皆さまは普段、どのような服装で
診察をしていますか?
スーツスタイルの上に白衣、スクラブ、
普段着で白衣なしなど、医師の服装は様々です。
ルールを決めているクリニックもありますが、診療スタイルやクリニックの
印象などを考えて自由に選択されていることが多いのではないでしょうか。
今回は医師の身だしなみについてのお話です。
清潔感はマスト
医療行為をする場所では
常に清潔感が求められます。
当たり前のことのようですが、患者さんによって
「清潔感」の感じ方が変わることが難点。
汚れやシワひとつない白衣を着ていれば
完璧かというと、そうではないのです。
靴や靴下が汚い、白衣の下に着ている服がシワだらけ、
髪の毛や髭が長い、爪が手入れされていない…
細かいところに注目している患者さんがいます。
逆にヨレヨレの白衣を着ていても気にならない人も。
全ての患者さんが納得するような清潔感を
出すにはかなりの努力が必要です。
身だしなみに時間をかけていられない…
ということもありますよね。
患者さんに合わせる
そこでポイントになるのが、患者層の分析です。
- 美容系で、美意識の高いしっかりとしたメイクの女性が多い。
- オフィス街のクリニックで、ビジネスパーソンが多い。
- 内科で、近所に住む高齢者が多い。
- 心療内科で、服装に意識を向けられない患者さんが多い。
これらの患者さんに服装を合わせることが重要になります。
患者さんも自分とかけ離れた服装の人には、
心の距離を感じてしましいます。
患者さんと似たような雰囲気の医師に対し、
患者さんは親近感を持つことができます。
きちっとした服装を好むような患者さんが多い場合は、
先生の服装も細部まで注意する。
普段着やノーメイクの患者さんが多い場合は、
先生も少しカジュアルな服装をする。
患者さんと似たような服装を心掛けることが大切です。
白衣を着ないという選択
外来診療では白衣が一般的ですが、
そもそも白衣は必須なのでしょうか。
白衣は作業着であると同時に、
医療のプロフェッショナルの象徴でもあります。
白衣を着ている医師に対し、
患者さんが説得力を感じるという調査結果があります。
その反面、白衣性高血圧のように
患者さんが威圧感を感じてしまうことも。
当たり前のように着ている白衣。
それがどのような効果をもたらしているか
考えたことはありますか?
白衣を着るかどうかは診察の内容によって
選択してもよいのかもしれません。
例えば初診や救急の時には白衣を着る、
再診の時には脱ぐなど。
患者さんによって選択するのもひとつです。
個性を出してもよい
服装は自分を表現したり、
モチベーションをあげたりする要素もあります。
患者さんに合わせてばかりいられない…と
思うかもしれません。
こだわりたい部分があるのなら、
それも先生の個性として生かしてみてください。
メガネは変わったものにしたい、
アクセサリーを付けたいなど、
それによって自分らしさが出るのであれば、
良い効果をもたらすかもしれません。
奇抜なものであればあるほど、
患者さんの賛否は分かれるでしょう。
しかし、あえてそのような格好をするには
理由があるのだ、ということが患者さんに伝われば、
先生のファンが増えるかもしれません。
先生がどのような医師でいたいか、
患者さんにどのように思われたいかが
表現できる方法であればよいのです。
身だしなみは診療行為の一部
診療において重要なのは、
患者さんと医師の信頼関係の構築です。
見た目に違和感を覚えた医師に対し、
患者さんは心を開けるでしょうか。
そう考えると、身だしなみも診療行為の一部といえます。
何となく、あるものを着ているのではなく、
患者さんに配慮した服装であることが大切なのです。
全ての患者さんに満点をもらえる服装はありません。
しかし、服装を考えることによって、
自分自身が医師として患者さんの目に
どう映っているかを考えることにつながります。
つまり医師としての姿勢を見直す機会になるのです。
まとめ
医師の身だしなみとして、
清潔感を心掛けている先生は多いでしょう。
しかし、ひと言に清潔感と表現しても、
患者さんによってとらえ方は様々。
どのように清潔感を出すかも大切なのです。
服装についてもう一歩踏み込んで考えることで、
先生の医師としてのポリシーや
患者さんとの関係について発見があるかもしれませんよ。
看護師M.K.