郊外や地方に住む人にとって、
クリニックを受診する際に気になるのが
駐車場です。
駐車場への出入りや、駐車が
しにくかったりすると、利用しづらい
クリニックという印象を与えることに
なりかねません。
患者さんに喜ばれる、駐車場の
工夫ポイントを詳しく解説します。
もくじ 駐車場は重要な集患ポイント 駐車しやすさに関わるポイント ■駐車スペースが明示されている ■駐車スペースが広い ■駐車場の出入りがしやすい ■駐車場内の移動がしやすい 車からクリニック内への行き来のしやすさに関わるポイント ■路面や通路に段差がない ■雨に濡れない ■駐車場からの移動距離が短い ■通路と車路が分かれている 利用しやすい駐車場で集患効果アップへ |
駐車場は重要な集患ポイント
公共交通網の発達している都心とは違い、
車必須の郊外では駐車場の利便性が
集患に大きく影響します。
駐車場の出入りのしやすさ、
駐車しやすさはもちろんですが、
高齢者や乳幼児、歩行が困難な状態の
受診者にとっては、車を降りてから
クリニック内に入るまでの移動の
しやすさというのは重要なポイントです。
利便性の高い駐車場は、クリニックに
欠かせない設備になっています。
駐車しやすさに関わるポイント
■駐車スペースが明示されている
駐車スペースは、白線を引くことで
駐車スペースを明示でき、
車同士の間隔の空きすぎや詰めすぎ、
車両動線や歩行動線を塞いだ駐車を防げます。
また、各駐車スペースの後方に車止めや
段差が設置されていれば、駐車の際に
止まるべき位置がわかりやすく、
事故の予防にもなります。
■駐車スペースが広い
高齢者や傷病者が乗り降りするには、
ゆったりした駐車スペースが必要です。
「駐車場ユニバーサルデザインガイドライン」では、
ゆったり駐車スペースとして
幅2.7m以上、奥行5.4m以上にすることが
望ましいとしています。
幅が2.7m以上確保されていれば、
ドアをフルオープンにしても
隣の車にぶつからず、乗り降りが
楽になります。
■駐車場の出入りがしやすい
駐車場の出入口が狭いと、
出る車と入る車のどちらかが進路を譲る
必要があり、トラブルや事故の原因に
なる可能性があります。
特に交通量の多い道路に面している場合、
駐車場入り口が狭いと後続車が渋滞する
原因にもなります。
■駐車場内の移動がしやすい
駐車場が袋小路になっていると、もし
駐車スペースが空いていなかった場合に、
身動きがとれなくなるため、
環状に移動できるようにするか、
方向転換できるゆとりを設けておきたい
ところです。
車からクリニック内への行き来のしやすさに関わるポイント
■路面や通路に段差がない
受診者が車から降り、クリニック内に
入るまでの路面や通路には段差が
ないことが望ましいです。
段差がある場合は、スロープを設置しましょう。
■雨に濡れない
入り口前に車寄せスペースを設けたり、
駐車場からクリニックまで
屋根を設置したりすることで、
雨や雪などの天候に左右されることなく、
安全に車内からクリニックまで移動できます。
■駐車場からの移動距離が短い
クリニックと駐車場の距離が近いほど、
受診者の負担は減ります。
特に道路をはさんで
クリニックと駐車場が分かれている場合、
道路を渡るタイミングを見計らったり、
子どもが道路に飛び出さないように
注意を払ったりする必要があります。
■通路と車路が分かれている
車両動線と歩行者動線はできるだけ
分けることが望ましいです。
動線が交わるところが多いと、
混雑や事故の元になることもあります。
利用しやすい駐車場で集患効果アップへ
駐車しやすく、車内からクリニック内に
行き来しやすい駐車場は、受診者の負担を
減らし、受診しやすいクリニックとして
集患効果が期待できます。
さらに、駐車場内での事故防止にもつながります。
立地や施設構造などから大きな変更は
難しいとは思いますが、駐車場の
利用状況を確認し、一部だけ対策をして
みるなど、駐車場の環境を一度見直して
みてはいかがでしょうか。
看護師 S.H.
(参考文献)
東京都道路整備保全公社 駐車場ユニバーサルデザインガイドライン
https://www.tmpc.or.jp/Portals/0/images/03_business/independence/index_02/ud_guideline.pdf
駐車場設計・施工指針について – 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/19920610tyuusyajou.pdf