クリニックの休業リスク対策!臨時休診に備えを

病気やけがによる長期の臨時休診は
休業につながり、クリニックの存続を
左右することもあるため、
日頃からリスク対策が大切です。

そこでこの記事では、
開業医が病気やけがで
診療できなくなった場合の対応と、
突然の臨時休診・休業に備える
5つの対策についてご紹介します

突然の臨時休診、まず取るべき対応は?

全国保険医団体連合会の調査によれば、
休業保障制度に加入する30〜40代のうち、
5人に1人以上が傷病によって休業しています。

参照元:全国保険医団体連合会「保険医のための休業保障制度」PDF

院長の急な病気やけがにより
臨時休診せざるを得ない場合は、
スタッフと手分けをして、以下のような対応が必要です。

患者さんへのご案内

優先して対応すべきことは、
患者さんへのご案内です。

予約がある患者さんに対して、
診療のキャンセルや延期のご連絡をします。

ホームページやSNSを運営している場合は、
臨時休診のお知らせを掲載し、
クリニックの出入口などにも、
臨時休診のご案内を出しておきましょう。

近隣施設への連絡

自院のかかりつけ患者さんが
体調などを相談しやすいよう、
近隣のクリニックや薬局に、
臨時休診することを伝えておくと安心です。

臨時休診を知らずに
患者さんが来院する可能性もあります。
各種ご案内に、相談できる近隣施設を
ピックアップして追記しておくと
良いかもしれません。

代診医の確保

臨時休診が長期間になる場合は、
代診が可能な医師に、
診療の依頼をすることを検討します。

非常勤医師や提携先の病院など
応援の要請が可能な各所で、
代診できる医師を探します。

代診が難しい場合は、
かかりつけ患者さんの状況に応じて、
他院への紹介を手配します。
患者さんがスムーズに受診できるよう、
診療情報提供書の準備も必要です。

保健所や医師会への相談

クリニックを休業したり、
管理者を変更したりする場合は、
10日以内に保健所へ届け出る必要があります。
長期間の休診や代診が見込まれる場合は、
管轄の保健所へ相談しましょう。

参照元:東京都保健医療局「診療所・歯科診療所を休止、廃止された方」
    東京都保健医療局「【法人開設】変更の届出をされる方(変更後)」

また、所属している医師会によっては、
代診医探しや休診に伴う事務手続きを
サポートしてもらえる可能性があります。
必要に応じて、医師会へ相談するのも良いかもしれません。

臨時休診・休業への5つの備え

突然の病気やけがにより、
診療できなくなるリスクは誰にでもあります。
休診時の対応を事前に決めておくことで、
スタッフや患者さんの混乱を
最小限に抑えることができます。

ここでは、急な臨時休診に備える5つのポイントをご紹介します。

1. 院長不在時の対応をマニュアル化する

院長不在となった場合の対応を、
事前にマニュアルにまとめて
スタッフと共有しておきます。

スタッフの役割分担や、
応援要請できる医療機関の一覧など、
急な事態にも慌てず対応できるよう
情報をまとめておくと
混乱も少なく対応が可能です。

2.関係機関との信頼関係を構築する

「医師会や協会の集まりに参加する」
「薬局や取引業者と良好な関係を保つ」
など、いざというときに頼れる味方を
増やしておくことが大切です。

また、学会への積極的な参加も
関係構築の場となります。

3.非常勤医師の雇用を検討する

クリニックの医師が院長一人だけ
ということも珍しくありません。

しかし、突然の事態に備えるためにも
「週2回は非常勤医師に手伝ってもらう」
「院長不在時は休診せず代診を立てる」
など、院長以外の医師が
診療に入れる体制を整えておくと、
急な代診への不安が軽減されます。

4.保険への加入を検討する

やむを得ず休業となる場合もあります。
しかし、収入がなくなっても、
テナント代や人件費といった
経費の支払いは待ってくれません。

特に、開業したばかりで
クリニックの貯蓄が少ない場合は、
休業時に保険金が受け取れる保険に
加入しておくのも1つの方法です。

参照元:全国保険医団体連合会「休業保障制度」
    三井住友海上「ドクター長期収入保障保険」

    

5.経営に関する情報を共有する

支払いに使用する銀行口座や、
電子カルテの管理情報といった
経営に関わる情報は、
「院長しか知らない」
と言うことも多いでしょう。

しかし、臨時休診や休業の備えとして
家族や信頼できるスタッフと共有しておくと安心です。

あらゆる事態を予測して「もしも」に備える

クリニックでは院長1人で
診療と経営を担うことが多く、
病気やけがによる臨時休診や
休業のリスクは避けられないものです。

もし何の備えもなく
突然院長が倒れてしまったら、残された家族やスタッフはもちろん
患者さんも非常に大変な思いをするでしょう。

院長自身の健康に
気を配ることも大切ですが、
さまざまな状況を想定して、
臨時休診や休業への備えを万全にしておくことが大切です。

看護師 K.Y

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