医師夫婦なら一度は考える?一緒に開業するメリット・デメリット

近年の女性医師を対象とした調査では、
「パートナーは医師である」と回答した
割合が半数を超えています。 

忙しい医師同士だからこそ、お互いの
ワークライフバランスを考えて
「夫婦で一緒に開業したい」と考えることがあるでしょう。

今回は、医師夫婦が一緒に開業する
メリットとデメリットについて説明します。

約半数の女性医師はワークライフバランスに悩んでいる

日本における女性医師の割合は、
医師全体の2割程度であり、年々
増加傾向にあります。

しかし、千葉県医師会男女共同参画
推進委員会が女性医師を対象に実施
した
アンケート調査によれば、
全回答者656人の
うち約5割の人が
「ワークライフバランスがとれていない・とれているかわからない」
と回答しています。

【参考情報】「男女共同参画についての女性医師の意識調査報告書」千葉県医師会男女共同参画推進委員会  P.12Ⅲワークライフバランスについて
https://www.chiba.med.or.jp/personnel/download/151224.pdf

女性医師が子育てしながら勤務医
として
仕事を続けていくためには、
家族や職場
のサポート、時間外勤務や
当直の免除
といった配慮が必要です。

無床診療所であれば当直や休日出勤
なく、勤務医に比べて労働時間を
短縮
できる可能性があります。

また、夫婦で開業すれば、家庭の
事情に
あわせた働き方ができるため、
お互いが
理想とするワークライフ
バランスを
実現しやすくなるでしょう。

夫婦で一緒に開業するメリット

夫婦で開業すると、下記のように
さまざま
なメリットを得られる可能性があります。

・開業にかかるコストを抑えられる

夫婦別々に開業するよりも、
テナント代や
医療機器のリース代
などが安く抑えられる場合があります

・休診になるリスクが低い

夫婦で同じ診療科の場合には、
どちらか
一人が欠勤する場合でも
休診にする必要が
ありません。

また、病気や出産といった理由でどちらか
一人が長期休業する場合でも、スタッフを
休職させたり解雇したりしなくて済むでしょう。

・ワークライフバランスがとりやすい

勤務時間や勤務日数を自分たちで
決められる
ため、子どもの学校行事や
習い事の送迎、
親の介護など、
家庭の状況にあわせた
勤務調整がしやすくなります。

・患者さんの負担を減らせる

夫婦別々の診療科であれば、患者さんは
二つの診療科を同時に受診できます。

また、夫婦で同じ診療科であれば、
医師一名体制のクリニックよりも
診療に
かかる時間を短縮できるため、
患者さんや家族の負担軽減につながるでしょう。

・防犯やハラスメント対策になる

患者さんからの暴言や暴力行為に
関連する
要因として、
「被害者が女性である」
ということが挙げられます。

男性医師の存在は、院内暴力の抑止
つながり、防犯面でも有利に働くでしょう。

夫婦で一緒に開業するデメリット

一方で、夫婦が一緒に開業する場合
には、
下記のようなデメリットが考えられます。

・待合室や駐車場が足りなくなる

クリニックの広さによっては、
来院者数に
対して待合室が狭く
なったり、駐車場が
足りなくなったり
する可能性があります。

また、夫婦のどちらかが小児科で
開業する
場合には、
「子どもの声がうるさい、走り回って危ない」
といったクレームが発生するかもしれません。

「診察予約システムを導入して院内外での待ち時間を減らす」
「キッズスペースを設けて大人と子どもの待合いスペースを区切る」
といった工夫が必要になるでしょう。

・人件費がかかる

医師二名体制のクリニックでは、
来院者数が
多くなることが予測されます。

スタッフ不足によるインシデントや
クレームを防ぐためにも、余裕をもった
人員配置が必要です。

・立地のよいテナントや土地を選びにくい

夫婦が一緒に開業するためには、
広めの
テナントや土地を探す必要があるでしょう。

地域によっては、立地のよい場所を
選びにくい可能性があります。

・一緒に過ごす時間が長くストレスになる場合がある

夫婦で同じ職場で働いていると、
一緒に
過ごす時間が長くなるため、
ストレスを
感じてしまう人がいるでしょう。

「昼食は別々にとる」
「休憩スペースを分ける」
といった
工夫が必要になるかもしれません。

夫婦で開業するなら十分な話し合いと事前準備を

医師夫婦が一緒に開業すると、
お互いの
ワークライフバランスを
尊重した働き方
を実現しやすくなります。

一方で、経営や診療に対する意見の
食い違いによって、トラブルが
起こる可能性もあるでしょう。

メリットとデメリットを理解した
うえで、
お互いのライフプランや
キャリアプラン
をもとに
「夫婦での開業が自分たちに適しているのか」
について十分検討することが大切です。

一緒に開業するか悩む場合には、
夫婦で開業している先輩医師に
話を聞いたり、
医師会の開業相談に
足を運んだりするのもよいでしょう。

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