メンタルヘルスケアしていますか?スタッフが安心して働くためにできること

医療従事者は、精神疾患の予備軍が
潜在的に多いとされ、その
およそ5%の人に、うつ病や不安障害
などの傾向があると言われています。

さらに近年では、
新型コロナウイルス感染症の流行があり
医療従事者のメンタルヘルスを取り巻く
環境は、今まで以上に厳しい状況にあるでしょう。

今回は、クリニックにおける
メンタルヘルスケアの具体的な方法に
ついて紹介します。

もくじ
メンタルヘルスケアとは
クリニックで取り組みたいメンタルヘルスケア
1. メンタルヘルスをテーマにしたカンファレンスの実施
2.定期的な面談の実施
3.スタッフの意見を取り入れた職場環境の改善
4.モチベーションを保てる環境づくり
5.管理者自身のメンタルヘルスケア
メンタルヘルスケアの充実で管理者もスタッフも働きやすい職場へ

メンタルヘルスケアとは

メンタルヘルスとは、
「人が自身の能力を発揮し、
日常生活におけるストレスに対処でき、
生産的に働くことができ、
かつ地域に貢献できるような
満たされた状態である」
と定義されています。

スタッフの良好なメンタルヘルスを
保つために必要なのが、
職場でのメンタルヘルスケアです。

メンタルヘルスケアには、
下記の3つの予防が職場内で円滑に
行われなくてはなりません。

  • メンタルヘルスの不調を予防する「一次予防」
  • メンタルヘルスの不調を早期発見し、適切に対処する「二次予防」
  • メンタルヘルスに不調を抱えるスタッフに対して職場復帰のサポートなどをする「三次予防」

この3つの予防に取り組むための
具体的な方法として、
スタッフのセルフケア能力を高める
ための教育を行ったり、
管理者が職場環境の把握や改善に
努めたりすることが挙げられます。

クリニックで取り組みたいメンタルヘルスケア

メンタルヘルスケアには、
職種や従業員数などに応じてさまざまな
方法が考えられます。

ここでは、クリニックで実践しやすい
メンタルヘルスケアの方法について、
5つ紹介します。

1.メンタルヘルスをテーマにしたカンファレンスの実施

スタッフがメンタルヘルスケアについて
関心をもち、心の健康を守るための
セルフケアを身につけられるよう、
定期的に勉強会を開催したり、
カンファレンスを実施したりします。

具体的には、
「スタッフ全員でストレスチェックに取り組む」
「e-ラーニングを使ってメンタルヘルスについて一緒に学ぶ」
といった方法があります。

厚生労働省が運営するポータルサイト
「こころの耳」では、
オンラインストレスチェックや、
メンタルヘルスについて動画で学べる
コンテンツなどが充実しているため、
院内でのメンタルヘルスケアに役立つでしょう。

【参考サイト】
厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
https://kokoro.mhlw.go.jp/

2.定期的な面談の実施

日々の業務で困っていることや、
ストレスに感じていることなどを、
スタッフから定期的に聴く機会を作ります。

とくに、新しく入職したスタッフや
管理業務を担っているスタッフ、
育児や介護などの事情で
心身の負担が大きいスタッフは、
強いストレスを抱えながら業務に
あたっている可能性があるため注意が必要です。

また、
「遅刻や欠勤が続いている」
「仕事中のミスが増えている」
といった様子があるスタッフには、
すぐに声をかけて話を聴きましょう。

3.スタッフの意見を取り入れた職場環境の改善

管理者は、
日頃から職場環境について把握し、
必要があれば職場環境の改善に
努める必要があります。

スタッフの意見も取り入れながら
環境を整えていくと、
「管理者は自分たちの意見を聞いてくれている」
という安心感に繋がり、スタッフとの
信頼関係も深まるでしょう。

4.モチベーションを保てる環境づくり

人命に直結した仕事であるという
プレッシャーや、患者さんからの
クレームなどは、医療従事者にとって
大きなストレスになり、
メンタルヘルスを脅かす要因ともなります。

管理者は、スタッフが仕事に対する
モチベーションを保ちながら、
やりがいを持って業務に取り組めるよう
サポートする必要があります。

たとえば、
「外部研修に参加して他施設の医療従事者と交流する」
「新しい資格を取得して業務に活かす」
といった機会を作ると、スタッフの
モチベーション維持につながるでしょう。

5.管理者自身のメンタルヘルスケア

スタッフのメンタルヘルスケアを
行うためには、
管理者自身のメンタルヘルスケアを
怠らないことが大切です。

「仕事と休息のバランスを保つ」
「自分なりのリフレッシュ法を見つける」
といった姿勢を管理者が見せることで、
スタッフの意識変容にもつながります。

いざというときに頼れる、専門機関や
相談窓口を見つけておいたり、
管理業務に関する外部研修に参加
したりするのもよいでしょう。

【参考サイト】
・各種相談窓口
厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」相談窓口案内
https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/
・管理者向け研修
日本病院会 「病院長・幹部職員セミナー」
http://www.hospital.or.jp/seminar/
日本看護協会「主任のための労務管理入門~働きやすい職場環境づくりの基礎知識~」
https://nerc-entry.nurse.or.jp/shousaiView.php?t=1644885595&cd=2022212

メンタルヘルスケアの充実で管理者もスタッフも働きやすい職場へ

クリニックをはじめとする
従業員50名以下の事業場では、
産業医の配置義務などがなく、
メンタルヘルスへの対策が
進みにくいのが現状です。

しかし、メンタルヘルスの不調による
休職者や退職者が出ることは、
クリニックにとって大きな損失になるでしょう。

安心して長く働ける職場作りの一環として、
スタッフのメンタルヘルスケアに
取り組んでみてはいかがでしょうか。

看護師 S.H.


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