集患にも効果的!フレイル対策教室で健康寿命延伸に貢献しよう

今や病気は治すだけでなく、
予防する時代になりました。

日本では少子高齢化が進み、
2040年には団塊ジュニアが
高齢者となります。

働く意欲のある高齢者が、
社会の担い手としてより長く
活躍できるよう、予防にも目を向けた
クリニック運営をすることが求められます。

そのための具体的な方法をご紹介します。

「健康寿命延伸」イコール「フレイル対策」

フレイルとは、加齢に伴い心身の機能が
低下している状態をいいます。

そのまま放置すると、寝たきりなどの
要介護状態になる危険性があります。

フレイルは適切な対処を行えば、
健康を取り戻せる状態でもあるため、
予防・対策をすることは健康寿命の
延伸には欠かせません。

フレイル予防のため、各自治体では
65歳以上の高齢者向けに介護予防教室を
開催しています。

「通いの場」という、住民主体の
介護予防につながる取り組みも
すすめられていますが、参加率が低いのが
現状です。

また、近年の調査では高齢者だけでなく、
若い世代の方でもフレイル状態の人が
いることがわかってきています。

今後はコロナ禍による身体活動の低下から、
より幅広い年代に向けてフレイル対策が
必要になってきます。

クリニックでフレイル対策をするには

地域に根ざしたクリニックで
フレイル対策を行うことができれば、
地域住民の健康寿命を
引き上げることにつながるでしょう。


フレイル対策教室として、
以下のような内容が勧められます。

■足腰を鍛える運動

「足腰を鍛えましょう」「歩きましょう」
と医師から指示があっても、具体的に
どうすればよいのかわからない
と訴える患者さんは多いです。

クリニックの空きスペースなどを利用し、
自宅でできる運動の紹介を行うと、
より効果的にフレイル対策ができるでしょう。

指導は、健康運動指導士(安全で効果的な運動を
実施するための運動プログラム作成および
実践指導計画の調整等を行う者)や
理学療法士にお願いするとよいですね。

■お口の健康のはなし

意外に見落としがちなのは、口腔機能のケアです。
生活習慣病やフレイルが、お口の健康状態と
関わりがあることはあまり知られていません。

歯科衛生士を講師に迎えて、
お口の健康のはなしを行ってもらうと
よいでしょう。


■栄養のはなし

「これを食べたら元気になる!」など、
世の中には栄養の情報があふれています。

しかし、何をどれだけ食べたらよいのか、
具体的なことを知っている人は
少ないのが現状です。

高齢になると自然と食事量が減ってくることが
多いです。

また、好きなものや食べやすいものを
食べる傾向が出てくることによって、
低栄養になりやすいと考えられています。

管理栄養士による正しい知識の
啓発を行うことで、より信頼を
得ることができるでしょう。

■認知症予防教室

2025年には認知症高齢者は、
約 320 万人になると推計されます。

認知症はだれもが発症する時代となりました。

楽しんでできる脳トレ教室を行うことで、
クリニックに気軽に足を運べる
きっかけになります。

具体的には、認知症予防運動プログラム
「コグニサイズ」など、
体を動かしながら脳トレを行う
プログラムもあります。

指導は健康運動指導士や
作業療法士などにお願いするとよいですね。

教室を開催するためにすること

フレイル対策の教室を開催するに
あたって必要なのが、
講師探しと開講の告知です。

■講師をさがす

せっかく内容のよい教室を企画しても、
講師がいないと開催できません。

講師の探し方は以下を参考にしましょう。

・大手フィットネスクラブのプランを利用する

大手フィットネスクラブでは、
フィットネスクラブの運営以外に、
自治体や介護施設、企業にスタッフを
派遣して運動指導を行うなど、
さまざまなサービスを展開しています。

講師個人と契約するよりも
価格は高くなりますが、
ノウハウを持っている分、
さまざまなサービスを依頼することが
できます。

・クリニックのホームページで募集

定期的に教室を開催するのであれば、
講師を募集するのという手も。
業務委託という形で契約しておくと、
いざ教室を開催するときに安心です。

・クリニックのスタッフに紹介してもらう

クリニックのスタッフには、主婦の方が
多いのではないでしょうか?
ママ友つながりで紹介してもらうのも
ひとつです。

予め講師の人柄などを知ることが
できるので、信頼できる講師を
見つけやすいです。


■教室の参加者の募集方法

講師探しができたら、次は開催の告知です。

クリニックのホームページ、
クリニックの掲示板、自治体の広報などを
利用して幅広く参加者を集めましょう。

人数限定で予約制にすれば、
事前準備がスムーズに行えます。

参加者の年齢層や男女比などの
情報を前もって講師に伝えておけば、
教室の進行もスムーズに行うことができます。

■教室開催の費用

教室はクリニック内で行えば、
会場代はかかりません。

主に、講師料が教室に必要な費用になります。

教室参加者に参加費として
一部負担してもらえば、必要経費を
抑えることができます。

講師料は、依頼先や講師によって
まちまちですが、1時間5000円(交通費別)
から依頼できる場合も。

コロナ禍では少人数開催を

コロナ禍では、大人数での開催は難しいため、
例えばワクチン2回接種者のみ対象で、
換気に気を付け、少人数での開催にする
など対策を講じる必要がありそうです。

少人数での開催だと採算が取れない
という懸念はありますが、試用期間として
少額もしくは無料開催して、
参加者にアンケートをお願いするのも
いいですね。

ウィズコロナ・アフターコロナを
見据えた集患対策を講じていきましょう。

フレイル対策教室の開催で地域に開かれたクリニックに

大阪府のフレイルに関する
調査結果によると、
「フレイル」という言葉を「知らなかった」
と答えた人は約 6 割でした。

コロナ禍で自宅で過ごすことが多く、
身体活動の低下からフレイルに
該当する人が増えると予想されます。

フレイル対策教室の開催をきっかけに、
より地域に根ざしたクリニックとして
認知され、集患に結びつくことが期待できます。

患者さんにも、クリニックにとっても
メリットの多いフレイル対策教室。

コロナ禍だからこそ、感染対策を
取った上で、地域の皆さまの健康維持・増進のため
開催を検討してみてはいかがでしょうか?

管理栄養士、健康運動指導士 M.I.

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