ChatGPTの活用例と注意点

2022年にアメリカのOpenAI社が
リリースしたChatGPTは、
官公庁でも使用されるなど、
さまざまな場所で業務の効率化に
役立っています。

また、医療分野では、ChatGPTが
日本の医師国家試験に合格し得る成績を
達成したことで話題となりました。
参照元:金沢大学「最適化されたプロンプトとGPT-4によりChatGPTが日本の医師国家試験に合格可能な成績を達成!」

この記事では、ChatGPTを
業務に活用するためのアイディアと、
注意すべき点について紹介します。
「業務を手軽に効率化したい!」
と考えるクリニック経営者の皆さんは、
ぜひ参考にしてください。

ChatGPTとは

ChatGPTは、ユーザーの指示(プロンプト)に基づいて、文章を生成する人工知能です。

ユーザーが質問文を入力すると、
ChatGPTがインターネット上から学習した
大量の情報を組み合わせて、
まるで人間が作成したかのような回答を短時間で返してくれます。

文章の作成はもちろん、要約や翻訳、
情報検索、アイディアの壁打ちといった
さまざまな使い方ができます。
参照元:独立行政法人国民生活センター「ChatGPTとLLM」
    東京都デジタルサービス局「文章生成AI利活用ガイドライン」
     総務省「生成AIはじめの一歩」

クリニックでのChatGPT活用アイディア

ChatGPTは、クリニックでの業務にどのように役立つのでしょうか。
活用の具体例としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 院内掲示物の文章作成
  • 手術や処置、検査についての説明文作成
  • ホームページに掲載するブログやコラムの草案作成
  • 診断書や紹介状の草案作成
  • 医療論文の検索や和訳、英訳

例えば、ChatGPTでクリニックに掲示する、
夏季休暇のお知らせを作成するとします。

ユーザーが「内科クリニックに掲示する、
2024年の夏季休暇のお知らせを作成してください。
休診日は8月12日から18日まで。
19日から通常診療となります。
といった指示を出すと、
ChatGPTは以下のような文章を作成してくれます。

夏季休暇のお知らせ
平素より当クリニックをご利用いただき、
誠にありがとうございます。
下記の期間、夏季休暇のため休診とさせていただきます。

休診期間:2024年8月12日(月) ~ 2024年8月18日(日)

休診期間中は大変ご不便をおかけいたしますが、
何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

休診期間中にお急ぎの場合は、
最寄りの医療機関または救急センターをご利用ください。
8月19日(月)より通常診療を再開いたします。
ご予約やお問合せはお早めにお願いいたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

ホームページにブログやコラムを
掲載しているクリニックであれば、
チャットGPTを使って簡単に
記事の草案を作成することもできます。

テーマに困ったら、
「糖尿病内科のクリニックの
ホームページに掲載する院長ブログの
テーマを5つ考えてください」
といった質問をすると、
「糖尿病と心の健康」
「糖尿病の最新治療法と研究成果」
といったテーマ案を提示してくれます。

クリニックでChatGPTを使用する際の注意点

ChatGPTがリリースされて2年ほどが経過し、
さまざまな課題や注意すべき点がわかってきました。
参照元:総務省「生成AIはじめの一歩」
    東京都デジタルサービス局「文章生成AI利活用ガイドライン」

●質問の仕方を工夫しないと満足いく回答が得られない

ChatGPTに質問する際には、
的外れな回答にならないよう
指示文を工夫する必要があります。
例えば、院長ブログのテーマを考える際、
単に「クリニックのホームページに掲載する
ブログのテーマを考えてください」
という指示を与えただけでは、
診療科に関係がなく、執筆しにくいテーマも含まれてしまいます。

質問の目的などを具体的に指示することで、
初めて最適な回答が得られるのです。

●個人情報の漏洩リスクがある

ChatGPTは、ユーザーが入力したデータを学習し、
別のユーザーへの回答に利用することがあります。

個人情報が漏洩するおそれがあるため、
他者に知られたくない情報の入力は控えた方が良いでしょう。

●著作権侵害や誤情報を発信するリスクがある

ChatGPTはインターネット上の情報を学習して
ユーザーへの回答に使用するため、
既存のコンテンツと類似した文章を
提示する可能性があります。

他のWebサイトや書籍の内容と
類似した文章をそのまま使ってしまうと、
著作権の侵害と見なされるおそれもあるでしょう。

また、学習したデータが不正確であったり、
情報に偏りがあったりすると、
誤った情報をもとに回答を作成してしまうかもしれません。

ChatGPTが提示した文章を
そのまま使用するのではなく、
他のコンテンツのコピーになっていないか、
正しいエビデンスに基づいた情報であるか、
といったチェックを必ず行いましょう。

ChatGPTの効果的な使い方を知って業務を効率化

文章作成や論文検索など、
さまざまな場面で活用できるChatGPTは、
クリニックの業務を効率化してくれる便利なツールです。

しかし、情報漏洩や
著作権侵害などのリスクがあり、
使い方を誤ればクリニックの信用を失うおそれがあります。

ChatGPTの利用規約や、
官公庁が公開しているガイドブックなどを
確認しながら、生成AIを上手に活用していきましょう。

看護師K.Y

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