スマートウォッチを活用した新たな診療の可能性

近年、スマートウォッチは
個人の健康管理を支援する
重要なデバイスへと進化しています。

本記事では、スマートウォッチの
多様な健康管理機能や
実際の診療現場での活用事例、
活用の際の注意点についてご紹介します。

スマートウォッチで可能な健康管理機能

スマートウォッチには、健康管理に役立つ
多くの機能が搭載されています。

しかし、厚生労働省に
医療機器として認可されている機能はごく一部です。

厚生労働省に認められている
健康管理機能を3つご紹介します。
(2024年12月現在)

1、心電図アプリ

Apple Watch Series (アップルウォッチ シリーズ)4以降
およびすべてのApple Watch Ultra モデル

家庭用心電計プログラムとして、
厚生労働省に認可された
心電図アプリを搭載しています。

※22歳以上の方による使用を目的としています。

自分で心電図を記録でき、
PDFとして書き出すことも可能です。

参照元:アップル公式サイト「心電図アプリ」

2、不規則な心拍の通知

Apple Watch Series 3以降
およびすべてのApple Watch Ultra モデル

家庭用心拍数モニタプログラムとして
厚生労働省に認可された
不規則な心拍を通知する機能を搭載しています。

※22歳以上の方による使用を目的としています。

 心房細動の兆候を捉えるのに役立つ機能です。

 参照元:アップル公式サイト「不規則な心拍の通知」

3、血圧測定

オムロン ウェアラブル血圧計 Heart Guide HCR-6900T-M
HUAWEI WATCH D ウェアラブル血圧計

搭載されている血圧測定機能が、
管理医療機器として厚生労働省に
認可されているスマートウォッチです。

自宅だけでなく外出先でも高い精度の血圧測定を手軽に行えます。

参照元:オムロン公式サイト「オムロンウェアラブル血圧計」

参照元:ファーウェイ公式サイト「HUAWEI WATCH D ウェアラブル血圧計」

医療用としては使用できない健康管理機能

以下の健康管理機能は、
厚生労働省に医療機器として
認可はされていないものの、
スマートウォッチのデータをもとに、
患者さんが来院するケースもあります。

4つの健康管理機能をご紹介します。

1、血中酸素濃度測定

血中酸素濃度の推定値が表示されます。
医療用ではないため
診療には使用できませんが、
今後医療用としての使用が
期待されている機能のひとつです。

参照元:アップル公式サイト「血中酸素ウェルネスアプリ」

2、睡眠トラッキング

睡眠中の呼吸の乱れを調べ、
睡眠時無呼吸の兆候があれば
「医師の診察を受けてください」と
通知するデバイスがあります。

睡眠時無呼吸症候群の可能性を
疑った患者さんが受診するきっかけになる機能です。

 参照元:アップル公式サイト「睡眠時無呼吸の通知」

3、心肺機能

運動時に体が消費できる酸素の最大量である
「最大酸素摂取量」の測定値をもとに、
心肺機能レベルを判定する機能です。

例えばApple Watchの場合は、
年齢や性別の平均値と比較して
心肺機能が低い場合は着用者に通知が届きます。

スマートウォッチで心肺機能が低いと
通知されたことを不安に感じた患者さんが
クリニックを受診するケースがあるかもしれません。

参照元:アップル公式サイト「心肺機能レベル」

4、転倒検出

着用者の転倒を検出した際に
振動や音で警告する機能です。

警告しても着用者から反応がない場合、
緊急通報サービスや
あらかじめ登録した連絡先に
緊急連絡し危険を知らせます。

事故時の通報だけでなく、
独居高齢者への見守り対策としても役立つ機能です。

参照元:アップル公式サイト「転倒検出機能」

スマートウォッチ外来

専門外来として「スマートウォッチ外来」を
設けるクリニックが増加しています。

現在国内のスマートウォッチ外来で
使用されているデータは主に、
家庭用医療機器として認可された
Apple Watchの「心電図アプリ」と
「不規則な心拍の通知」のデータです。

スマートウォッチ外来は、
対面診療とオンライン診療の2つの形があります。

1、対面診療

患者さんが持参した記録データを診察に使用します。
予約の際に、指定アドレスに
データを事前送付してもらう方法もあります。

2、オンライン診療

 患者さんがスマートウォッチで
測定したデータを医師に送信し、
オンラインで診察します。

  • 遠隔地に住む患者さん
  • 移動が困難な患者さん
  • クリニックに行く時間がとりづらい働き盛りの患者さん

このような患者さんにとって利用しやすい診療体制です。

スマートウォッチ活用の落とし穴

スマートウォッチによる健康データは、
あくまで補助的なものです。

しかし、患者さんがスマートウォッチの
データを過信してしまえば、
不適切な判断や行動を取るリスクにつながります。

例えば、現時点では販売されていませんが、
血糖値を測定できるスマートウォッチで
測定した不確実な血糖データを
患者さんが信じてしまえば、
命に関わるケースが出る可能性もあります。

そのため、医療従事者側も、
スマートウォッチに関する最新の技術や
機能の情報収集が必要不可欠と言えるでしょう。

診療の効率化が進み医療現場の負担が軽減

2024年12月、HUAWEI社が新たに
自動血圧測定機能を搭載した
血圧計付きスマートウォッチの販売を発表しました。

参照元:ファーウェイ公式サイト「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」

従来のモデルと同じく、
血圧測定機能は管理医療機器認証を取得しています。
(自動モニタリング機能は未承認の機能)

このように、医療機器として認証を得た
診療に使用できるスマートウォッチは、
今後ますます増えていくと予想されます。

スマートウォッチを効果的に
診療に取り入れることができれば、
疾患の早期発見や
患者さんの健康状態の把握などを
効率的に実施できるかもしれません。

日々多忙な医療現場の負担軽減に
つながることが期待されます。

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