退職理由に「前向きな理由」「私生活の事情」が多いクリニックは要注意!

スタッフが退職を申し出たとき、
その理由に注目し、詳しく話を聞いていますか?

「そうは言っても、
多くは一身上の都合とか家庭の事情とか。
本人が話したがらない感じもあるし…」
と思うかもしれません。

今回は、打ち明けにくい「退職理由」に着目した内容です。

「前向きな理由」「私生活の事情」には要注意

  • 専門性を身に着けるため学校に通う
  • 新しいことにチャレンジしたい

などの前向きな理由。

  • 子育てに専念したい
  • 家族が要介護状態になった

などの私生活の事情。

これらは退職理由あるあるです。
さらに、クリニックでは
これらを対処することはできませんので、
「分かりました」と退職希望を受け入れ、
退職日や引き継ぎ等の業務調整を
行うことになるでしょう。

ごく一般的な流れですが、
これでは退職するスタッフの本心は
分からないままです。

しかしその理由を明らかにしなければ、
クリニックの問題がより深刻化してしまうかもしれません。
その上、退職するスタッフもモヤモヤを
抱えたまま辞めることになるかもしれません。

お互いのためにも、退職理由を明らかにすることが重要です。

辞める本当の理由は打ち明けにくい

就職や転職サイトを運営する大手企業の
調査では、退職時に本当の理由を
伝えなかった人は全体の40%強という結果があります。
円満退職を目指すがあまり、
本心を伝えられない人が一定数いるようです。

「◯◯さんからの指導が強すぎて、
    精神的に参ってしまった」
「残業が多くてヘトヘトになってしまう」
「勤務内容に対して給与が低いと感じる」
「成長を感じられず、将来が不安だ」
「自由に意見を述べられる雰囲気がなく、
    やりがいを感じられない」
これらの主張は単なるワガママだと
考える人もいるでしょう。
忍耐力が足りないとする人もいるかもしれません。

しかしどんな理由であれ、
その人にとって重要であるからこそ
退職を決心したのです。
他の人には大したことはないことでも、
ある人にとっては大きな負担に
なってしまうことがあります。

医療従事者は責任感が強く、
真面目で献身的な人が多いため、
我慢しようとする傾向があります。
しかも「自分に非があるのではないか?」と
感じたことを打ち明けずにいるかもしれません。

さらに「クリニックの批判になるのでは?」
と言われた側の反応を考え、
「口にするのはやめておこう…」と
なってしまいます。

このように辞める本当の理由を話したがらない人がいるのです。

去る人からこそ学びがあります

本来はどのような事情であっても
退職を責めることはできません。
そして上記のような理由の場合、
退職者だけの問題ではないのです。

クリニックの勤務体制や福利厚生、
スタッフの振る舞い、
一定の価値観を押し付ける雰囲気など、
辞める人だからこそ気づいた問題があるかもしれません。

「前向きな理由」「私生活の事情」などの
よくある理由で退職するスタッフを
減らすためにも、丁寧なヒアリングを行い、
去る人から学ぶことが大切です。

ここで気をつけたいのが詰問にならないことです。

退職者の考えや気持ちを批判せずに受け入れ
「今後に役立てたいので」とお願いするのが良いでしょう。
そうすれば退職者は安心して話すことができます。

以下は筆者の体験です。

退職理由を上司に伝えたところ、
「ありがとう」と言われたことがあります。

「スタッフ間のビジョンの共有が不十分で、
業務において自分が必要だと考え
行動したことが相手に伝わらない。」
「仕事自体にやりがいを感じているが、
《何のために》という根本的な
すれ違いの中での勤務は難しい。」
このように思い切って本心を伝えました。

すると上司も同様の問題意識を持っていたことが分かりました。

正直、退職理由を一身上の都合と
説明しようか迷ったのですが、
はっきり伝えたことで私も上司もお互いに
スッキリすることができました。

まとめ

「前向きな理由」や「私生活の事情」を
理由とする退職が多いクリニックは注意が必要です。
もしかしたらスタッフの本心とは
異なる理由かもしれないからです。

給与や勤務時間などの体制や、
人間関係が理由である場合、
クリニック側にも改善すべき点があるといえます。
退職理由を丁寧にヒアリングすれば、
クリニックの業務改善につなげることができます。

そしてスタッフも気持ちよく退職することができます。

円満退職とクリニックの成長のため、
本記事でご紹介した方法を
試してみてはいかがでしょうか。

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