<予算ゼロで定着率UP>看護師のモチベーションを高める待遇改善

「看護師の離職が続いているが、
これ以上給与や賞与を上げる余裕はない……」
このような悩みを抱える先生は少なくありません。
慢性的な人手不足が続く医療業界では、
看護師の確保と定着は重要な課題です。

しかし、クリニックでは、
給与や賞与といった金銭的な待遇改善に
限界があるのも事実です。
そこで、給与以外でできる
「心理的報酬」や「職場環境の工夫」に
目を向けることで、
看護師の満足度やモチベーションを高め、
定着率の向上を図ることができます。

今回は、コストをかけずに実行できる、
看護師のモチベーションアップにつながる
待遇改善のヒントをご紹介します。

退職理由の”本音”は給与ではない?

看護師の離職理由には、
経営者には見えにくい”本音”が隠されています。

最近の調査によると、
職場に伝える退職理由”建前”の1位は
「転居や家庭の事情」ですが、
本当の理由、”本音”の第1位は「人間関係」でした。
給与への不満よりも、
人間関係や業務負担といったストレスが
離職の決定打になっているのです。

また、日本看護協会の調査では、
離職理由として「精神的な健康不調」
「休暇の取りにくさ」が上位に挙がっています。

つまり、給与額以上に「働きやすさ」や
「心理的安全性」の待遇改善こそ、
最も効果的な離職防止策かもしれません。

 参照元:レバウェル看護「看護師の定着支援に向けた実態調査」PDF
     日本看護協会「2024年病院看護実態調査報告書」PDF

待遇改善のヒント3選

給与や休暇の改善以外にできる
待遇改善のヒントを3つご紹介します。

1. 「ありがとう」を見える化する仕組みづくり

「自分の働きが誰かの役に立っている」
と実感できたときに、人はやりがいを感じます。
それは看護師も例外ではありません。
そのための第一歩として有効なのが、
感謝の言葉を「見える化」する工夫です。

たとえば「サンキューカード」や
「感謝ボード」を導入し、スタッフ同士が
日々の小さな気遣いや協力に対して
気軽に感謝を伝え合えるようにします。
カードやボードが手間な場合には、
朝礼や終礼などで、
「〇〇さん、今日の急患対応ありがとう」
「□□さんが資料をまとめてくれて助かりました」
など、スタッフが全員いる場で
感謝を言葉にするのも効果的でしょう。

このように言葉が可視化されるだけで、
職場の雰囲気が温かくなり、
互いの存在の重要性を実感できるようになります。
また、承認・称賛し合う習慣を身に付けることは
看護師の成長にもよい影響を及ぼすでしょう。

 参照元:『フィッシュ哲学』推進による職場環境改善への検討 -サンキューカードの内容の分析より- PD

2. 貢献を認める「姿勢評価」型のインセンティブ

金銭的なインセンティブに頼らず、
看護師の努力や貢献を評価し、
フィードバックする仕組みを取り入れることは可能です。

「頑張っているのに誰も見てくれない」
という孤独感はモチベーションを大きく下げます。
そのため、業務の”成果”だけではなく
“取り組む姿勢”や”成長意欲”に
焦点を当てた評価の仕組みが必要です。

具体的には、月に1度15分程度で、
院長や看護師長がスタッフに
簡単なフィードバックを行い
「こんな点がよかった」
「この仕事ぶりは患者さんからも好評でした」
といった具体的なコメントを伝えます。
また、業務で困っていることをヒアリングするのも良いでしょう。

特に目立った活躍があった場合は
「今月のサポート賞」「声かけ賞」などの
小さな表彰を設けるのも効果的です。
景品を用意しなくても、
名前を掲示板に載せるだけで
本人の自信ややる気につながります。

3. 小さな「選択肢」が自律感を生む

モチベーション理論の中には
「自分で選べること」が意欲を高めるとする考え方があります。

クリニックでも、以下のような
小さな選択肢の提供が自律感を支えます。

  • 研修や勉強会など、学習機会の選択肢を提供する
  • ユニフォームの色やシューズの種類を複数から選べる
  • 月1回、役割ローテーションの希望を出せる

こうした裁量のある働き方は、
看護師の満足度と定着率の向上に
大きく貢献するでしょう。

 参照元:コーチングガイド「モチベーションを理論化した「自己決定理論」とは?」

感謝・承認・選択の工夫で看護師の定着を支える

看護師の待遇改善というと
「給与を上げなければ辞めてしまう」
と考えがちですが、実際には
「感謝されていない」
「評価されていない」
「やりがいがない」
と感じることが、
退職のきっかけになるケースも少なくありません。

給与以外の小さな工夫を積み重ねることは
看護師が「ここで働いていてよかった」と
思える職場づくりにつながります。
看護師自身の心の余裕は
患者さんへの対応の向上につながり、
満足度向上やクリニック経営の安定にも
つながっていくでしょう。

看護師 S.H

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