選ばれるクリニックになるための口コミの重要性

多くの人は、クリニックが提供する一般的な情報よりも、
実際に受診した人の情報の方が信頼できると
考えているといわれています。

他のクリニックと比較して
選ばれるようになるためにも、
実際に受診した人の情報である口コミは
無視できない要素です。

最近では、インターネットやスマートフォンの
普及により、口コミをすぐに検索し、
見ることができるようになり、
口コミの影響力の大きさは増しています。

今回は、口コミによる影響力や良い口コミを
増やすための対策などについて
わかりやすくまとめます。

口コミとは?なぜ人は口コミをするのか?

口コミの「コミ」は、コミュニケーションの略で
マスコミをもじって作られた造語ともいわれています。

口コミとは、本来はうわさや評判などを
口伝えに広めることです。

しかし最近では、
インターネットやスマートフォンの普及により、
口伝えよりもネットワーク上のサイトや
掲示板などに書き込まれる口コミの影響力が
大きいといっても過言ではありません。

クリニックを開業したばかりの頃には、
ホームページや広告によって患者さんを
集めることができます。

しかし、しばらくすると実際に来院した患者さんや
その家族による口コミが患者数の増減に
影響を与える可能性が高くなります。


ところで、なぜ人は口コミをするのでしょうか。

口コミをする人は、
自分が提供する情報には価値がある、または
価値のある情報を教えてあげたい
という心理があると考えられています。

口コミの影響力とは?悪い口コミがないことが大切

実際に、口コミがクリニックに与える影響とは
どのようなものでしょうか。

当たり前ですが、悪い口コミがあれば患者さんの
足は遠のきますし、良い口コミが多ければ
新規患者さんの獲得にもつながります。

口コミというと、患者さんや家族などによる
一方的な評価と考える先生も多いかも
しれませんが、口コミから得られる情報もあります。


まず、患者さんのクリニックに対する希望が
わかりますし、患者さんに来院したいと
思わせるための要素も検討できます。

もし悪い口コミがあったとしても、
落ち込みすぎないようにしましょう。

価値観は人それぞれなので、万人に良いと
されることはなかなか難しいものです。

むしろ悪い口コミがあった時には、
クリニックの改善点がわかるチャンスと捉えたいものです。


ただし、悪い口コミが多すぎるのは問題です。

患者さんがクリニックを受診する前の心理として、
良いクリニックに行きたいというよりは、
悪いクリニックに行きたくない
という気持ちが強いといわれています。

そのため、受診する前から悪い口コミが多い
クリニックには、あえて足を運ばない可能性が高いです。

選ばれるクリニックになるためには、
悪い口コミが少ない、または悪い口コミがないことが大切です。

良い口コミを増やすための対策6つ

口コミは一方的に患者さんや家族から
評価されるだけで、コントロールできない
と考えている先生も多いかもしれません。

しかし、日頃の接遇や意識、情報提供の仕方を
少し変えるだけで良い口コミを増やすことができます。

良い口コミを増やすための対策方法をいくつか紹介します。

① クリニックに対する口コミを調べる

まずは、クリニックに対する口コミを調べてみましょう。

クリニック名、評判、口コミ、などのように
インターネットで入力して検索すると出てくるはずです。

もし悪い口コミがあれば、
明らかに悪質な内容でなければ改善点がわかります。

また、良い口コミであっても、
文章の最後などに例えば
「もっと待ち時間が短ければ、なおよい」
と記載されている場合には、
それも改善点となります。

定期的にクリニックに対する口コミを調べて、
院長先生だけでなく、クリニックの
スタッフ全員にフィードバックするようにしましょう。

口コミをもとに、
どのように改善していけばよいか
話し合うような場を設けるのもよいです。

② 誰にでも見られているという意識をもつ

院長先生だけでなく、クリニックの
スタッフ全員が、いつも誰にでも見られている
という意識をもつことは意外に重要です。

患者さんに対して感じがよくても、
スタッフに対する態度が悪かったり、
スタッフ同士の言葉遣いが良くないと
クリニックにとってマイナスになります。

また、患者さんは他の患者さんに対する
スタッフの態度を見ていることも意識しましょう。

③ 受付での対応も重要視する

クリニックの口コミを決める要素として、
院長先生の診療態度や診療技術だけではなく、
受付での対応も重要です。

なぜなら、患者さんは受付に寄る回数が多いからです。

来院時、再診予約時、会計時に加えて、
質問がある場合にもまず受付に
尋ねることが多いのではないでしょうか。

健康に不安を抱えているような時は特に、
相手の態度に敏感になるので
受付での対応は重要になります。

④ 身近に感じてもらえるような工夫をする

院長の理念がいくら素晴らしくても、
スタッフがスムーズな診療のために
努力をしていても
患者さんに伝わらなければ意味がありません。

地域で慕われるクリニックになるためには、
来院した患者さんに親近感を持ってもらうことも大切です。

例えば、

  • 今月のクリニックの目標を掲示板に貼る
  • 待合室などで見ることができるように写真付きでスタッフ紹介をする
  • スタッフのアイディアで作成した院内報を待合室に置いておく

というような方法があります。

⑤ 近隣の薬局とも良い関係を築く

時に、近隣の薬局に対して
態度があまりよくないクリニックがあります。

近隣の薬局と良い関係が築けていないと、
患者さんにも伝わってしまい
クリニックの評価を落とすきっかけになります。

⑥ 定期的に患者アンケートを行う

定期的に、患者さんにクリニックの評価に
関するアンケートを行い、
集計するようにしましょう。

アンケートの回答は、口コミと同じと考えてよいです。

良い口コミを広めてもらうための
改善点が見える可能性が高いので、
結果を真摯に受け止め
クリニックのスタッフ全員に
フィードバックするようにしましょう。

悪意のある口コミを削除する方法

人の価値観は千差万別なので、
時に悪い口コミをされることもあります。

しかし、中には明らかに悪質で
誹謗中傷のような口コミが掲載される場合があります。

クリニックとして、あまりに見過ごせないと
判断した場合には悪意のある口コミを
削除してもらう方法があります。


具体的な方法を説明します。

まず、口コミの削除を希望する場合には、
事業者(プロバイダー会社や掲示板の管理者)に
削除を依頼します。

依頼があった事業者は、口コミの投稿者に内容を確認します。

7日間経過しても、口コミの投稿者から
反論がなかった場合に、事業者側が
その口コミの公開停止、削除をすることができます。


注意しなければならないのは、この方法は
プロバイダーが介在しない掲示板には
適用できないことです。

また、グーグルでクリニックを検索したときに
表示されるグーグルマイビジネスの口コミは
基本的に削除できません。

ただし、明らかに口コミのガイドラインを
違反していると判断されれば
削除してもらえる場合もあるので、
通報してみるとよいかもしれません。


最後に悪意のある口コミを削除する方法を
まとめましたが、口コミの内容をあまりに
気にしすぎて落ち込み、診療に影響しては本末転倒です。

反省すべき点は反省して、今後に活かせばよいと
前向きに捉え、気にしすぎないようにしましょう。

医師M.S.

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