感じが良くて、任された仕事以外のことも
テキパキこなすスタッフ。
クリニックに欠かせない存在です。
しかし気をつけないと、
その人に大きな負担がかかっている…
ということもあります。
今回は頼りになる人への配慮と
負担軽減策についてご紹介します。
できる人ほど仕事を増やしがち
能力のある人は、他の人より
多くの業務をこなすことができます。
誰かを手伝ったり、頼まれていなくても
気がついた仕事をしたりなど、
その人がいると周りの人は本当に助かることでしょう。
仕事ができる人は、
決まった時間内にできる業務量が多く、
必要なことを見つける能力もあります。
つまり、常に仕事を見つけて動いている状態です。
できる人ほど自分の仕事を増やしてしまいがちです。
しかしそんなスタッフでも完璧ではありません。
体調がすぐれない、気分が落ち込むという日もあるでしょう。
それでも業務量を減らせないという特徴もあります。
自分が期待されている、それに応えたい、
と考えて業務を増やしてしまい、
能力のある人は自分で自分の首を絞めがちなのです。
「助かる!」は気付かぬうちに当たり前になる
できる人は本当に「助かる!」ということをしてくれます。
周囲も「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるでしょう。
しかし危険なのは、『特別』は続くと
『当たり前』になってしまうということです。
例えば、院内に掲示するポスターを
看護師Aさんが作成してくれたとします。
ポスター作成はAさんの基本業務にはないものです。
「私、できそうなので家で作ってきますよ」
と快く引き受けてくれました。
みんなが納得する出来栄えで、
「めでたしめでたし…」ではありません。
次にポスター作成が必要になった際、
おそらく白羽の矢が立つのはAさんでしょう。
何回か繰り返すうちに
「ポスターはAさんに頼めば良い」
という雰囲気になってしまいます。
しかしAさんは看護師で、
ポスター作成は業務外のはずです。
その上自宅で作成しています。
周囲がそれを忘れてしまうと、
Aさんは負担に感じてしまうかもしれません。
名もなき仕事に要注意
このようなことが起こりやすいのが、
誰かのものと位置付けられていない業務です。
- ポストから郵便物を取り出す
- トイレットペーパーの補充
など、気づいた人が行うような些細な家事は
いちいち名前がついていないため、
「名もなき家事」といいます。
それと同じように、クリニックには
「名もなき業務」がたくさんあります。
例えば、
- 雨が降ってきたら傘立てを出す
- 患者さんが読み終わった雑誌を戻す
- 郵便物を確認して不要なものは捨てる
- 休憩室のテーブルを片付ける、など。
できる人はたくさん気づいて
すぐに行動するので、
いつもその人が行なっている…
という業務はないでしょうか?
ひとつひとつは小さなことでも、
積もれば結構な業務量になります。
誰も気づいていないけれど、
その人の負担になっているかもしれません。
具体的な負担軽減策をご紹介
できる人の負担を減らすために、
すぐできる方法を3つご提案します。
1. スタッフの時給をアップする
これはとても分かりやすいです。
しかし誰の時給をどの程度アップするか、
どのように基準を設けるのか、難しいかもしれません。
スタッフは「仕事」としてクリニックにいます。
賃金が上がれば「自分は認められている。
必要とされている」と感じることができるでしょう。
2. 名もなき業務の担当者を決める
気づいた人が行うのではなく、
あらかじめ振り分けてしまいます。
誰がどのようにすれば負担が少なくなるか、
スタッフで話し合って決めてもらうのも良いでしょう。
「名もなき業務」の話題があがるだけで、
密かにこなしていた人は
「気づいてくれた」と思うことができるでしょう。
3. イレギュラーな業務は値段提示してスタッフにお願いする
先ほど例に挙げた院内掲示のポスター作成を
1枚3,000円でAさんにお願いする、という方法です。
他にも、
- 院内研修の準備 1回1,000円
- 糖尿病のパンフレット作成 10,000円
など、お願いする業務の時間や
どのような能力を要するのか、
アウトソーシングすべきか、
などを検討することもできます。
まとめ
感じがよく仕事ができる人は、
自ら考え、どんどん仕事を増やしていきます。
それはクリニックにとってありがたいことです。
しかしそれは当たり前ではありません。
できる人ほど負担が大きくなってしまうことを認識し、
改善策を講じてみてはいかがでしょうか。
仕事ができるスタッフを大切にすることで、
生き生きと働くことにつながるかもしれません。