クリニックで普及率の高まっている『診療予約システム』とは?

近年、医療業界では
ICT化が急速に進んでおり、
ICT化によって業務効率化や患者満足度の
向上が期待されます。

電子カルテやオーダリングシステムの
普及はもちろんのこと、
問診票の電子化やオンライン診療など、
テクノロジーを活用した
新しい医療が展開され始めています。

特に、待合室が混雑しやすいクリニックで
導入を検討したいのが診療予約システムです。

診療予約システムとは、
Web上のホームページや
アプリ、LINEなどを介して
事前に診察の予約を取ることができるシステムです。

導入することで、受付の業務負担軽減や
患者さんの待ち時間を短縮でき、
さらには、ネットを駆使する若い世代の
新規患者さんの集客にもつながります。

一方で、導入する上ではデメリットもあります。

本記事では診療予約システムのタイプや
メリット・デメリットについてご紹介します。

診療予約システムのタイプ

診療予約システムは、予約方法などによってさまざまなタイプがあります 。

● 予約特化タイプ
● 業務効率化タイプ
● LINEタイプ・アプリタイプ

予約特化タイプ

予約特化タイプは予約機能のみに特化したシンプルなシステムです。
web上のホームページや電話の自動音声、
院内設置のタッチパネルなどで
予約を取ることができます。

機能がシンプルでわかりやすく、
運用コストが安い点も魅力です。

業務効率化タイプ

業務効率化タイプは、予約機能を
電子カルテやレセコンと連携して、
受付業務全般・診療・決済などを全て
一元的に管理できるシステムです。
 ※レセコン=レセプトコンピューター

診療に関わる全ての業務を
大幅に効率化できる一方で、
含まれるサービスが多く
運用コストが高くなりやすいです。

LINEタイプ・アプリタイプ

メッセージアプリ「LINE」上で
予約可能なLINEタイプや、
クリニック専用のアプリ上で
予約可能なアプリタイプの
システムも活用できます。

どちらもより手軽に予約ができるので、
患者さんの再診率の向上や
かかりつけ化を促進することができます。

クリニックにおける診療予約システム導入のメリット

クリニックにおける診療予約システム導入の
メリットは、主に以下の4つです。

● 受付業務の負担軽減
● 待合室の混雑緩和
● 患者さんの来院情報の共有・分析
● 予約するハードルの低下

診療予約システムを導入することで、
次回予約の手続きの手間が省けるため、
受付業務の負担が軽減されます。

また、混雑しやすい時間帯の予約枠に
制限を設けることで、
待合室の混雑緩和を図ることも可能です。

患者さんにとってもメリットがあります。

ツールによっては来院している患者さんの
診察状況などがリアルタイムで
共有・分析されるため、
混雑状況や順番待ちの状況を
患者さんに通知することができます。
これにより、患者さんは待ち時間を
有効活用できるため、満足度が向上します。

さらに、スマホやPCで
気軽に予約できるため、
電話での予約が苦手な患者さんにとって
予約のハードルが下がり、
新規患者さんの獲得につなげることもできます。

クリニックにおける診療予約システム導入のデメリットや注意点

クリニックにおける診療予約システム導入の
デメリットや注意点は以下の3つです。

● 導入や運用にコストがかかる
● 医療スタッフにITリテラシーが必要
● 患者層に合わないシステムを選ぶと患者離れの可能性がある

診療予約システムは、システムの導入や
必要機材の購入にコストがかかり、
さらに運用中のシステム管理・保守にも
コストがかかります。

また、システム導入後は患者さんから
さまざまな質問や問い合わせが来るため、
医療スタッフは導入前から事前に
システムについての知識を身につけておく必要があります。

クリニック側の利便性を重視するあまり、
多機能で複雑な診療予約システムを
構築してしまうと、
特に高齢の患者さんは扱いきれなくなり、
患者離れが進む可能性があるため
注意が必要です。

自施設に受診する患者層にあった
システム導入を意識すると良いでしょう。
予約方法をシステムに一本化せず、
電話予約と合わせて取り入れたり、
ゆるやかに移行を進めたりすることも
患者離れを防ぐ一つの方法です。

診療予約システムの導入が
患者さんの不満につながるケースについて、
こちらの記事にもまとめています。

まとめ

今回は、近年クリニックで普及しつつある
診療予約システムについてご紹介しました。

診療予約システムを有効活用できれば、
受付業務の負担軽減や患者満足度向上など、
コスト以上のメリットが得られる可能性が高いです。

特に待合室が混雑しているクリニックや、
時間帯によって患者さんの受診数に
波があるようなクリニックに適しているかもしれません。

自院の業務効率化を目指し、
診療予約システムを検討してみてはいかがでしょうか。

医師 H.N.

参照元:総務省「第2章 医療分野におけるICTの利活用の在り方」PDF
    厚生労働省「電子カルテシステム等の普及状況の推移」PDF

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