理解が深まる!患者タイプ別の健診結果説明法

健診は、結果を伝えるだけでなく、
患者さんの今後を変えてこそ意味があります。

しかし、患者さんの中には、毎年健診結果で
同じ項目にチェックが入る人、説明を
していても面倒くさそうな反応をする人もいるでしょう。

そこで、患者さんを行動変容に導く
ためには、健診結果を自分ごととして理解
してもらうための「伝わる説明」が大切です。

患者さんの性格を4つのタイプに分けて、
効果的な説明法を解説します。

4つのタイプに分けた効果的な説明法とは?

同じ説明をしていても、患者さんの
受け止め方は千差万別です。

説明に飽きる人、細かいことが苦手な人、
もっと詳しく聞きたい人など、さまざまな
タイプの人がいます。

準備した健診結果をすべての人に同じように
説明しても、あまり効果的とはいえません。

そのため、患者さんがどのような人柄か、
どのように理解するかに応じて対応を変えることが必要です。

相手の性格や人となりがわかっていれば、
患者さんに合った説明を行い、行動変容に導けることでしょう。

ここでは、全体的な進め方と効果的な
データの伝え方を、国民的漫画
「サザエさん」のキャラクターを例に解説します。

■サザエさんタイプ

サザエさんタイプの人は、社交性があり、
活動的で話好きといった特徴があります。

話好きであるがゆえに、いつも会話の
主導権をとり、話を聞いていないことなどもあります。

サザエさんタイプの人に健診結果の説明を
行うときは、相手個人に興味を示すような
質問をしたり、意見を分かち合いながら
進めたりするとよいでしょう。

一方的な説明は、退屈になって飽きられて
しまうことも。

データを伝えるだけでは素っ気ない印象を
与えてしまうため、他の人の経験や
コメントを紹介したり、身近な例えを
多く使う工夫をするとよいでしょう。

■波平さんタイプ

波平さんタイプの人は、目的意識や意思が
固く、はっきり主張する特徴があります。

相手の話が長くなるとイライラして結論や
結果を求める、せっかちなタイプの人です。

波平さんタイプの人に健診結果の説明を
行うときは、目的やゴールを明確にし、
結論から説明するようにしましょう。

「だいたい」というあいまいな表現が
苦手な傾向があるため、必要最低限の事実、
データを明確に説明するようにします。

健診結果の説明を始めるにあたっての
導入場面では、目的と所要時間をあらかじめ
伝え、具体的な行動に結びつくように説明しましょう。

たとえば、肝機能数値が高い人だと、
考えられる生活習慣を明確に伝え、
具体的にどのように改善したらよいかを
端的に伝えるとよいでしょう。

■フネさんタイプ

フネさんタイプの人は、計画的で几帳面、
正確な対応をする特徴があります。

具体的には、話を聞くときにメモを取り、
資料をじっくり読みながら聞くタイプの人です。

フネさんタイプの人は、ゆっくり正確に
順序だててすべてを話そうとし、
聞くときには細かいことも質問して、
情報やデータを多く求める傾向があります。

そのため、フネさんタイプの人に内容の乏しい
説明をすると、ストレスを感じさせてしまう
ことにもなりかねません。

健診結果の説明をする際には、目的とする
内容に絞って、事前に十分な情報を用意するようにします。

例えを使う場合は、事実をできるだけ
入れるようにして、説得力のある説明をしましょう。

■マスオさんタイプ

マスオさんタイプの人は、人の話をよく
聞き、協力的で感受性が高い特徴があります。

自分が話すときには、落ち着いた声で
ゆっくり話すため、早すぎるペースで
説明すると、ストレスを感じさせてしまうことも。

健診結果の説明をする際は、相手を
理解するための質問をしたり、話す内容を
穏やかに聞くようにしましょう。

データや事実だけでなく、患者さんに
どのように関連するか、具体的な説明や、
個人の意見やコメントも加えると、
理解を深めてくれることでしょう。

まとめ:性格は千差万別!患者さんの特徴を観察して効果的な説明を

「サザエさん」の登場人物をたとえに、
4つの性格タイプに分けて、効果的に
健診結果の説明を行う方法を解説しました。

患者さんの性格タイプを見分けるためには、
話し方や聞き方、しぐさなどをよく観察することが大切です。

患者さんに健診結果の内容を理解して
もらい、行動変容に導くことは、
信頼関係を築くことにもなります。

健診結果の伝え方を
「伝える」から「伝わる」ように工夫を
重ねて、集患率をアップしましょう。

薬剤師 M.I

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