院内の空気が変わる!小児科クリニックへの保育士配置

小児科では、患児1人に多くのマンパワーが
必要になることも少なくありません。
全力で逃げようとしたり、泣き叫んだりと、
聴診器をあてるだけでも一苦労でしょう。

看護師は、別の子の問診に行ったり、
検査や予防接種で手が空かないことも。

そんなときに頼りになるのが、
保育士という存在です。

クリニックへの保育士の配置について、
詳しくみてみましょう。

保育士とは?

保育士は、保育のプロフェッショナルで、
医師や看護師と同じく国家資格です。

仕事内容としては、乳児から
小学校入学前(0歳~6歳)の保育を必要とする
子どもを預かり、保護者に代わり子育てを
実践することが中心となります。
日中(もしくは夜間)の多くの時間、
限られた保育士数で複数の乳幼児のお世話を
するため、高い能力が必要な職種です。

保育士の就労先

保育士の就労先は、保育所やこども園だけでなく、
児童養護施設、知的障害児施設、
重症心身障害児施設、乳児院などがあります。

また、病院やクリニックで働く保育士もおり、
その中には医療(病児)保育士という資格を持つ
保育士が存在します。

医療(病児)保育士とは

医療保育士は、医療を必要とする子どもに
専門的な保育を行う保育士です。
医療保育専門士や病児保育専門士などの
民間資格があります。
病棟、外来、病児保育室、障害児施設などで、
専門的な知識の元、医療保育を行います。

クリニックに保育士を配置する意味

クリニックの外来診療で、保育士を配置すると
診療がどう変わるかを具体的にみてみましょう。

■診察がスムーズになる

診察の介助は、看護師もしくは付き添いの
家族が対応する場合が多いです。
しかし、看護師が他の患児の対応に当たっている
場合や、付き添いの方が抱っこできない場合
(妊娠中や下の子を抱っこしているなど)には、
介助者なしで診察を行うこともあることでしょう。

そんなときに、子どもに優しく声かけをし、
サポートしてくれる保育士がいたら、
診療をスムーズに進める効果が期待できます。

■子どもの恐怖心の緩和ができる

子どもにとって、苦痛を伴う検査や処置を
する医師は、恐怖の対象になることも
少なくありません。

医師としては、子どものために必要なことを
しているだけなのですが、乳幼児ではその
理解ができないため、医師として辛いところでしょう。

泣き叫ぶ子どもを落ち着かせるには、
家族の協力に加え、「なにも痛いことをしない存在」
が重要です。

看護師は診療上、採血や予防接種などを担当
しますので、「痛いことをする存在」になります。
保育士はその業務はできないため、
子どもにとって安心できる存在になることでしょう。

■付き添いの兄弟の相手を任せられる

患児が一家族に複数いる場合や、預け先が
なく患児の兄弟が一緒に来院する場合があります。
その際に、付き添いの大人は1人であることが
多いでしょう。
子どもがみんな大人しいならいいですが、
元気に走り回ったり、大声を出したりする子どももいます。

そんなときに保育士が対応できれば、
院内でのトラブルを未然に防げ、
医師も落ち着いて診療できることでしょう。

■院内の飾りつけを任せられる

クリニックの飾りつけは、子どもにとって
大きな意味を持ちます。
壁や窓に季節感のある壁面装飾があれば、
きっと子どもの興味を引くことができるはずです。
「あれ、なにー?」と家族との会話の
きっかけになることでしょう。

特にコロナ禍でおもちゃや絵本が撤去されている
状態では、子ども達の興味を引くものが
設置できないケースも多いでしょう。
そういった場合に、保育士に壁面装飾の
制作をお願いするとよいでしょう。

病児・病後児保育の布石にも

小児科併設で、病児・病後児保育を運営することを
将来的に考えている場合、そのスタッフの育成を
見据えて、クリニックへの保育士の配置を
考えるのもひとつです。

現在、新型コロナウイルス感染症の流行と
その他の感染症の減少を受けて、
病児・病後児保育の利用は減少し、
施設数も減少しています。

しかし、新型コロナウイルス感染症の流行などが
治まれば、病児・病後児保育の利用は
戻ってくることが考えられます。
将来を見据えて、その布石を打っておくのもひとつですね。

保育士の採用で業務の軽減を!

医師や看護師は医療のプロフェッショナルです。
小児科クリニックでは、医療の提供に加えて、
子ども特有の対応が必要になります。
その対応を保育士に一部担ってもらうことで、
医師や看護師は医療の提供に今よりも
集中できることでしょう。

保育士の採用を検討してみてもいいのではないでしょうか?

看護師 S.H.

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