、細菌付着昆虫として知られています。

飛び回るため、院内に侵入しやすく、
退治しにくいこと、耳元や周りを
飛び回られることで不快感を与えることも問題となります。

ダニ

ダニはアレルギー反応や喘息を引き起こす原因となります。

特に布製品やカーペットに生息しやすいため、
クリニックの清掃が不十分な場合に増殖することがあります。
特に布製のソファーやカーペットを使用している場合は要注意です。

カメムシ

衛生上の害はないものの、
独特の悪臭があり、敬遠される虫です。

2024年はカメムシが大発生しており、
5月末時点で30の都道府県でカメムシ注意報が出るほどです。
引用元:NHK「カメムシ大量発生中!過去10年で最多ペースの注意報!原因と対策は?」
院内への飛来が懸念されます。

トコジラミ

トコジラミは「南京虫」とも呼ばれる
吸血害虫で、強い腫れやかゆみを引き起こします。

海外から持ち込まれることが増え、
国内のホテルや旅館で確認されることが増えています。

さらに一般の住宅や医療機関でも
被害が確認されており、今後も国内で
拡散する可能性が高い害虫です。

害虫の侵入・発生対策

害虫の侵入・発生に対して、
以下のような予防や対策を講じることが大切です。

清潔な環境を維持する

院内の清掃の徹底が必要です。
食べ物や飲み物の残りを放置せず、
常に清潔を保ちましょう。

スタッフ控室の食べ残しの食品が
害虫の発生源となることもあります。
また、ゴミは適切に管理し、
定期的に廃棄することが大切です。
水回りの管理も重要で、特に水漏れは
害虫を引き寄せる原因になります。

侵入経路を絶つ

網戸の設置やドアシール
(ドアや窓のすき間を塞ぐ部品)
などの使用は、害虫が入りにくい環境を
作るのに有効です。

建物の構造を見直し、
害虫の侵入経路を遮断することも重要です。

駆除アイテムをしかける

患者さんの目につきにくい位置に
粘着シートやハエ取り紙を設置する、
患者さんの入らないスタッフエリアに
ホウ酸団子などの毒餌を置くなどの方法をとりましょう。

また、飛来する害虫に対しては、
クリニック出入口にライトトラップを
設置する方法が有効です。

ライトトラップは虫が誘引されやすい
光を放ち、粘着シートで捕獲したり、
高電圧で殺虫したりするトラップです。

薬剤を使用する

広範囲の殺虫剤の散布は人体への影響が
懸念されるため、薬剤の使用は
限局的に行うことが勧められます。

粘着シートの設置や、
害虫の目撃場所の記録を行うことで、
害虫の発生場所や種類の特定ができ、
効果的な薬剤の選定に繋げることができます。

専門業者へ依頼する

害虫の中には、個人での対策が難しいものもいます。
例えば、トコジラミは家庭用殺虫剤に
耐性を持つものが多く、専門業者に
駆除を依頼するのが確実です。

また、害虫が大量発生している場合にも、
専門業者に任せることが勧められます。

害虫対策はクリニックの衛生環境維持に必須

クリニックにおける害虫対策は、
患者さんの健康と安全を守るために欠かせない要素です。

害虫の侵入・発生への対策を
しっかりと講じることで、
クリニックの衛生環境を維持し、
患者さんが安心して利用できる空間を
提供することができます。

定期的な清掃や、適切な駆除方法の
選定・実施を行い、清潔で安全なクリニックを目指しましょう。

看護師 S.H

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事