お気付きですか?スタッフが負担に思うこと

医療水準の確保やスタッフの定着率の向上のために、
共に働くスタッフの
「働きやすさ」や「居心地の良さ」は
とても大切です。

今回は”スタッフが負担に思っていることは何か”
を考えます。

「休めない」は最大のプレッシャー

クリニック経営において、重要なのが経費の管理。
人件費はかなり影響が大きいですよね。

看護師や医療事務の配置が1人…というところは
多いかもしれません。
実は、担当が1人というのは働く側にとっては
かなりのプレッシャーです。
風邪はひけない、けがもできないということですから。

自分が辛い分には、何とか踏ん張れるかもしれません。

しかし家族に何かが起こったとき、
「仕事か家族か」という選択はあまりに
酷なことではないでしょうか。

自分が休めばクリニックのスタッフや患者さんに迷惑がかかる。
自分が仕事に行けば家族が我慢することになる。
そのどちらかを選ばなければならないというのは、
かなりの負担になります。

多くの医療従事者が再就職を考える際、
給与などの待遇と同じくらい、「休みやすさ」を
重視しています。

結婚や出産を機に現場を離れた看護師などが、
再就職できない原因の1つが
「休めない」というプレッシャーです。

経営者である医師はそれ以上の重圧を背負っている

個人経営のクリニックでは、診療する医師は
1人であることが多いです。

先生が最も大きい重圧を背負っているのです。

医師が休めばクリニックを開けることはできません。
多くの患者さんに影響が出るだけでなく、
医療費の減収にもつながります。

そのプレッシャーの中で日々診療をする先生は、
背中にかかる重さに慣れてしまっているのかも
しれません。

そして、医師が1人でもクリニックを運営する
ことができていれば、積極的に改善しようとは
思いませんよね。
しかし、先生は鉄人ではありません。
その荷物をいつまで背負えるか、
考えたことはありますか?

コロナ禍で浮き彫りになった「仕事を休む」ということ

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行を
踏まえ、厚生労働省などが毎日検温をし、
少しでも風邪症状がある場合は
学校や仕事を休むのが望ましいとしました。

「風邪っぽいなら、休みなさい。」ということです。

これまでは熱があっても働いていた、
働かなければならなった人々が、
半強制的に休まなければならない状況に
なってしまったのです。
これには多くの人が危機感を覚えたのではないでしょうか。

しかし逆の発想をすると、
風邪っぽい程度でも休めていた人は
それほど問題にならないということです。

また、休めないと思っていても、
実際に休んでそれほど業務に支障が出ないと
分かった人もいるでしょう。
先生のクリニックはどうでしょうか?

働きたいのは「代わりはいるけど、自分らしさを
発揮できる現場」

自分にしかできない仕事は、充実感につながります。
その反面、穴をあければフォローできる人がいないということ。

代わりがいる仕事は、誰にでもできる特別ではないものだと
考えがちですが、果たしてそうでしょうか。

周囲が自分の意見に耳を傾けてくれ、
それを業務に反映することができれば、
代わりがいてもやりがいのある仕事になるのです。

自分だからこそできるという側面を持ちつつ、
休んでも周囲に負担がかからない現場こそ、
多くの人が望む環境ではないでしょうか。

一筋縄ではできない働き方改革 経営者の信念が問われている

スタッフを増やすことは簡単ではありません。
マニュアルがあれば、全てのスタッフが同じ質の
仕事ができるわけでもありません。

クリニックの働き方改革は一筋縄ではいかないもの。

そこで問われているのが経営者の信念です。
クリニックとして何を大切にするかということです。

例えば、
医療従事者たるもの、自己管理も職務のひとつと考え、
原則として休まないスタッフをそろえ、
最低限の人数で運営する。
その分を設備投資することで、より良い医療を提供する。

一方で、
医療の質の確保とスタッフの働きやすさを重視するため、
減収をしても十分な数のスタッフを雇用する。
スタッフの余裕がより良い接遇にながり、
結果的には医療の質が向上する、という考えもあります。

どちらが正しいということではありません。

先生はどのようにお考えでしょうか?

コロナ禍を機に「仕事を休む」ということを考える

コロナ禍で多くの企業が働き方を変えざるを
得なくなりました。
医療従事者も例外ではありません。

これを機に、「仕事を休む」ということを
考えてみてはいかがでしょうか。

先生が大切にしているものは何か、
スタッフにとって働きやすい環境とは何か
を見直すチャンスになるでしょう。

看護師M.K.

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