業務効率と満足度を向上させる「スタッフの理想の働き方」とは?

スタッフひとりひとりが
持ちうる力を全て出し切れたら、
理想のチームに近づきます。

理想のチームのために、
「スタッフが常に動いているような環境」
が理想の働き方と考えがちですが、
実はそこには落とし穴があります。

今回は院内スタッフの業務における
隙間時間についてのお話です。

業務量が多い=人材フル活用?

スタッフを「人的資源」と
考えるとします。
各々にできるだけ多くの業務を
こなしてもらえば、その資源を
最大限に活用していることになります。

しかし本当にそうなのでしょうか?

スタッフがロボットのように
指示された行動に特化しているなら、
人的資源と捉えることができます。

実際、スタッフが業務を進めるにあたって
周辺のさまざまな情報を感じ、考え、
指示以外の行動も工夫して行います。

単純に業務量が多い=人材フル活用と
考えることはできません。
むしろ忙しすぎることにより
弊害が生じてしまう恐れがあります。

業務量が多すぎることで生じる弊害

一人当たりの業務量が多いと、
単純にクリニックに対する貢献度が上がります。
スタッフ自身のやりがいにもつながるでしょう。

「暇疲れ」という言葉があるように、
人はある程度タスクがある方が生き生きと動けます。

しかしそれは適度な忙しさまでです。
次のようなちょっとした息抜きを否定する風潮は危険です。

  • 診療時間中に患者さんが途切れたから少し座る
  • スタッフと軽い雑談をする
  • 飲み物を口にする

ちょっとした息抜きもNGとする 働き方を
デフォルトとすると、
業務過多により次のような障害が生まれます。

  • 体が疲れる
  • 視野が狭くなる
  • 思考停止の状態になる

スタッフはこれらの状態に陥ると、
「言われたことだけやればよい」
という感覚になる傾向があります。

また、以下の障害も考えられます。

  • 自分の業務と他人の業務を過剰に区別する
  • 自分以外のスタッフの休みやミスを疎ましく思う
  • 業務改善のアイデアが頭をよぎっても発信しない
  • 業務以外のことはやらない

これでは業務の連携が取れないだけでなく、
トラブルへの対応が後手に回り、
スタッフ同士の人間関係も
ぎくしゃくしてしまうことでしょう。

業務の詰め込みはクリニック経営の
危機に繋がりかねないのです。

あえて隙間時間をつくる働き方

どの程度の業務量が適切なのか、
それは個人によって異なります。

まずはひとりひとりに確認することから
始めると良いかもしれません。

業務過多による弊害について説明し、
息抜きができる隙間時間の大切さと
業務量の調整をしたい旨を伝えます。

勤勉な日本人は勤務中に休むことを
後ろめたく感じてしまいます。
その感覚を払拭し、業務効率のために
積極的な息抜きが必要なことを理解してもらいます。

その上でひとりひとりに合った業務量を
調整することが大切です。

すぐには業務量が調整されなくても、
スタッフは「忙しすぎなくてもいいのだ」
という安心感を覚えます。

そしてクリニックに貢献しつつ
自分が充実感を得られるような業務量を
考えるようになるでしょう。

以下は、様々なクリニックで勤務した経験のある筆者の体験談です。
空いた時間に椅子に座り、
ちょっとした雑談をするクリニックの方が
圧倒的に働きやすいです。

雑談の中で、他のスタッフに
疑問に思う点を質問したり、
業務の改善方法を提案したり、
隙間時間がプチ会議の場になることも
しばしばありました。

軽い息抜きで気分もリフレッシュでき、
1日を元気に過ごすことができました。

余裕があれば気づきが増え、
考えることができます。
また、他人に親切にすることができます。
さらに、他人への配慮は
同僚のスタッフだけでなく、
来院いただく患者さんに対しても生まれます。
これが接遇の向上につながり、
クリニックの評判を上げるきっかけとなります。

あえて隙間時間をつくることが
業務効率や人間関係を良好にするカギなのかもしれません。

まとめ

一人のスタッフにできるだけ多くの業務をしてもらいたい。
クリニック経営者としてそう考えるのは自然です。

しかし業務量が多すぎる働き方は
視野を狭め思考を停止させてしまいます。
スタッフの余裕がなくなれば、
予期せぬ事態に対応できず、
人間関係にも支障が出るかもしれません。

業務における隙間時間の重要性を認識し、
スタッフの働き方を見直してみてはいかがでしょうか?

看護師 M.K.

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