なぜ近隣のクリニックは検体検査を院内化するのか

近年、クリニックでも
生化学検査や免疫検査 などの検体検査を
院内で実施するケースが増えてきました。

従来のように外部の検査機関に
委託するのではなく、
なぜ院内検査を行うクリニックが
増えているのでしょうか?

本記事では、クリニックで
院内検査を実施するメリットと
院内化をする場合の注意点、
その改善策をご紹介します。

院内検査の状況

臨床検査は、
検体検査と生理検査に大別でき、
それぞれ、院内検査と外注検査に分けられます。

  • 検体検査
    血液、尿、便、唾液など、
    患者さんから採取した検体を
    分析・測定する検査。
  • 生理検査
    心電図、超音波、聴力など、
    患者さんを直接診る検査。
  • 院内検査
    病院やクリニックのなかで
    検査の実施と結果判定まで行なうもの。
    検査には専用のキットや検査装置を用いる。
  • 外注検査(外部委託)
    院内で測定できない検査項目を
    外部の検査機関に委託する。
    検体検査では採取した検体を
    外部機関に送ることで検査し、
    生理検査では画像等の検査データを
    外部機関の医療従事者が解析する。

クリニックにおける院内検査

ここからは、院内検査のなかでも特に、
院内だけで検査結果まで得ることができる
検体検査にフォーカスしていきます。

従来、多くのクリニックでは、
採取した血液や尿などの検体を
外部の検査機関に送り、
その分析を委託する
外注での検体検査が行われてきました。

これは、検査を行うための専用の設備と
検査に習熟したスタッフが必要とされるためです。

外注検査は、正確な検査結果が得られる反面、
検査項目によっては、検査結果が判明するまでに
数日かかる場合もあります。

しかし、近年では検査装置の小型化や
高性能化が進み、クリニック内でも
迅速かつ正確な検査が可能になりました。

また、迅速に実施できる院内検査を
診療品質の向上として
行政が評価するようになったため、
院内検査の実施で加算できる診療報酬もあります。

これにより、クリニックで院内検査を行うケースが増えています。

<院内検査装置の例>

院内検査を促進するメリット

院内検査を導入するメリットを
クリニック側のメリットとして2つご紹介します。

1.迅速な診断と治療開始

検査結果を迅速に得られるため、
診断が早まり、適切な治療を
すぐに開始することができます。
これは、特に病気の早期発見・早期治療において重要です。

2.集患や定着 につながる

検査をしたその日に
結果を医師が説明するため、
患者さんの満足度が向上し、
集患や治療の離脱防止、
再来院につなげることができます。

検査の院内化は患者さんのメリットにもなる

院内検査は、クリニックだけでなく、
患者さんにとってもメリットがあります。
ここでは2つのメリットをご紹介します。

1.時間と費用の節約

少ない来院回数で検査結果の説明と
それに応じた治療が受けられるため、
クリニックに行く手間や費用が省け、
時間とお金の節約になります。

2.モチベーションアップ

来院した当日に検査を受け、
検査結果を知ることができるため、
検査結果を待つ間の不安や
ストレスが軽減され、
治療のモチベーション向上につながります。

検体検査を院内化するときの注意点と改善策

クリニックにおける検体検査の院内化は
多くのメリットがありますが、
導入の際には注意すべきこともあります。
ここでは、3つの注意点とその改善策をご紹介します。

1、導入コスト

院内検査を導入する際には、
検査装置の購入や検査室の整備など、
初期費用が大きくなる場合があります。
導入の際は、リース契約の利用や、
補助金制度の活用 を検討することで、
初期費用を抑えることができます。
自治体独自の施策もあるため、
卸や各メーカーから情報収集することを
おすすめします。

<過去の補助金の一例>
厚生労働省「令和2年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金」

また、前述した導入後のメリットや
患者数増加による収益増などを考慮し、
投資対効果を見極めることが重要です。

2、スタッフの手間

院内検査の実施には、
検査装置の操作や検査結果の判定など、
スタッフの負担が増加する可能性があります。
また、日々のメンテナンスや精度管理も
スタッフで対応することになります。

スタッフの不安を解消するため、
・外注検査に要していた手間が削減できること
・測定操作が簡便な装置を導入すること
を伝えることが大切です。

また、臨床検査技師などの
検査業務に特化したスタッフを
配置することで、既存スタッフの
負担を軽減することができます。

さらに、スタッフの研修制度などを
充実させることで、
スキルアップを図ることも有効です。

メーカーによっては保守契約に
定期メンテナンスを組み込むことが
できる場合もあります。
スタッフの手間の削減と
院内の検査体制の維持のために
保守契約もうまく活用しましょう。

3、検査の待ち時間

院内検査を行うと
新たに検査結果が出るまでの
待ち時間が必要になります。
そのため院内検査を行う患者さんが
同じ時間に重なると、
患者さん一人ひとりの待ち時間が長くなる場合があります。

これは、診療予約システムの導入や、
検査機器の処理能力向上などにより、
待ち時間対策を行うことで解決できます。

また、来院した患者さんへ
待ち時間の目安を伝えるなど、
適切な情報提供を行うことも重要です。

まとめ

クリニックにおける院内検査は、
迅速な診断と治療開始につながったり、
患者さんの利便性が向上したりするなど、
多くのメリットがあります。

検査装置の導入コストや
スタッフの負担などの課題もありますが、
適切な対策を講じることで、
より良い医療を提供できる体制を
構築することにつながります。

院内で実施する検査項目を選択し、
自院にあった検査装置の導入を
検討してみてはいかがでしょうか。

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