まだまだ先?将来に備えて知っておきたい事業承継の実態

業種問わず後継者不足が社会問題となっています。
医療機関もひとごとではなく、診療所の後継者の
不在率が85%という民間調査データもあります。

今回は、事業承継についてお伝えします。

まだまだ体力的にも年齢的にも関係ない
という方も、いざその事態に直面した時に
焦らないためにもぜひ本記事をきっかけに
早めの準備を検討してみてはいかがでしょうか?

医療機関の現状

医療機関のM&Aは近年増加しています。
その背景には日本の少子高齢化が影響していると
言われています。

代表者の高齢化や後継者不在が理由で
閉院を考える方もいらっしゃると思います。

しかしながら、一般業種と異なり、
地域に医療機関を必要とする患者さんがいることから、
事業承継や後継者不足に悩みながらも、
「地域のために閉じたくても閉じられない」
という医師は日本全国に多いのが現状です。

事業承継を考え始めて
すぐに後継者が見つかることは少なく、
仮に見つかったとしても、
医院スタッフや患者さんの引継ぎ、
届出の手続きなどやるべきことは多くあります。

事業承継のパターンとしては、

  • 後継者へ承継
  • 第三者へ事業承継・M&A

などがありますが、

いずれにしても、ある程度の時間が必要で、
早くから準備をしておく必要があります。

後継者不足は自分には関係無い?

子どもに後を継がせたいと考える方は
多いのではないでしょうか。

しかし、後継者不足は業種を問わず
社会全体の問題となっており、
先ほど述べたように医療機関もまた一般業種と
同じで後継者不足という問題を抱えています。

子どもが医師以外の道に進んだ場合や、
医師の道へ進んだとしても、
大学病院等での勤務医を本人が希望している、
診療科目が違う、または親とは別の場所で
すでに開業したなど、子どもが後継者と
ならない理由は様々です。

昨今は、多様化の時代であり、
子どものいない方も珍しくないでしょう。

子どもが自身と同じ診療科目に進んだため、
医院を継いでくれるだろうと思っていたが、
いざ事業承継が現実味を帯びた段階で
本人には継ぐつもりがなかったと
判明したケースもあります。

幼少期は「クリニックを継ぎたい」と
子どもが言っていたとしても
数年、数十年経つと心変わりしていることも
考えられます。
子どもを自身の後継者に考えている場合は
双方の意思を確認しておくことをおすすめします。

親族間承継

子どもが親と同じ診療科目であれば、
比較的承継しやすいのですが、
異なる診療科目の場合は、
新たな医療機器の導入や内装工事が
必要になることが考えられます。

また、診療科目が変わると患者さんや
一緒に働くスタッフにも影響が出ます。

その点からも、事業承継の準備は
前もってしておく必要があります。

例えば、
継承の数年前の段階から自身の診療科目と
子どもの診療科目の両方を標榜し、
週に何回かは子どもも医院で診察を
行っておくことで、患者さんやスタッフも
承継の際に戸惑うことも少なくなるでしょう。

また、子どもが同じ診療科目の場合も
異なる場合も承継に備えて資金があるに
越したことはありません。

親から子どもへ事業承継となると、
おそらく設備や建物など開業から数十年を
経ていることから、老朽化していると予想されます。
やはり、子どもが城の主として院長になる時は
綺麗な内装、最新設備を揃えたいと
思うのではないでしょうか。

その場合、数百万円から数千万円の出費が
予想されることから、資金の温存や
資金調達を相談できる金融機関を
見つけておく必要があります。

第三者承継・M&A

次に、第三者へ承継するケースです。

閉院が現実味を帯びてきてから、
ようやく第三者承継を決意されたとしても、
既に患者数が減少している場合、
なかなか承継者が見つからないことがほとんどです。

実は、この状況になってから第三者承継を
相談される方がかなり多く、
事前に考えておくべきだった
との声をよく聞きます。

患者数が減少する前に事業承継者を
見つけておくことが理想と言えます。

第三者承継は買い手の立場で考えると
患者数が減少した医院を買うよりも、
患者数を維持している医院を買う方が
承継後の医院経営リスクを軽減できることから
ニーズが高いと言えます。

また、売り手の立場で考えても
事業譲渡価格の交渉において
不本意な譲渡価格の値下げを
する必要がなくなります。

自身の引退のタイミングや基準を
あらかじめ決めておくことが
自身の大切な医院の価値を
守ることに繋がります。

とはいえ、
事業承継をするタイミングが無いまま
閉院を考えないといけないケースも
あると思います。
その場合、譲渡価格が低くても
第三者承継を選択するメリットはあります。

例えば、
賃貸物件の場合は元の状態に戻す必要があり、
工事費用など出費が発生します。

自己不動産であっても、
不動産を売却や賃貸しない限り、
固定資産税などの維持コストはかかり続けます。

医療機器・薬品などは、
専門業者に処分してもらう必要があります。

極端な話、譲渡価格が1円であっても
事業譲渡が成立すれば、閉院コストを
負担する必要が無くなります。

さいごに

数年先、数十年先のことですが、
自身の引退は誰しもがいつか直面します。

事業承継を今すぐしましょう、
というわけではありません。

ただ、将来の選択肢やライフプランを考え、
前もって準備をすること、
引退方法をイメージしておくことが大切です。

会計事務所、コンサル会社、
金融機関など事業承継や
M&Aの相談を受付している先も多く、
一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

記事提供者
シャープファイナンス株式会社 N・N
https://www.sfc.sharp.co.jp/
医療業界での長年のネットワークを活かし
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シャープファイナンスサポートデスク(医療福祉チーム)

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