
「クリニックの休廃業が増えているって本当?」
「休廃業に追い込まれないようにする対策は?」
このようなお悩みをお持ちの方も少なくないでしょう。
近年、物価高騰や人口減少、
診療報酬改定など、
様々な要因から、クリニック経営は
以前にも増して難しくなってきています。
実際に、休廃業や解散に
追い込まれるクリニックが増加しており、
今後も安定した経営を目指すには
適切な対策が必要です。
そこで本記事では、
クリニック経営の現状や
休廃業に陥らないための対策をご紹介します。
クリニック経営は本当に厳しい?
結論から言えば、クリニック経営は
以前よりも難易度が上がっています。
帝国データバンクの調査によると、
2025年の医療機関※1の倒産※2は66件、
休廃業・解散は823件となり、
2024年から2年連続で過去最高を更新しました。
※1:病院、診療所、歯科医院の経営を主業とする事業者
※2:法的整理かつ負債額1000万円以上
倒産の内訳は、病院13件、診療所28件、
歯科医院25件であり、
診療所・歯科医院が多くを占めています。
また、最も多い倒産の原因は
「収入の減少(販売不振)」であり、
収益低下と支出増加の両方の側面によって
経営悪化したクリニックが多いようです。
休廃業・解散においては、
病院15件、診療所661件、歯科医院147件で、
診療所と歯科医院が過去最多を更新しました。
休廃業・解散の件数が
増加し続けている最大の要因は、
医療機関全体の80%以上を占める診療所の
深刻な高齢化と後継者不足にあります。
さらに、全国の施設数の推移において、
2015年以降の10年間で、
病院は484施設の減少、
歯科医院は3156施設の減少に対し、
診療所は4539施設の増加をしており、
競争の激化が休廃業・解散につながったことも考えられます。
保険診療を営むクリニックにおいて、
収益の源泉は診療報酬です。
しかし、2024年度改定では賃上げ対応などで
本体部分はプラスとなったものの、
物価高騰や薬剤費の抑制を含めると
実質的な経営環境は依然として厳しく、
実質的な収益性は低下しています。
診療報酬を増やせば医療費が高騰し、
財政が圧迫されるため、
少子高齢化が深刻化する我が国において、
診療報酬の大幅な増額は今後も難しいかもしれません。
また、人口減少も相まって、
集患の競争も高まる可能性があり、
うまく集患できないクリニックは
収益が低下してしまいます。
他にもインフレ、医療資源の高騰、
人件費増加など、
さまざまな要因が同時多発的に
クリニック経営を難しくしています。
経営を安定させるための6つの対策
では、この状況で競争に勝ち抜くためには
どのように対策すべきなのでしょうか。
より安定した経営を目指すには、
主に下記の6つの対策が必要です。
1. SNSやネットを駆使して集患する
ホームページの運営、Googleマップの口コミ管理や、LINE公式アカウントによる再診促進が必要です。若年層だけでなく高齢者もスマホでクリニックを探す現代では、Webでの露出が初診獲得の生命線となります。
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2. ICTを導入して業務効率化を図る
Web予約システムや自動精算機、AI問診の導入は、スタッフの事務負担を劇的に減らします。待ち時間の短縮は患者さんの満足度に直結し、少人数でも回るオペレーション体制の構築が可能です。
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3. 無駄な経費を削減する
在庫管理の徹底や電力会社の見直し、リース契約見直しなど、固定費の圧縮を図りましょう。
4. スタッフが定着しやすいような環境作りを心掛ける
採用難である現代、スタッフの離職は最大の経営リスクです。待遇の見直しが大切です。
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5. 診療内容の差別化を図る
専門外来の設置や自由診療(予防接種・健診・美容など)の導入、在宅医療への参入など、他院にはない強みを明確に打ち出し、選ばれる理由を作ることが重要です。即時検査の体制を構築することも、診療効率と患者サービスの両方を向上する差別化要因になります。
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6. 地域連携を促進する
周辺の病院や施設との連携強化は紹介による集患が期待できます。地域包括ケアの中で役割と信頼を確立し、経営基盤を盤石にしましょう。
まとめ
本記事では、クリニック経営の現状や
経営を安定化できる対策についてご紹介しました。
近年、経営に関わる様々なコスト増加で、
倒産や休業、廃業に陥るクリニックは増加しています。
また、これらの環境は今後も
さらに悪化が予想されるため、
今後クリニック経営で生き残るためには、
自身のクリニックの問題点を
客観的に評価し、適宜改善していく必要があります。
本記事を参考に、問題点を抽出し、
より良いクリニック経営を目指してみてはいかがでしょうか。
医師 H.N.









